2018年8月24日金曜日

No.4 あなたが市長だったら、あるいは市議会議員だったら、なんと答えますか?(5つの質問)

市長選挙立候補者(2名)と当選が確定した市議会議員(20名)に
糸島市立図書館のこれからについて、公開質問状(5つの質問)をだしました。

 今年の1月28日に行われた糸島市長選挙で、糸島市の図書館を考える市民の会で、
お2人の立候補者に糸島市の図書館のこれからについての考えをお聞きするため公開質問状を出しました。(『市民が誇りとする図書館を 糸島市立図書館のこれからについての公開質問状』、添付資料8点、1月18日)

また市長選挙と同じ日に行われた市議会議員選挙で当選された20名の市議会議員に、市長選挙にだした公開質問状と同じ内容の質問状をだしました。(議員への添付資料は市長選挙の時の8点にさらに8点を加え16点、3月8日)

糸島市では2013年(平成25)年3月に『糸島市立図書館サービス基本計画』を策定し、
図書館サービスの基本方針として「糸島市立図書館は、いつでも、どこでも、だれでも、どんな資料でも提供するをモットーに、市民の身近な『滞在型図書館』となるよう図書館サービスを実施します。」と述べています。

そこで今回の公開質問状では、市立図書館については、①『どこでも』について、また
質問の②、③で『どこでも、だれでも』を実現するために必要な手立て(方策)について、さらに④『なんでも』について質問しました。

また学校図書館については、⑤『学校図書館の図書費』について質問しました。糸島で育つ子どもたちの教育環境がどうなっているかに責任のある市民の一人としてのあなたは、5つの問いをどのように考えますか。もしあなたが糸島市長だったら、あるいは糸島市の市議会議員だったら、どのように答えますか。

5つの質問
公開質問状は「前文」と「5つの質問」からなり、質問の前に、その質問の趣旨、背景を述べて質問しているものがあります。(問1,問2,問5)また、各質問の趣旨、背景を説明するため添付資料をつけています。

1.(質問の前の頁に、糸島市の地図の15の小学校区の区分図を示して、小学校区ごと
 の人口一人当たりの年間貸出点数を表示(平成28年度の実績)、また、糸島市教育委
 員会の同年度の目標値や『望ましい基準』(参考値)等を表示して、「小学校区別」の
 図や表をもとに質問します。
   
ブログの前号(NO.3)で紹介した『いとしま としょかんしんぶん』の1pと2p
に掲載したもの。   いとしま としょかんしんぶん 第1号

図書館がどれだけ利用されているかを表す基本的な指標が「「人口一人当たりの貸出
冊数」です。平成28年度の糸島市立図書館は、市民1人あたり、5.7冊でした。

『糸島市教育振興計画 平成28年4月改定版』では、28年度の目標値5.5冊29年度
 5.6冊が最終目標値としてあげられています。また、『糸島市後期基本計画』では、平
 成32年度の目標として6.0冊となっています。文部科学省が「図書館法」及び「望ま
 しい基準」の参考値として示した、糸島市と人口同規模の図書館は10.9冊(平成27年
 度、現在公表されている最新の数値)となっています。 【添付資料③、④を参照】

〈問1〉平成28年度の市民1人当たりの貸出は5.7で29年度の目標値5.6を超えています
 が、同年度の目標値5.5を下回る校区は波多江(4.6)、前原南(5.3)、加布里(5.2)
 長糸【2.7】、雷山【2.8】、怡土【2.3】、東風【3.0】、福吉(5.1)、桜野(4.9)
 引津【3.8】と15校区中、半数近い7校区もあります。

特に3冊以下が5校区あり、そのうち長糸、雷山、怡土校区は2冊台と目標値の半数前後のきわめて低い利用度となっています。
このような実態に対してどのようにお考えですか。
(回答は該当する数字に○をしてください。)

①全体的には目標値の5.5を上回っているので、特に対応を考えない。
(その他理由があれば        )

②目標値を下回る校区が半数近くあり、3冊台以下と極めて利用が低い所が5校もあること
 から、政策的対応(実態を把握し計画を立てての対応)が必要だと考える。
「どこでも「だれでも」利用できる図書館の在り方から考えても。
(分館の適切な配置計画や移動図書館車の運行などの検討)

③その他(              )

2.全国の図書館で、自治体間で図書館サービスに大きな格差が生じることのないよう
 に1950(昭和25)年に制定された「図書館法」では、

「第7条の2(設置及び運営上望ましい基準)」で、「文部科学大臣は、図書館の健全な
 発達を図るために、図書館の設置及び運営上の望まし基準を定め、これを公表するも
 のとする。」と定めたが、

