図書館の風
2007年から糸島に移り住み、思いを同じくする人たちと「としょかんのたね・二丈」を始め、志摩地区の「みんなの図書館つくろう会」、二丈深江地区の「糸島くらしと図書館」の人たちと共に、糸島のより良い図書館づくりを目指して活動してきた。「糸島の図書館は今、どうなっているのか」、糸島図書館事情を発信し、市民と共に育つ糸島市の図書館を考えていきたい。糸島市の図書館のあり方と深く関わる、隣接する福岡市や県内外の図書館についても共に考えていきます。
2023年3月26日日曜日
2023年1月30日月曜日
『みんなの図書館』2月号が面白い!No.106
『みんなの図書館』という雑誌を手にしたことがありますか。A5版(14.8×21cm)の小さな雑誌。
同誌は図書館問題研究会が編集している月刊誌で教育資料出版会から発行されています。その2月号、とても面白く読みました。そのいくつかを紹介します。
同誌では毎月、ほぼテーマ(特集)が決められていて最近の例では「図書館とコラボレーショ」’22.12月号、「小規模図書館が生きる道ほか」’23.1月号、そして今年の2月号は「特集:図書館に正規司書を」となっています。目次についで編集部より「特集にあたって」の文章があって(今回は文責:清水明美)、なぜこの特集をするかが書かれています。以下に引用します。
[特集]図書館に正規司書を―図書館に正規採用の司書を増やしていくために何ができるのか
昨年、2022年2月号の特集において「公共図書館における正規公務員の司書が、全数の1割に迫っている。」と書きました。各自治体においては図書館職員や住民が正規司書を増やすべく働きかける努力をしてきましたが、まだまだ改善にはほど遠い状況です。しかしこの1年の間に図書館問題研究会全国大会において、アピール「図書館法を改正して公立図書館に司書の必置を求めます」が採択されるなど、さらに改善に向けての歩みが進みつつあります。(『みんなの図書館』2022年9月号参照)
今回の特集では現行図書館法にはなぜ司書の必置がないのかを、図書館法制定の歴史研究から考察し、現在常勤の正規司書がいない自治体の調査報告、正規職員採用の先進地滋賀県の図書館職員・行政職員・住民からの報告を通して、なぜ専門職員司書が必要か、さらに正規であることの必要性について考え、正規採用の司書を増やしていくためにできることについて、考えるきっかけにしていきたいと思います。
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特集で面白かった3つの文章
特集には5つの文章があるが、①「司書必置はどこに消えたのか——図書館法成立過程での司書規定の変遷」小形亮、②「司書のいない自治体一覧」大原明、に次いである3つの文章が私にはとても面白く思われた。(①~⑤の番号は筆者による。)
3つの文章はいずれも滋賀県の東近江市立図書館に関わるもので(私自身1995年4月から当時人口2万3千人の能登川町の図書館・博物館開設準備室、1997年11月の能登川町立図書館・博物館開館から、2007年3月東近市立能登川図書館・博物館退職まで勤務)、文章を寄せた3人のうち2人は東近江市立図書館の職員(司書)、1人は東近江市の市民。
1つ目は東近江市立永源寺図書館に勤務する前田さんの、
③「あたりまえ」を積み重ねること――東近江市立図書館の市民
・行政との連携。(前田笑)
東近江市立図書館が「行政や市民との連携」について行ってきた最近5年間の活動を中心に紹介。
人口約11万人の東近江市には7つの図書館(八日市・永源寺・五個荘・湖東・愛東・能登川・蒲生)があり正規職員(22)・会計年度任用職員(19)は全員司書で、「長年正規職員の司書として 働いてきた職員が館長・副館長になっています。(2023年度に1名採用予定)」
(因みに東近江市と人口規模の糸島市(人口10万人)では図書館3館、正規職員4(司書0)、会計年度任用職員27)
〔1.市役所各課との協働事業〕では市役所の各課と図書館が共同で行った活動を紹介しています。
〈最近では〉
〇(参画課から声がかかり、12月の人権週間に合わせて、市内各図書館で啓発展示。参画課が用意したパネルに合わせて図書館の資料を展示・貸出。
「人権について学ぶことのできるリストづくり」編集会議に参画課から2名、図書館から4名参加、作成、配布。その直後の図書館の全体会(全館共通の館内整理日に行う情報交換・研修などの集まり)の研修テーマを、同和教育や利用制限のある資料について、と定め参画課に研修内容の相談を行って実施。
「こんなふうに、市役所他課との交流があることによって、日々の新しい仕事が生まれたり、自分たちの資質を高める機会が生まれたりしています。」
〈健康福祉部との連携―高齢化社会に対応した図書館づくり〉では。
〇担当課(福祉総合支援課、2021年からは地域包括支援センター)の協力をえて、図書館職員の研修として認知症サポーター養成講座を実施。
〇健康寿命の延伸をめざす健康福祉部と、図書館の未利用者の開拓を行いたい図書館の思いが合致し、福祉総合支援課と共催企画。「図書館でいきいき脳活」(八日市・能登川・湖東・永源寺の各館で)、永源寺館では行政と図書館だけでなく、市民グループ「楽楽ひろばの会」とも連携。
〇「いきいき本の元気便健康プラス」、保健センターや福祉総合支援課と連携して地域に出かける事業を開始。2020年度末に移動図書館者を更新した際に、軽トラック改造型であるという身軽さを活かしたサービスを開拓、各集落で行われている交流サロンなどに出かけてゆき、移動図書館で資料の貸出を行うだけではなく、保健師による健康に関する話、認知症サポーターキャラバンメイトによる予防体操、司書による音読体験や
ブックトークなどのプログラム。依頼者の求めに応じて組み合わせて提供。
また、〈教育・子ども行政との連携ー「子ども読書活動推進計画」をベースに
市役所のさまざなな課や市民ボランティアと手を取り合って、子供の読書環境の醸成に努める。
①「教育研究所だより」(市の教育研究所が年に10回程度発行)に毎号司書による図書紹介コーナー
②教育研究所が主催する、小中学校教師の夏休みの研修で、ブックトーク絵本について司書が講師に。
③幼児教育センターや幼児課(市内の幼稚園・保育所・認定こども園を管轄)と連携。2018年度から各園の園文庫整備支援事業を実施。潜在保育士、若手保育士を対象とした絵本に関する研修の講師。
④「ルピナスさんの会」ー各地域のおはなしボランティアのグループの連合体ー各グループの代表と各図書館の児童サービス主担当者が年数回集まって情報交換。その中から提案された事業を形にしていく。(2017年度から「初心者向け絵本読み語り基礎講座」、司書が講師)
《目を引かれたのは》
〔2.図書館から市役所へ「仕事に役立つ図書館だより」〕
「東近江市職員の仕事に役立つ図書館だより」の発行、2018年4月より月に1回。
〈内容〉前月に受け入れた全資料から、4つのテーマ(①「行政・法律・社会」、②「教育・子ども・福祉」 ③「はたらく」、④「郷土を知る」)のもと、市職員にぜひ手に取ってほしい資料をリストアップ。
リスト形式で毎号50~60冊紹介。各ジャンルから1~2冊ずつを書影と短めの紹介文付きで掲載。さらに
「今月の1冊」としてピックアップした資料を少し長めの文章とともに巻頭で紹介。
また、雑誌や各種団体の刊行物などから、市に関する記事をピックアップして情報提供。
※発行開始前の企画段階で、研修や事業での連携などでつながりのあった職員にサンプルを見せ、意見やアドバイスをもらっている。ペーパレスで、庁内のグループウェアにPDFで掲載、市の全職員が見られる。紹介した資料が掲載翌日にインターネットで予約されていたり、研修や会議の場で出会った職員から「毎月見てるよ」という嬉しい声も。
議会図書室への資料提供
・2021年2月、市の議会事務局からの依頼で、議会図書室のリニューアルに協力。資料を手に取りたくなるような配架や書架見出しを提案。除籍や更新の作業を事務局職員と行う。その後、図書館資料を定期的に議会図書室に提供。時宜に適った資料や「東近江市職員の仕事に役立つ図書館だより」を毎月届ける。
〔3.市民と手を取り合う〕
〈市民の様々な活動への資料・情報や場の提供〉
・「さぼてんのはな」(流産や死産を経験した人たちの支援グループ、当事者同士の交流の場を設けたり、亡く なった赤ちゃんに着せるためのベビー服づくりに取り組んだり。)
2022年、「さぼてんのはな」がその活動を知ってもらうための展示をしたいと、図書館にもちかけ、市内の複数館で開催。その際、グリーフケアや周産期医療に関する図書館資料も展示・貸出を行う。
このケースのほかにも、市民の持ち込み企画や協働による展示や講演会などを多く開催していて、市民活動を通して図書館資料を活かす場となっている。
・「楽楽ひろば」(永源寺館を地域住民でにぎわう場にしたいという思いを持った市民が始めたグループ、数々の連携事業)2019年の「いきいき脳活」で活動をスタートしたあと、保健センターの市民向けプログラム「まちリハ」を活用した事業を永源寺館で定期的に行う。保健センターとの連絡や広報への協力などで、図書館も積極的に関わる。 永源寺館では、日赤奉仕団の地域支部とともに図書館外構の美化活動や季節のお花やめだかの鉢の展示など、図書館の居心地がよくなるよう様々な工夫を。
〔4.社会福祉協議会との関係づくり〕
社会福祉協議会=「地域に暮らす高齢者や障がい者をはじめ、すべての市民が一人の人間として尊重され、お互いに理解しあい、協働して共に支えあいふれあいながら、住み慣れた地域において、安心して暮らすことができる福祉のまち」を目指して活動。➡図書館の大切なパートナー
・永源寺地区では、住民福祉計画「住めば都プラン」推進会議」に、2010年頃から司書が参加。
地域の「顔」(キーパソン)を知り、つながることのできる大事な機会。ここから生まれた事業➡①「地域で暮らす高齢者の知恵を伝えるワークショップ」、②社協の担当職員とつながることで、例えば移動図書館の訪問先として適切な施設・団体の情報を得る。(図書館の仕事に還元)
5.「そこら」さまざまな人と手を取り合い、地域資料をつくる
東近江市立図書館では、行政・市民・社協などさまざまな立場の人とつながりをもってきた。その精華ともいえる取り組み➡地域情報誌『そこら』の発行。
2014年から年に1度のペース。編集チーム=図書館職員、市役所職員、NPOまちづくりネットの職員で始まった。今ではそれに地元新聞の関係者やフリーのカメラマンなど、民間の人を巻き込んで展開。
市内の気になるお店や名所旧跡、魅力的な人物【キーパーソンだ!:才‣註】を(司書)自ら取材し、記事にっまとめ、紙面を編集。印刷にかかる費用は市の予算に限らず、メンバーの業務に関する補助金やまちづくりに関する支援金なども活用。
〔6.「正規職員の司書がいること」の意義〕
最初に記したように私が住む糸島市は東近江市と人口同規模であるが、図書館の正規職員は4人、うち司書は0である。これに対し東近江市は22人の正規職員、全員が司書である。糸島市の隣、人口155万人をこえる福岡市は政令指定都市20市の中で、貸出密度(市民1人当たり年間貸出点数)は最下位の2.6(2020年度)、図書館の正規職員は31人で、うち司書はなんと2人である。因みに政令指定都市中、貸出密度が一番高い人口131万4千人のさいたま市は貸出密度は福岡市の約3倍の7.5、専任職員は福岡市の5倍の165人、うち司書は96人で福岡市の48倍である。図書館数では糸島市3館、移動図書館(BM)0;東近江市7館、BM2;福岡市12館、BMは0;さいたま市25館、BM1,サービスポイント2である。
図書館にその人口規模にふさわしい司書がいるとはどういうことか。さいごに前田笑さんの文章を引用したい。
「これらの連携を振り返って思うのは、市立図書館の司書職員は、市民と行政の中間的な存在であるということです。日々カウンターで利用者と接し、書架の状態を確認し、社会の情勢を注視しながら選書にあたるわたしたちは、同時に市の職員であって、災害対応にもあたりますし、行政職員としての研修も受けます。それらは孤立した仕事ではなく、どこかでつながって循環している仕事です。また、一つ一つを
取ってみれば、とくに華々しくもなく、大きな予算も必要としない「あたりまえ」の仕事です。けれども、これらを積み重ねられてきたのは、司書であり、行政職員であるという立場の職員が、合併前からの実践と経験を連綿と継いできていること、そしてさまざまな年齢層の職員が安定した環境で働けていることによるのではないかと思います。ランガナタンの言う通り、としょかんは「成長する有機体」です。その成長を支えるのは、専門性と個性を発揮しながら長年働く司書職の集団ではないでしょうか。」
今回、前田さんのレポートについで、ここに書くつもりであったあと2人のレポートについては、号を改めて紹介したい。〔「行政職員からみた図書館とは」東近江市立図書館 山梶瑞穂」、「激動する時代を生きる図書館に期待する」北川憲司(滋賀地方自治研究センター)〕
教育・子どもぎょうせい
2022年12月5日月曜日
中村秋子さん、「父 中村哲のこと」 No.105
毎日新聞の12月4日の朝刊の2面の「みんなの広場 日曜版」に、大きな横見出しで、
《中村哲医師、共に在り》と題された紙面があり、リードの文章は「12月4日は3年前、アフガ二スタンで医療・農業支援活動中、凶弾に倒れた中村哲医師の命日です。35年にわたる活動や言葉に励まされた人々の投稿を紹介します。」と書かれ、5人の投稿者の文章が掲載されていた。
①『自分に厳しい「優しさ」(ペシャワール会会員59・大阪府)』、②『先生への「ありがとう」(小学6年11・大阪府)』、③『学び多い珠玉の言葉(元団体職員72・福岡県)』、④『平和の原点 私は伝える(元会社員89・福岡県)』、⑤『家族がつづった父の顔(無職69・大阪府)』
一人ひとりそれぞれの心に刻まれた中村さんの生き方や言葉に心動かされながら一つずつ読んでいて、最期の⑤の投稿をみて驚いた。
投稿した女性の書き出しはこうだ。「病気療養中の友人に何かできることはないかと考え、小冊子「抜粋(ばっすい)のつづり」(クマヒラ・ホールディングス発行)を送ってもらうことを思いつきました。今年初めの「その八十一」には「父 中村哲のこと」と題した長女秋子さんのエッセイが載っていました。」