望ましい基準」が告示されたのは、「図書館法」制定後50年後の2001年(平成13
 年)7月であった。(文部科学省告示第132号、2012 年、平成24年12月に全面的に
 改正)このため、図書館法作成に当たった担当者危惧したとおり、この50年の間に
 に、図書館にしっかり取り組んだ自治体とそうででない自治体との間で実に大きな図書
 館サービスの格差が生まれてしまった。

すべての市民へのサービスが立ち遅れている糸島市にあっては「望ましい基準」の骨子を
図書館の計画や運営にとりこむことが大切であるが、まず早急にとりくまなけばならないのは、別表の「目標基準例」を参考に「指標」を選定し、「数値目標」を設定して、その達成に計画的に取り組むことである。

(糸島市図書館サービス)『基本計画』では「5.数値目標」の項で「糸島市では『公立
図書館の設置及び運営上の望ましい基準』に近づけるよう努力します。」とあるが、『糸島市教育振興計画』や『糸島市後期計画』であげられた「指標」と『数値目標」は、「蔵書冊数」と「貸出冊数」の2つだけで、しかも「平成32年度の人口当たたり6.0冊」の貸
出目標は、その設定自体があまりに低い。

なぜ低い設定であると言えるかというと、上記1で述べたように、平成28年度の人口当り
りの貸出冊数は5.7冊で、これが0.3伸びて6.0になっても、それだけの数値では、5つの
小学校区の極めて低い利用の状態を変える数値ではないからだ。6.0冊に目標を設定することは、利用の低い地区の状態をそのままにしておくことになると考えます。

また、前原地区での高い貸出の校区が、南風(7.6)、前原(7.3)であるというのも、
「望ましい数値10.9」を大きく下回っているのは、前原本館では、目いっぱいの働きをされているものの、人口10万人の市に相応しい本館の規模でないことを示してと考えられる。

それでは、適正な規模はと考える時、参考になるのは毎年『図書館雑誌』の5月号に掲載される23の指標と、糸島市の図書館の数値目標を設定する際に参考となる具体的な数値である。【添付資料⑤を参照】

問2〉糸島市の図書館においても、計画の作成にあたっては、「目標基準例」や図書館
 雑誌に示された指標と数値目標を積極的に取り入れていくことが肝心なことだと考えま
 すが、お考えは。

(指標の例、「図書館数」「延床面積」「自動車図書館数(台数)」「専任職員数」
「うち司書数」「司書率」「蔵書数」「うち開架冊数」「図書年間購入冊数」「雑誌・新
 聞年間購入種数」「登録者数」「貸出点数」「人口当たり貸出点数」「予約件数」「図書館費」「資料費」「うち図書費」「うち雑誌・新聞費」「うち視聴覚費」「人口当たり資料費」

①現行のままでよい。「蔵書冊数」『貸出冊数」

②取り入れる。

③その他

〈問3〉図書館の計画を糸島市長期総合計画の中に入れる。

① はい
② いいえ (理由)
③ その他(                )

〈問4〉「なんでも」について
 現在、糸島市の図書館では、多感からの借用は、県内の図書館と国立国会図書館からに
 限られています。これについてはどのようにお考えですか。

①現行のままにする。(理由)
②「なんでも」の観点から、借りれるように予算措置をする。
③その他(             ) 

5.学校図書館の図書費について 【資料⑥、⑦を参照】
 平成29年度から文部科学省の第5次『学校図書館図書整備等5か年計画』が始まりまし
 た。これは、

 1.学校図書館図書整備のため単年度220億円、総額1100億円を地方交付税措置するも
 ものです。増加冊数分に325億円、古くなった本を新しく買いかえる更新冊数分775億
 円。
 2.学校図書館への新聞配備費に単年度30億円、総額150億円。

 3.学校司書の配置に単年度220億円、総額約1100億円のち方交付税の措置をしたもの
 で、これをどう使うか書く自治体が決めるとなっているため、自治体により、の予算措
 置には大きな違いがみられ、それが今日まで(20年にわたって)続いています。

全国の自治体で学校図書館の図書費として全額を予算措置しない自治体が多かったことから、平成19年度の全自治体の予算措置率を市町村名をあげて文部科学省が公表したことがあります。予算化を促すためです。

平成19年度の福岡県内の状況をみると、69市町村中、予算措置率第1位の福津市が211.8%、第2位の東峰村171.6%から22位の嘉麻町の101.2%まで100%をこえる市町村
が続いています。