驚いたのは「抜粋のつづり その八十一」のことだ。縦17.5、横12.5センチの小さな冊子を私も持っている。「抜粋のつづり」を教えてくださったのは、知人で近所にお住いの波多江一正さんだ。波多江さんは、二丈町議、糸島市議会議員の時に議会で20数回続けて、図書館についての一般質問を行い、糸島の図書館づくりでとても大きな働きをされた方だ。その波多江さんから、面白い冊子があり、申し込めば無料で送られてくると聞いて、今年の初めから読み始めていたのだ「その八十一」の「はしがき」によれば、「抜粋のつづり」の創刊は何と昭和6年(1931年)満州事変が始まった年だ。91年前のこと。クマヒラ・ホールディングスの創業者熊平源蔵氏(明治14年・1881年生、昭和53年・1978年没・97歳)が「社会に感謝・報恩の思いから昭和六年に創刊し、いらい戦中戦後の混乱期の三年をのぞき、一年一冊、ご愛読の皆様の激励の声を背に号を重ねて」きたとあり、「今回も最近一年間の新聞、雑誌、書籍などから、心に響く珠玉のエッセー、コラム三十七篇を抜粋し、小冊子にまとめ」たと。「玉文の転載をご快諾くださいました各界の諸先生、新聞・出版社のご厚情に厚くお礼を申し上げます。」と、熊平源蔵氏の孫にあたる熊平雅人(株式会社クマヒラ、株式会社熊平製作所)会長の挨拶が記されている。【令和四年一月二十九日(創業百二十四周年記念日に当たり)】
「はしがき」の前段には、「おかげさまで弊社創業記念日の本日、「抜粋のつづり その八十一」を四十五万部発行し、百カ国の日本大使館や総領事館、諸官庁、金融機関、上場企業、学校、病院図書館、ロータリークラブなど全国八万九千カ所の団体・個人に寄贈いたしました。」とあり、その発行点数と寄贈先、その方法に驚かされた。
表紙の裏の頁には、昭和六年霜月に書かれた熊平源蔵氏の〈「創刊のことば」から〉が掲載されている。
「日頃の御好意に對して感謝の意を致したいと存じてをりますので、その一端として、このパンフレットを発行いたしました。
積極的消費論と學校教育の普及と改善、又宗教に現世の浄土化思想の必要は私の持論とする所で御座いますが、私の陳弁よりも、近頃讀みましたものの内で、こうした方面に於ける諸名士の御意見を紹介してみたいと存じまして編纂いたしました。」
言葉(を発した人、書き記された言葉)に心打たれ、その言葉を引用して、伝えようとする営み、その息の長い90年をこえる営みが一つの企業で行われてきたこと、行われ続けていることに驚く。「その八十一」の最期の頁、p128の奥付には次のように記されている。
「令和四年一月二十九日 発行(非売品) 発行所 クマヒラ・ホールディングス /
発行人 東京都中央区日本橋本町一・十・三 熊平雅人 /
編集人 広島市南区宇品東二・一・四ニ 宮脇保博 /
お問い合わせ 電話(0八二)二五一・二一一一(代表)/
印刷所 広島市西区商工センター七・五・五二 株式会社ユニバーサルポスト
(印刷部数 450,000部)、また次頁の裏表紙の裏には「全国の(株)クマヒラでも贈呈いたします」(※発送のために取得しました個人情報はそれ以外の目的では使用しません)と記して、本社及び全国の支社、営業所54カ所の住所、電話番号が記されている。
中村秋子さんの文章を私はそれが雑誌に掲載された当時目にしていたが、ここであらためて「抜粋のつづり その八十一」からその文章をたどって、秋子さんがこれを書き始められた時に思いをいたしたい。
父 中村哲のこと
中村秋子
父がアフガ二スタンで凶弾に倒れてから一年以上が経ちました。いつも危険を承知で行くのを送り出していたからでしょうか、事件を知ったときは「起きてほしくはなかったけど、お疲れさまでした」と冷静に受け止めました。
父をアフガニスタンまで迎えに行く機中で、父のことや一〇歳まで住んでいたパキスタン北西部ペシャワールのことを思い出していました。騒がしくて埃っぽく、全体的に黄土色のイメージでしたが、いつも晴天で活気がある街でした。自宅は父の勤務していた病院の敷地内にあったので、家とは違う真剣な表情で仕事をしている父を垣間見ることがありました。子供ながらに大変そうだなと思っていたのでしょう、仕事で疲れうたた寝をしている父を見ると「このまま目を覚まさないのでは」と不安になり、寝息を確かめたこともありました。
今回の事件では、ドライバーと護衛の方五名が亡くなりましたが、皆さん私よりも若く、小さなお子様がいると聞いていたので、「幼くして父を亡くすことは大人の私とはまた違う悲しみがあるはず」と、子供の頃のあの不安な気持ちが重なり、悲しみが増すばかりでした。
到着後、大統領府でガニ大統領から弔意をいただき、父から事業の説明を受けたこと、国民が今回の事件を非常に悲しんでいるということを話してくださいました。ルーラ大統領夫人や大臣やその奥様もおられました。後で聞いたことですが、公的な立場にない女性が公の場所に出るのは極めて異例なことで、父がいかにアフガニスタンに受け入れられていたかを実感し、そのお心遣い慰められました。私は大統領に感謝と、五名の方へのお悔やみを申し上げました。今回の訪問ではアフガニスタン国民の皆様の関心の高さに驚かされましたが、それだけアフガニスタンは困難な状況にあり、父の事業が必要とされていたのでしょう。
帰国前のカブール空港に父が働いていたナンガラハル州各地から長老の方々が駆けつけて来られました。「ありがとう」「申し訳ない」と必死の思いでおっしゃるご様子に、もっとお話しできる時間があればと残念でした。みなさまの父への思い、ペシャワールを思い出させる懐かしい風景が名残惜しく、いつの日か再訪し、よみがえった緑の大地を見たいとの思いを強くしました。
家にいるときの父は、仕事でパソコンに向かっているか、庭で草木の手入れを一日中していました。最近は事業に関連してか果樹への興味が高かったようで、三〇本ほどの果樹が植えられています。素朴で気取らずおおらかな性格で、くだらない冗談を言い、スーツのまま庭仕事をして母に注意されたり、何度も禁煙に失敗したり・・・・・・。私との親子喧嘩も一度や二度ではありません。子供や孫が集まって賑やかにしているのを傍らから楽しそうに見ている、ごく普通の父親でした。ただ礼儀には厳しく、「挨拶をしなかったら敵とみなされる」などと言うときには、「ここはどこなの?」と言い返したくなりました。
またシンプルな人だったので、物事の本質を見極め、先を見通す力にも長けていたと思います。「気立て良くいなさい」「頑張ればなんとかなるよ」「できることはできるし、できんことはできんたい」と淡々としているのですが、父が言うとどこか希望を感じさせました。何でも白黒つけがちな私に「いろんな立場や状況がある。相手がどんな思いなのか自分の枠に当てはめずによく考えることが大切で、何もかもを明らかにしたら良いというものではない」と諭すなど、本当に思いやりにあふれた人でした。
またよく「三度のご飯が食べられること、家族が一緒にいられることが人間の幸せ」と言っており、それをアフガ二スタンで実現させるために事業に力を注いでいたと思います。確かに父は常人離れした行動力や、人を惹きつける力がありましたが、その根本にあるのは人間に共通する素朴な願いであり、そういう意味では決して特別な人ではなかったのです。だからこそ、アフガニスタンの苦難に寄りそうことができ、多くの人から共感をいただけるのではないでしょうか。
今日まで多くの人に支えてもらったことには感謝しかありません。父はペシャワール会(父の支援団体)の皆さんをはじめとする、多くの方との縁(えにし)を残してくれました。微力な私ですが、ボランティアの一員として会に携わっていけることは幸せなことです。これからも事業が続いていくことが何よりの願いです。
(なかむら あきこ=ペシャワール会会員・文藝春秋 3年4月号)
〈図書館がある〉ってどういうことか No.105
何度も菅原峻(すがわら たかし)さんの言葉にたちかえる。そのいくつかを。
1.〈図書館がある〉とは、〈図書館の看板の下がった建物がまちにある〉ことではな
く、そのまちの隅々までサービスが行きわたっていて、いつでも、誰でも、どこに住んでいて
も、どんな資料でも利用できる、その態勢がととのっていることをいう。(15頁)
2. まちに図書館があるというのは、どこに住んでいても、そこで役に立つサービスを
手にすることができる、納税者にふさわしい利益を得、あるいは還元を受けることができるこ
とでなければならない。図書館に必要な資料が揃い、自由に利用でき、職員のサービスをしっ
かり得られなければ、まちに図書館があることにはならない。(173頁)
3.本は買って読むもの、日本人は借りるよりも自分のまわりに本を置きたがる、そのような考えが何の根拠もないものであることは、多くの図書館の実績が示している。その実績を生むのが十分な図書費であり、地域地域を覆うサービス網であり、職員体制であることも、あらためていうまでもないことだ。(175頁)
【福岡市の中学校区設置率16%(身近に図書館があるためには中学校区に1館必
要)、政令都市20市の中で最下位の利用度、市民1人当たり年間貸出点数(貸出密度)2.6点。
第1位のさいたま市は、中学校区設置率44%、図書館数25館+移動図書館(BM)1台、
貸出密度7.5点。図書館数で約2倍、貸出密度(利用度)で約3倍、福岡市にはBMもない】
―2018(平成30)年度(コロナ禍前)の統計(『日本の図書館2019』日本図書館協会)―
《福岡市の利用度が極めて低いのは、市民の読書に対する関心が低いからではなく、
市民の身近に、市民の生活圏に図書館がないから。》
A. 《憲法第26条
①ひとはみな平等に教育を受ける権利があるそれぞれ能力に応じた教育を法律は用意する。
②すべての親は自分が育てている子供たちに、法律が用意する※普通教育を受けさせなけれ
ばならない。このような義務教育は無料でなければならない。
(※普通教育=職業にかかわりなく一般共通に必要な知識を与え、教養を育てる教育。)
【『憲法なんて知らないよ』池澤夏樹 集英社文庫 2005年4月25日 第1刷】
➡だから、小学校、中学校は住民の生活圏にある。生活圏になければならない。
B. 公立図書館は、子どもたちを含めて、すべての人の生涯にわたる学び、教育を保障する機関である。学校教育と図書館は、すべてのひとが平等に教育を受ける権利を保障する2本の柱である。「図書館法第17条 公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない。」と「無料の原則」を定めているのは、このこと、「すべての人に教育を受ける権利を」を保障するためである。
C.能登川町立図書館設置条例
4.図書館長は、そのまちの図書館サービスの最高責任者である。図書館の大小、自治体の大小を問わない。住民にどのような図書館サービスをとどけるのか。これからサービスをどう発展させていくのか。それを考え計画を立てる。司書職員を指揮し、相談にのり、業務を滞りなくすすめていく、それが図書館長である。
ふたたびデンマークの図書館法を引くと、その第二条で「図書館長は、他の司書職員の援けを得て資料を選択し、自治体に対してその責を負う」といっている。
住民が必要とする、役に立つ資料群の構成が、図書館長の極めて大切な責務であることを言っているのだ。深い教養、資料についての広範な知識、選択の理論と技法、そういったものを身につけていないで、どうして図書館長が務まるだろうか。(33頁)
(『図書館の明日を拓く』菅原峻 晶文社 1999年10月30日初版)から。
5.「図書館にはDNAが大事なのです」
「Ⅾとはディレクター=館長。図書館とはまったくゆかりのないところから異動で来た、本
に何の興味もない館長か、それとも専門の教育を受けて、本という海を航海する船=図書館を
しっかりと操舵している館長か。大きな違いですね」
NはNEW BOOK=新しい本を指す。「新しく内容豊かな図書をきちんと購入し続けてい
るか」(予算、資料費の問題)
AはATTRACT=魅力。「中身の伴った資格を持ち、利用者の役に立つ魅力的な専門職員
がいるかどうかです」
6.日本の図書館は3タイプに分けられる。
①図書館という看板の下がった役所(全体の半分以上。)
②無料の貸本屋(残りの70~80%)
③本物の図書館(全体のわずか5%、しかも、当初③であっても、①②化していくケースが少
なくない。)
「図書館はひよわな存在です。たとえすばらしい専門職館長やスタッフがいても、異動や退職などで元の木阿弥(もくあみ)になってしまうことが多い。行政の中での教育委員会の位置づけでも、日の当たる場所とはいえません。」
〈では、本物の図書館が本物であり続けるには、そして本物でない図書館が本物になるには、どうすればいいのか。〉
「自分たちの町の図書館の現状を認識することですね。とにかく、どんどん図書館を利用することから始める。そして、図書館のDNAを知る。ここから自分たちにとってのあるべき図書館の姿が見えてきます。僕の持論は、図書館がよくなるのも悪くなるのも住民次第、なんですよ」
【⑤⑥は『アミューズ』毎日新聞社 2000年1月26日号、31∼32頁。図書館の特集号で、菅原さんへのインタビュー記事。同誌による菅原さんのプロフィールを以下に】
「すがわら・たかし 1926年北海道生まれ。社団法人日本図書館協会に25年間勤務。78年3月図書館計画施設研究所を創設。日本各地の図書館づくりにかかわる。全国の図書館づくりの得がたい相談役として活動を続けている。持論は「図書館は住民次第」。著書に「新版これからの図書館」「図書館の明日をひらく」ほか。訳書に「公共図書館の計画とデザイン」など多数。】
追記。2011年6月24日逝去。図書館の現場を日本でもっとも広く深く歩かれた。どんなに内容豊かな図書館の計画書をつくっても、計画書の目指した図書館にならないかを、もっとも多く体験されたとも言えるのではないだろうか。図書館計画施設研究所が基本計画を策定した図書館は100館を越えた。1981(昭和56)年に全国の図書館運動に大きな力となった『としょかん」を創刊、菅原さんが亡くなったあとの2015年(平成27年)まで、24年間間にわたって、100号の発行が行われた。
2022年11月29日火曜日
「福岡市は図書館砂漠のまち」って?どういうことか No.104
福岡市長選挙公開質問状の添付資料についての説明です。(どんな資料を添付したか)
公開質問状には、資料Aと資料1~3の4点の資料を添付しています。
公開質問状では11の質問をしていますが、なぜそのような質問をしたか、その根拠となる資料です。
《資料Aについて》・・・・・・・
1⃣資料AはブログNo.101に掲載していますが、「図書館を楽しむ」市民ネットワーク・福岡の市民の会が、福岡市の図書館が直面している課題、問題点だと考えていることを、できるだけ簡潔に書いたものです。
「私たちはなぜ公開の質問をするのか?ーー「公開の論議を!」と題しているのは、幼児からお年寄りまで、すべての福岡市民に関わる「福岡市の図書館の今とこれからの問題」について、福岡市が、「市民のだれもが」利用できる図書館像とそれに至る道を、これまで市民に示し提示することなく今日に至っていると考えるからです。
ーーーーー
2⃣《図書館砂漠のまち=福岡市を図書館のある街に〉(2022.11)
この言葉に福岡市民である私たちの願いと希望がこめられています。
住みよいまち、住み続けたいまち、市民が誇りとするまちには、
市民の暮らしの中に、市民の身近に、市民の生活圏に図書館が必要です!