合併前の志摩町は69市町村中59位の55.2%、二丈町が60位で54.5%、前原市が62位の
52.3%と、いずれも50%台と県内でも、とりわけ低い位置にまとまっていました。

その後、(糸島市議会での)100%の予算化の求めに対して(前、松本市長時代の)市の
答弁は、「どう使うかは市の判断による」の一点張りで、現在までおおむね予算措置率が低い状態が続いていると思われます。第4期までの20年間、予算措置をしっかりとってきた市町村と糸島市の学校図書館の間には図書費の額の相違があると考えられます。

※ 市長選挙時の添付資料では、『学校図書館図書整備5か年計画』が平成5年に始まって
以来の合併前後の糸島地区・糸島市の年度ごとの予算措置率資料は作成できていませんでした。市議会議員に公開質問状を提出した際に、平成19年度から始まった第3期5カ年計画からは、年度ごとの予算措置率の表を作成して、添付資料として提出。

この資料によれば、この間の極めて低い予算措置率が判明。
平成24年度から29年度までの6年間では、交付額8,298万3千円のうち予算額は3,045万2千円(36.7%)、予算外は5,253万1千円(63.3%)。
    『いとしま としょかんしんぶん』(p2~3参照)

〈問5〉糸島の小・中学校に通うこどもたちが何故このようなわずかの冊数しか購入できな
 い状態に置かれ続けられるのでしょうか。国、文部科学省ですら、学校図書館の蔵書の
 貧しさに20年前から気づき、子供時代に本に触れ、読書の習慣を身につけることがどん
 なに大切かを考えて、5期にわたって学校図書館の図書整備に力をつくしているのに。

これまでの糸島地区の長期にわたる極めて低い予算措置率を考えると、少なくとも100%以上の予算措置が必要であると考えますが、お考えは。
(平成19年度の予算措置率、全国平均78%、福岡県平均97.%)
 
①現行のままでよい。(理由)
②同じ考えである。
③その他(                )

ありがとうございました。質問は以上です。

【添付資料】

①「図書館にはDNAが大事なのです」菅原峻『アミューズ』2000.1.26 毎日新聞社 
D=ディレクター=館長    (図書館ディレクター不足の大問題)
「図書館とはまったくゆかりのないところから異動で来た、本に何の興味もない館長か、
それとも専門の教育を受けて、本という海を航海する船=図書館をしっかりと操舵している館長か」

N=NEW BOOK=新しい本
「新しく内容豊かな図書をきちんと購入し続けているか。・・・オープン後は資料購入がペースダウンする図書館も割と多い」

A=ATRACT=魅力
「中身の伴った資格を持ち、利用者の役に立つ魅力的な専門職員がいるかどうか」

図書館は3つのタイプに分けられる 
1.図書館という看板の下がった役所 、全体の半分以上   
2.無料の貸本屋 、残りの70~80%
3.本物の図書館、5%
「しかも、当初3であっても1,2化していくケースが珍しくない」
 
②「本物の図書館・博物館づくりを目指して」『国土交通』2003.1  国土交通省
・滋賀の図書館づくり (まず人〈館長・司書〉の確保から)
・一般会計の1%を図書館費に

③「図書館力は文化力~図書館サービスで日本一に」(`滋賀県 知事談話`)
 滋賀県ホームページ 「ようこそ知事室へ」 2017.9.7

④「本も買い物宅急便で」 筑後市立図書館が新しいサービス 朝日新聞2013.12.10

⑤「図書館サービスの望ましい指標と糸島市立図書館の比較」(平成27年度)
糸島市(10万人)と人口同規模の滋賀県東近江市立図書館(11万5千人)との比較も掲載

『いとしま としょかんしんぶん』p4.
  いとしま としょかんしんぶん 第1号
   
      糸島市立図書館     東近江市立図書館
専任職員数         4人        24人
資料費      1,678万5千円    5,580万9千円
人口当たり資料費     168円        481円
蔵書数         27万冊      96万5千冊
年間購入冊数      8,511冊      27,558冊
雑誌購入タイトル数    146         794

図書館数         3館         7館
延べ面積       3,469㎡       10,141㎡
自動車図書館台数      0         2台
貸出点数      57万6千点       98万1千点
人口当たり貸出点数    5.8点        8.5点
予約件数      13,500件       82,200件