ーーーーー
3⃣《福岡市は図書館砂漠・・・市民の身近に図書館がない!》
とはどういうことか。
※市民の利用度がきわめて低い。(コロナ禍前の2018年・平成30年度でみると)
・市民1人当たり1年間の貸出冊数(貸出密度)は2.6点
・政令指定都市20市の中で最下位
〈第1位さいたま市(人口131万4千)7.5点の約1/3の貸出〉
〈福岡県内53市・町の中で50位(県内第1位は水巻町13.8点)〉
・人口30万人以上の市の望ましい貸出密度8.7点の1/3の貸出
(東京の特別区と政令指定都市を除く)
図書館を利用したいと思っても、近くにないから利用できない、
という市民があまりにたくさんいる!・・・図書館砂漠だ
ーーーーー
4⃣なぜ、福岡市民の利用がこんなに少ないのか。
(1)➡市民の身近に、市民の生活圏(中学校区)に図書館がないから。
市民の生活圏=中学校区に1館の図書館をーーー
(※中学校区設置率➡公立中学校数と図書館数1対1を100%として算出)
・福岡市の中学校区設置率は16%(図書館数12÷市立中学校数69校×100)
福岡市(155万4千人)は人口12万9,500人に1館の図書館。
〈政令指定都市中、貸出密度第1位のさいたま市は44%、52,560人に1館。
人口131万4千÷25館=52,560人(さいたま市はさらに移動図書館1台と
サービスステーション2がある。人口比福岡市の2.5倍の図書館数〉ーーー
図書館の数が違う!
※なぜ中学校区に1館の図書館が必要か。
①「1.市町村は、住民に対して適切な図書館サービスを行うことができるよう、住民の生活圏、図書館の利用圏等を十分に考慮し、市町村立図書館及び分館等の設置に努めるとともに、必要に応じ移動図書館の活用を行うものとする。(略)当該市町村の全域サービス網の整備に努めるものとする。」
(”全域サービス網”の整備が要(かなめ)のことです。)
「3.公立図書館の設置に当たっては、サービス対象地域の人口分布と人口構成、面積、地形、交通網等を勘案して、適切な位置及び必要な図書館施設の床面積、蔵書収蔵能力、職員数等を確保するよう努めるものとする。」 「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」(平成13年・2001年文部科学省告示、平成24年・2012年改正)】
1950年にできた図書館法に基づいて出された文部科学省の告示、に示された対応を、福岡市はやっていない。この一歩の歩みだしを始めていない。
②「市町村の図書館は、おおむね中学校区を単位とした住民の生活圏に整備すること。
(市町村の図書館は、住民が日常利用する生活便利施設です。子どもや高齢者、障害者にとって身近で安心して利用できることが必要です。すべての住民が利用できる身近な図書と。館とするために、中学校区を生活圏域として考え、そこに設置することを目標とすべき。)」
(中学校区=1校区当たり平均可住地面積は約8㎢)
【「豊かな文字・活字文化の享受と環境整備ー図書館からの政策提言」日本図書館協
会.2006年、2013年改正】
③(事例)東京都調布市(23万3千人、11館、貸出密度10.99、専任64(うち司書47)
・非常勤・臨時110)
・人口2万人、・2つの小学校区、・半径800m、左記の3つを基準に10分館設置。
10館目の佐須分館は1979年・昭和59年に開館。(数値は2018年度)
(2)資料費が少ない。(豊富な資料と資料の新鮮度が図書館の魅力であり力です。)
・市民1人当たりの資料費は78円。政令指定都市中 16位。
・第1位は静岡市199円(貸出密度5.8,2位)、さいたま市7位、124円。
・千葉県浦安市(2018年度)人口16万8千人、8館、貸出密度10.32、専任27(司書27)非
常勤・臨時 58(うち派遣7):1983年の中央図書館開館時から、専門職館長のもと、
「歩いて10分の図書館網を整備。21,000人に1館。福岡市12万9,500人に1館の5.6倍の
図書館数。ーーー
※福岡市と浦安市の2007∼2016年度、10年間の資料費の総額の比較。(人口比、約9倍)
福岡市(人口150万1千人)11億9,856万6千円
浦安市(人口16万4千人) 11億1,113万2千円 【福岡市の約93%】
(3)福岡市の分館の広さ(面積)・・・人口比からみて小さい。
〈理由〉
福岡市民図書館開館(1976年)の翌年から市内各区の市民センターに設置された図書
室は、当初公民館図書室の位置づけで、図書館の分館ではありませんでした。
1988年 市内全区(7区)に図書室ができましたが、それらが図書館の分館になったのは、
1996 年(平成8年)です。このため、以後新しくできた分館も当初の公民館図書 室がモ
デルとして作られてきたため、その地域の対象人口にふさわしい分館として構想、計画さ
れたものではなく、施設規模、蔵書数、年間購入点数、職員体制ともに不十分なものになっていることも、利用度を低くする要因となっています。ーーー
「2.地域の図書館は800㎡以上の施設面積でつくり、5万冊以上の蔵書をもち、3人
以上の専任職員を配置すること。」(前述4⃣ー(1)ー②の「図書館からの政策提言」)
福岡市の分館はすべて800㎡以下です。
東分館753㎡(旧館の新装開館で、市内分館中、もっとも広くなった。335㎡➡753㎡)、
和白644㎡、博多541㎡、博多南563㎡、中央486㎡、南478㎡、城南562㎡、早良520㎡、
西552㎡、西部610㎡、早良南672㎡(2021年6月開館)。ーーーーーー
【北九州市・八幡西図書館、3,762㎡、2012年開館、北九州市の分館16館中、もっとも
広く、貸出も一番多い。年間38万8千点の貸出(2020年度)。中央館(4,594㎡、23万6千点)、中央館の1.6倍の貸出。】ーーー
5⃣なぜ福岡市では、1976年(昭和51年)の福岡市民図書館開館以降、市民のだれもが、市内のどこに住んでいても利用できる図書館づくりが行われてこなかったのでしょうか。
そのもっとも大きな要因は職員体制にあると、私たちは考えています。〈2018年度〉
(1)福岡市155万4千人〔専任31(うち司書2)、非常勤・臨時114、派遣7〕
さいたま市131万4千人〔専任165(うち司書96)、非常勤16、派遣54〕
浦安市 16万8千人〔専任27(うち司書27)、非常勤・臨時58(うち派遣8)
人口155万人をこえる大都市の図書館に「司書」(専門職員)が2人
(2)2007~2020年度、福岡市と北九州市の専任職員(うち司書)の10年間の推移の比較。