⑥「学校図書館図書整備等5か年計画」文部科学省

⑦「平成19年度 福岡県内学校図書館(予算措置率順位表)」

⑧「2015(平成27)年度 福岡県内公立図書館貸出順位表(人口一人当たり)
県内52、図書館設置自治体中  
・糸島市 人口当たり貸出 35位 4.77点
・人口あたり資料費  1位 みやこ町・久山町 762円  糸島市(173円)
・中学校区設置率  
 1位 苅田町 200%(中学校数2,図書館数4,自動車図書館1台
  人口当たり貸出11.74点(4位)
 糸島市 50%(中学校数6,図書館数3、BMは0)

以上が市長選挙時の添付資料、以下は市会議員に向けてさらに追加した添付資料

・「糸島市図書館サービス基本計画」より。第4章 5.数値目標
糸島市教育委員会 平成25年11月

・「伊万里市民図書館の運営目標値」  2003年(平成15年)
「伊万里市民図書館の望ましい基準」

 伊万里市民図書館 としょかん通信 平成30年初夏号(第203号) 1P
 同上 2P
 同上 3P

⑨「伊万里市民図書館の望ましい基準との比較」
 伊万里市民図書館『としょかん通信』 平成29年初夏号(第197号)

 伊万里市民図書館 としょかん通信 平成30年初夏号(第203号) 1P
 同上 2P
 同上 3P 

⑫糸島市の学校図書館の図書費及び予算措置率の推移」(弊政19年~29年)



⑬「よりよい図書館サービスをめざして 東近江市立図書館の実践」
 西澤和江 『みんなの図書館』2018年3月号
⑭「心揺さぶる図書館の誕生 東近江市立蒲生図書館を訪ねて」
『としょかん村』 第①号2009.4.1
⑮「貸出上位の公立図書館整備状況・2016」『図書館雑誌』2017年5月号
⑯「図書館利用者懇談会」(平成30年2月22日 二丈館)  市民の声
 
                                    以上


  

  
 



























2018年8月15日水曜日

No.3 「いとしま としょかんしんぶん」 創刊 2018.8.15. 

「としょかんを通してこのまちが見える あなたの暮らしに役立つしんぶん」を目指して

『いとしま としょかんしんぶん』第1号を発行します。(季刊、年4回、緊急のお知らせがあるときなどは、随時発行) いとしま としょかんしんぶん 第1号 

あなたの手から隣の人、行きあう人の手から手に手渡され、私たちが住むまちの図書館を
めぐっての論議が広がっていきますように。(「あらまし」の後段に菅原峻さんのこと)
   
図書館とひとくちに言っても、実は自治体によってその図書館サービスにはほんとうに大きな格差があります。図書館のこと、私たちのまちのことを、まずは知ることからはじめたい。そんな思いでつくる、糸島市の図書館のこれからを考える市民の声の広場です。
糸島のこれまでの図書館づくりの歩みと、時時刻刻の糸島図書館事情を伝えるブログ
「図書館の風」http://www.kazedayori.jp もあわせてご覧ください。

編集・デザインは前原市(人口7万人)、志摩町(1万7千人)、二丈町(1万3千人)の1市2町が合併して糸島市となった2010年(平成22年)1月の翌月の2月に、歩みを始めた`としょかんのたね・二丈`の初代世話人の大松くみこさんです。

( パソコン画面から印刷する手立てをもつ方へ)「いとしま としょかんしんぶん 第1号」をクリックして(4頁)印刷し、身近なお人に手渡しを。) 

いとしま としょかんしんぶん 第1号 発行の次第と内容のあらましについて

本年の1月28日、糸島市長選挙が行われました。糸島市の図書館を考える市民の会では、市長選挙に立候補した高橋徹郎氏と月形裕二氏のお二人に1月18日、図書館についての公開質問状(『市民が誇りとする図書館を 糸島市立図書館のこれからについての公開質問状』)を出しました。

また、同じ内容の質問状を市長選挙と同日に行われた市議会議員選挙で当選が確定した20名の議員に提出し12名の議員から回答をいただきました。これらの回答を踏まえて、当選された月形裕二市長にあてて6月4日、『糸島市立図書館のこれからについての提言』を提出しました。市会議員の皆さんや教育長、副市長、関係各課や新聞社等にも配布しました。

今回の第1号では、公開質問状で行った5つの質問のうち3点ついて、質問の背景にある
糸島市の図書館の現状と課題について市民のみなさんにクイズの形でお尋ねするものです。