・福岡市 46(うち司書11)➡31(うち司書2)、11人から2人に
・北九州市20(うち司書2)➡39(うち司書13)、2人から13人に
(3)福岡市の1年間の市民の貸出しの70%をしめる11館の分館に専任職員は0。
福岡市の分館11館には、専任職員はいません。0人です。
(4)図書館長と副館長の任期について。2007~2018年の12年間で。
図書館長は6人(3年1人、2年3人、2年目1人、1年1人)。
副館長は事業管理部長事務代理9人。
いずれも短期間。
※福岡市の図書館の今とこれからを考える舵取り、要の専任職員が不在ではないかと考えられます。福岡市の図書館の現状と課題を考え、市民だれでもが利用できる全域サービス網の図書館計画を立案し、その実現に責任をもつ職員がいない状態が、1976以来続いています。
【公開質問8で「職員体制」について、「市の職員で司書の資格を持ち、図書館を希望する職員の配置(異動)や、新採用職員で司書」を採用することについて質問しています。】
(さいごに)
すべての福岡市民が利用できる、図書館政策策定の早急な取り組みを!まず移動図書館の運行を!
【問7では「図書館計画の策定には時間と大きな経費がかかります。できるだけ早く移動図書館の運行から始めながら、基本計画づくりにとりかかれば、市民の身近に図書館をに、より早く、分館網の整備より、はるかに低い経費で取りかかれると考えますが、お考えはいかがですか。】と。ーーーーーー
資料1について
・「政令指定都市 貸出密度(市民1人当たり貸出点数)順位表2018(平成30)年度 /2020(令和2)年度の実績」
(貸出し順位はコロナ以前の2018年度の実績による。2020年度の数値は()に。
・1位のさいたま市から最下位の福岡市まで、20市について。
①人口②貸出数③貸出密度④到達度(人口30万以上で「望ましい数値」に対しての)
⑤登録率⑥図書館数⑦中学校数⑧中学校区設置率⑨資料費⑩人口当たり資料費
⑪職員〔専任(うち司書)・非常勤・臨時・派遣〕
・参考(2016年度の実績)
①東京都調布市②文京区③東京都日野市④千葉県浦安市⑤滋賀県東近江市
・調布市の図書館計画について
・「東京都の図書館政策」(1970)について
※福岡市の図書館の資料費は、市民1人当たり78円(平成30年度政令指定都市中、16位。
これが、この年度だけでなく、ずっと低い状態であることが問題です。
言葉による説明
①「〈図書館がある〉とは、〈図書館の看板が下がった建物がまちにある〉ことではなく、
そのまちの隅々までサービスが行きわたっていて、いつでも、誰でも、どこに住んでいて
も、どんな資料でも利用できる、その態勢がととのっていることをいう。」p.15
「まちに図書館があるというのは、どこに住んでいても、住民がそこで役に立つサービス
を手にすることができる、納税者にふさわしい利益を得、あるいは還元を受けることがで
きることでなければならない。図書館に必要な資料が揃い、自由に利用でき、職員のサー
ビスをしっかり得られなければ、まちに図書館があることにはならない。」p.173
「本は買って読むもの、日本人は借りるよりも自分のまわりに本を置きたがる、そのよう な考えが何の根拠もないことであることは、多くの図書館の実績が示している。その実績
を生むのが十分な図書費であり、地域地域を覆うサービス網であり、職員体制であることも、
あらためていうまでもないことだ。」p.175
「図書館長は、そのまちの図書館サービスの最高責任者である。図書館の大小、自治体の
大小を問わない。住民にどのようなサービスを届けるのか。これからサービスをどう発展
させていくのか。それを考え計画を立てる。司書職員を指揮し、相談にのり、業務を滞り
なくすすめていく、それが図書館長である。
ふたたびデンマークの図書館法を引くと、その第二条で「図書館長は他の職員の援けを得
て資料を選択し、自治体に対してその責を負う」といっている。住民が必要とする、役に
立つ資料群の構成が、図書館長の極めて大切な責務であることを言っているのだ。深い教
養、資料についての広範な知識、選択の理論と技法、そういったものを身につけていない
で、どうして図書館長が務まるだろうか」p.33
【『図書館の明日をひらく』菅原峻 晶文社 1999年】
②利用者にとって、図書館の魅力に関わる3つの柱
1.図書館長・・・(「図書館長の仕事」をする図書館長がいるかどうか)
「図書館とはまったくゆかりのないところから異動で来た、本に何の興味もない館長か、
それとも、専門の教育を受けて、本という海を航海する船=図書館をしっかりと操舵し
ている館長か。」ーーーD=ディレクター=館長
2.専門職員・・・「中身の伴った資格を持ち、利用者の役に立つ魅力的な専門職員
がいるどうか。」・・・A=ATTRACT=魅力=魅力的な専門職員
3.新しい本「新しく内容豊かな図書をきちんと購入し続けているか」(資料費:予
算)・・・N=NEW BOOK=新しい本
【「図書館にはDNAが大事なのです」菅原峻(図書館計画施設研究所)『アミューズ』
2000年1月26日号】ーーーーーーー
資料2-(1)について
「2018(平成30)年度 福岡県内公立図書館貸出順位表」
(内容)
・福岡県内53市町の図書館の貸出密度(住民1人当たり年間貸出点数)順位表
・①自治体名②人口当たり貸出点数(2018・2020年度③中学校設置率④登録率
⑤人口1人当たり資料費
・参考自治体・図書館数(貸出密度、中学校区設置率)、移動図書館=BM
①滋賀県愛荘町2館(13.13;100%)②大阪府熊取町1館(8.27;33%)
③愛知県田原市2館、BM2台(9.7;50%)④千葉県浦安市7館(10.32;88%)
⑤東京都日野市7館、BM1台(8.78;89%)⑥東京都調布市11館(10.99;100%)
⑦滋賀県東近江市7館、BM2台(8.1;70%)
・福岡市50位、11館(2.6;16%)、北九州市41位、17館(4.07;27%)
福岡市の中学校区設置率=16%➡図書館砂漠・福岡市の所以(ゆえん)
・福岡県内第1位ー水巻町1館(11.83;50%)、第2位福津市2館(11.51;33%)
・貸出密度7点以上―12市町、6点台ー7市町/ 2点台ー2市町、1点台ー2町
・全国平均(貸出密度)5.37。福岡県平均4.56ーーーーー
資料2-(2)について
「2007年(平成19年度)福岡県学校図書館図書購入費(予算措置率)順位表」
(いったいこれは何か。どういう資料か。)
文部科学省は、学校図書館(小中学校)の蔵書があまりにも貧しい(古くて少ない)現状を改善するため、1993(平成5)年から、『学校図書館図書整備5カ年計画』を立てて、計画年度に毎年、各自治体に対して地方交付税として交付してきましたが、交付額をどう使うかは、自治体の判断に任されているため、交付額のどれだけを予算化したか(予算措置率=交付額に占める予算計上額の割合)は、自治体によって大きな違いがあります。これまで文部科学省では、2008年4月に1度だけその実態調査を明らかにしたことがあります。2007年(平成19)度に交付した図書購入費200億円のうち、実際に予算計上された額は約156億円で、全体の78%にとどまっていました。上記の「順位表」はこの時に公表された福岡県内の各自治体の予算措置率の高い順に記載したものです。福岡県の平均は97.1%でしたが、福岡市は86.1%、県内69自治体中、34位の予算措置率でした。1位が福津市の211.8%、県内22の自治体が100%をこえていました。(5位までが150%をこえる。)最下位69位は小竹町の32.9%でした。全校平均78%の内訳は、小学校が85.8%、中学校が68.7%と、中学校がより低い予算措置率となっていました。
また第5次の2018年(平成30年)から、学校司書の配置に対しても地方交付税が交付されるようになっています。2022年(令和4年)4月から第6次「学校図書館図書整備5カ年計画」が始まり、文部科学省では、パンフレットで「学校図書館の充実には図書館資料・人材の充実が必要です。」と述べて、公立小中学校の蔵書の充実と学校司書の配置を推進を目指し、学校図書館図書整備に995億円(単年度199億円)、学校司書の配置に1215億円(単年度243億円)の交付が決まっています。
1993年(平成5年)以来25年間にわたって、学校図書館の充実のために交付されてきた貴重な図書費(2018年からは学校司書の配置拡充のための交付)が、福岡市では25年間にわたって、100%予算化されることなく、現在に至っています。公開質問10では、「私たちは子どもたちの一番身近な図書館である学校図書館の充実は何よりの急務であり、図書費と学校司書の配置について、少なくとも第6次『学校図書館図書整備5カ年計画』どおりの予算化が必要だと考えますが、どのようにお考えですか。」と質問しています。
このことでは、市民はもとより、学校関係者(校長、教職員等)においても、その実態が十分周知されているかが課題であるとも、会では考えています。
2022年11月19日土曜日
福岡市長選 公開質問状・前文 No.103
(前文)
福岡市長選挙立候補社様/
「図書館を楽しむ」市民ネットワーク・福岡(連名・4名)/
図書館砂漠のまち・福岡市を、市民の身近に図書館のあるまちに
住みよいまち、住続けたいまち・市民が誇りとするまちには、市民の暮らしの中に、
市民の日々の生活圏に、市民の身近に図書館が必要です。
福岡市立図書館のこれからについての公開質問状
私たちは福岡市の図書館が、市民が「いつでも」「どこでも」(市内のどこに住んでいても)
「だれでも」「なんでも」(市民が求めるしりょうや情報はなんでも)利用できる図書館、
とりわけ図書館が市民の身近にあることを願って活動している市民の会です。今回の福岡市長
選挙にあたり、福岡市の図書館のこれからについて見解をお示しいただきたく、福岡市立図書
館のこれからについての公開質問状を送らせていただきます。・・・・・・・・・・・・・・
図書館はすべての市民の生涯にわたるⅯナビ(自己学習)を保障し、地域の発展と市民の自立に
欠かすことの出来ない地域の情報拠点であり、市民の暮らしを高め、暮らしに役立つ地域の基本
施設です。
図書館は
・すべての市民(赤ちゃんからお年寄りまで)の知りたい、学びたいという思いに寄りそう場
・市民一人ひとりがより良く生きるための学びや知的好奇心に応える場
・地域文化や産業振興、医療福祉や法律情報など市民の暮らしとコミュニティを支える地域の情報
拠点としての場
です。
図書館はまた、こうした暮らしや仕事の中で必要な情報を得る場としてだけではなく、市民の身近にあれば、私たち市民が時にはいこい、時には集い、それぞれの時間を一人で、またグループで自由に過ごす「広場」ともなります。市民の身近にある地域の図書館は、本と人との出会いの場であるだけでなく、人と人との出会いの場、であり、その出会いから地域の文化が育まれる場でもあります。
しかしながら、福岡市の図書館の現状をコロナ前の2018(平成30)年度でみると、図書館が市民にどれだけ利用れているかを示す指標とされる「貸出密度」(市民1人当たり年間貸出点数)は2.6点で、政令指定都市20市の中で最下位((第1位のさいたま市7.5点の約3分の1)、福岡県内53館の中で50位(県内1位は水巻町11.8点)と1976年(昭和51年)の福岡市民図書館の開館以来45年をこえて極めて 利用度の低い状態が続いています。
福岡市の図書館の利用度がこのように極めて低いのは、福岡市民の読書に対する関心が低いからではあ
りません。人口150万人を超える大きな市に図書館が11館しかなく、移動図書館もないこと。
市民のための図書館政策を作らずにきたことが、その主たる要因であることは、図書館政策をもち、分
館の適切な配置や移動図書館のによる全域サービス網をつくり、図書館費を自治体普通会計予算の1%
以上を毎年計上し、司書資格を持つ経験ある館長のもと、人口規模にふさわしい専門職員(司書)数を
専任で配置して活動している各地の図書館の実践が明らかにしているところです。
また、福岡市民図書館が開館した1976年(昭和51年)の翌年から市内各区の市民センターに設置された
図書室は、図書館の分館ではなく、公民館図書室に当たるものでした。1988年(昭和63年)の西
市民センター図書室の開室で市内全区(7区)に市民センター図書室ができましたが、それらが図書館の
分館となったのは1996年(平成8年)のことです。(合計8館)このため、以後に新しくできた分
館は当初の公民館図書室がモデルとなって作られてきっため、人口規模にふさわしい分館として構想、計画されたものではなく、施設規模、蔵書数、年間購入点数、職員体制ともに、不十分なものになっていることも、図書館の利用度をより低くする要因になっていると考えられます。このことでは、貸出の70%をしめる11館の分館に専任職員が0で、非正規職員の懸命な働きによって担われていることも、新しくできる分館に抜本的な改善、改革をすることを困難にしてきた大きな要因だと思われます。・・・・・