「公開質問状の内容と回答」、『糸島市立図書館のこれからについての提言』、そして市の対応については順次お知らせしていきます。

菅原峻(たかし)さんのこと。

市長選挙立候補者への公開質問状、また市議会議員への公開質問状の中で、2000年1月のある雑誌での菅原峻さんの言葉を紹介しています。

1978年から図書館計画施設研究所を始め、「北海道から沖縄県まで全国各地の図書館の基本計画をつくり(99館。25年間勤めた、前職の日本図書館協会では5館、合計100館をこえる。設計のコンサルタントも)図書館づくりの現場に日本でもっともたくさん立ち会った菅原峻さんは、日本の図書館は次の3つのタイプに分けられると発言しています。
(『図書館にはDNAが大事なのです』(『アミューズ』毎日新聞社2000.1.26、『図書館の明日を開く』晶文社1999)

最も多いのが、①.「図書館という看板が下がった役所」としか言えない図書館で、
全体の半分以上がそれに当たる。
②「無料の貸本屋」、残りの70~80%の図書館がそれに当たる。
③「本物の図書館」、全体の5%。しかも「本物の図書館」と思っていたところが、
いつのまにか、①、②化していくケースが珍しくない。それ程、「図書館はひよわ
な存在です」と。

糸島市は、市民である私たちは、3つの道のどれを選ぶかという問いかけです。

菅原さんがそこで述べている「本物の図書館」の要件、「図書館に大事なDNA」とは何かについては、あらためて紹介します。
各地でよりよい図書館づくり運動にとりくむ人たちをつなぎ、励まし、深い力で支え続けて来たのが、1981年8月15日に創刊され、2015年1月15日の100号まで、23年余りにわたり発行された『としょかん』(図書館計画施設研究所刊)で、「住民の住民による住民のための図書館」を考える私たち一人ひとりへの菅原さんからのこの上ない贈り物です。(当初は年4回の季刊、73号から年6回の隔月刊。2007年1月からは、`としょかん文庫・友の会`が101号から再刊。『としょかん 復刻版 NO.1~100』1,210頁 は図書館を考える時の宝の山です)



菅原さんは全国各地に講演で呼ばれていますが、糸島(前原)には1994年6月12日、市主催の講演会「いまふうの図書館、生涯学習施設では」に来られていて、日曜日に150人の参加があったようです。この地に、としょかんのたねは、スデ二播かれている・・・

「1945年の夏、少年兵を解かれた18歳の私は、貨物船の甲板に寝転んで、津軽海峡を函館に向かっていた。毎食高粱の雑炊に明け暮れた体は、汗もかかなかった。

8月15日の午後、なぜこんなに涙が流れて止まらないのか、誰もがその意味を問うこともできずにいた。」
『図書館の明日をひらく』菅原峻 NO.31,06/4 /22 BIGLOBEメールマガジン
 「カプライト」より 菅原峻さんをしのぶ会 2012.1.23  この冊子づくりに感銘!
糸島市の図書館で所蔵しています。)

 『としょかん』の刊行日が8月15日であることに、菅原さんの深い思いがあったことをどこかに記されていたように思う。「いとしま としょかんしんぶん」の創刊の日を8月15日とすることで、菅原峻さんから手渡されたものを考え続けながら歩む「いとしま としょかんしんぶん」を目指したい。

紙面のことでの質問や意見、どしどしお寄せください。

 ‘いとしま としょかんしんぶん‘ が
あなたの手から 隣の人に 行きあう人に手渡され
そこ ここで 図書館をめぐっての 話の場が生れ
広がっていきますように
一陣の風を

( パソコン画面から印刷する手立てをもつ方へ)
下の「いとしま としょかんしんぶん 第1号」をクリックして(4頁)印刷し、
身近なお人に手渡しを。)

いとしま としょかんしんぶん 第1号
[参考]
伊万里市民図書館 としょかん通信 平成30年初夏号(第203号) 1P

 同上 2P

 同上 3P

※1p・・・「としょかん通信」見出し:注目を集める移動図書館「ぶっくん」
  九大生が卒業論文で伊万里市民図書館の移動図書館をとりあげる。論文はファイルさ
  れていて図書館で借りられます。
2p・・・平成29年度の図書館の活動報告 イラスト入りで分かりやすく説明。
3p・・・伊万里市民図書館の望ましい基準値(目標値)と実績を比較して、達成率を表
 示。課題が何かを明確にしている。
 1.施設 2.職員 3.資料 4.提供 に分けて18の指標(目標)を定めている。
 注目されるのは、これらの望ましい基準(指標と数値目標)の決め方である。
 図書館長の諮問機関である図書館協議会に館長が諮問し、協議会では丁寧な調査をした
 上で、協議し答申している。

糸島市立図書館では目標とする指標は①蔵書数 ②貸出点数 ③利用者の満足度の3つ
のみである。伊万里市民図書館の18の指標と較べていただきたい。