日本図書館協会の『豊かな文字・活字の享受と環境整備―図書館からの政策提言』(日本図書館協会2006年、2012年改正)では、その2で、「地域の図書館は800㎡以上の施設面積でつくり、5万冊以上の蔵書をもち、3人以上の専任職員を配置すること。」とありますが、福岡市の分館の各面積は、東図書館753㎡(旧館の新装開館で、市内分館中、最も広くなった。335㎡➡753㎡)、和白644㎡、博多541㎡、博多南563㎡、中央486㎡、南478㎡、城南562㎡、早良520㎡、西552㎡、、西部610㎡、早良南図書館672㎡(2021年6月開館)となっていて、いずれも800㎡以下の福岡市の分館としては狭い広さのまま現在に至っています。
1965年、1台の移動図書館で図書館を始め、5つの分館を作り、最期に本館を建てて(注:本館のあとに
6館目の分館、市政図書室を市役所の隣に。本館を含めて7館;この注は、質問状提出後に記載)、「いつでも」「どこでも」「だれでも」「なんでも」を掲げて、その後の日本の公立図書館のあり方を根底から変革した東京都の日野市立図書館や、東京都調布市では①人口2万人、②2つの小学校区、③半径800mという3つを基準にして10館の分館を整備し、市民のだれもが、市内のどこに住んでいても利用できる図書館の活動が始まってからすでに50年をこえています。
ちなみに、2012年に開館した北九州市の八幡西図書館は北九州市の図書館の分館中、もっとも広い3,762㎡で、貸出も市内で中央館(4,594㎡、貸出23万6千)よりも多く、市内でもっとも貸出の多い図書館になっていて(38万8千冊、2020年度)開架室の広さの重要さを示しています。
人口100万人を超える福岡市でようやく図書館が開館した1976年(昭和51年)から46年が経ちましたが、
この間、福岡市では一度として市民「だれでも」が「どこでも」利用できる全域サービスの計画が立て
られることはありませんでした。【『福岡市基本構想』「第9次福岡市基本計画』平成25年~34年度;『
福岡市総合図書館ビジョン』平成26年度から10年間の計画では、「福岡市の図書館の課題」の2に
「身近なところで図書の貸出・返却ができるサービス拠点の設置や・・・サービスの向上を求める要望が多くなっています。」とあるが、それに応える具体的な計画はありません。】
2022年(令和4年)11月現在、日本の各地の図書館サービスの実際を自治体の人口段階別でみると、人口の多い大都市である政令指定都市においては、「どこでも」の取り組みがとりわけ遅れていて、それは政令指定都市の図書館全体の利用度、「貸出密度」の低さとなって現れています。利用度の低い政令指定都市20市の中で、もっとも利用度が低い福岡市に住む市民である私たちの多くは、この46年間、身近に図書館がないだけででなく、「市民の身近に図書館を」という福岡市の図書館政策がない中で生活してきたということでもあります。・・・・・・
「文部科学大臣は、図書館の健全な発達を図るために、図書館の設置及び運営上望ましい基準(以下「
望ましい基準』)を定め、これを公表とする」(「図書館法」第7条の2、1950年)という規定に基づいて公表された『望ましい基準』(2001年、平成13年告示。2012年、24年12月改正)では、
「第一 総則 一 趣旨」で「①この基準は、・・・図書館の健全な発展に資することを目的とする。
②図書館は、この基準を踏まえ、法第三に掲げる事項等の図書館サービスに努めなければならない。」に続き、「二 設置の基本」で「市町村は、住民に対してサービスを行うことができるよう、住民の生活圏、図書館の利用圏を十分に考慮し、市町村立図書館及び分館等の設置に努めるとともに、必要に応じ移動図書館の活用を行うものとする。あわせて、市町村立図書館と公民館図書室等との連携を推進することにより、当該市町村の全域サービス網の整備に努めるものとする。」
また、先に延べた『図書館からの政策提言(日本図書館協会)』では、「1公立図書館の整備」で「1市町村の図書館は、おおむね中学校区を単位とした住民の生活圏域に整備すること・」「すべての住民が利用できる身近な図書館とするために、中学校区を生活圏域として考え、それを目標に設置することを求めます。」としている。・・・
図書館は市民が実際に利用できてこそ、地域に図書館があるといえます。
現在の福岡市の図書館の在りようは、多くの市民にとって身近に図書館がない、図書館砂漠としか言えないものだと私たちは考えています。この度の市長選挙が、福岡市の図書館の現況を正しく把握し、図書館砂漠のまち・福岡市を、市民の身近に図書館がある、市民が誇りとする図書館があるまちに向けての新たな一歩、契機となることを心から願うものです。
お忙しい最中に恐縮ですが、同封しました封書により、11月13日(日)までにご返送をお願いします。頂きました回答につきましては、広く市民に公開させていただきますのでご了承ください。
・・・・・・・・(以下、「次の図表を見て・・・」図書館の風No.102に、が続く。)
《ここまで読んでいただいてありがとうございます。ご不明の点やお聞きになりたいことがありましたら、このブログにご連絡ください。「市民の会」にお伝えします。》
福岡市長選挙 11の公開質問 No.102
11月20日投票の福岡市長選挙で、「図書館を楽しむ」市民ネットワーク・福岡の会では、
3人の立候補者に福岡市の図書館の今、これからについて候補者のお考えをお聞きするた
め返送の期日を指定させていただいて公開質問状を提出してきました。20日の投票日前
に候補者の回答を市民に公表したいと考えていたからです。しかしながら、残念なこと
に指定の期日を過ぎても、いまだどなたからも回答がありません。公開質問状は、市役
所の中にある記者クラブに持参し各新聞社にお渡ししましたが、未だ報じられてはいま
せん。このため、これからも回答が届き次第、届いた順に即時、公開を考えていますが、
まずは公開質問状でお聞きした11の質問の内容を市民のみなさんにお伝えしたいと考
え、質問の骨子をここに公開させていただきます。
記
福岡市長選挙立候補者様
「図書館を楽しむ」市民ネットワーク・福岡
(4名の連名)
図書館砂漠のまち・福岡市を、市民の身近に図書館のあるまちに
住みよいまち、住見続けたいまち・市民が誇りとするまちには、市民の暮らしの中に、
市民の日々の暮らしの生活圏に、市民の身近に図書館が必要です。
・・・・・・・福岡市立図書館のこれからについての公開質問状・・・・・・・
私たちは福岡市の図書館が、市民が「いつでも」「どこでも」(市内のどこに住んでいて
も)「だれでも」「なんでも」(市民が求める資料や情報はなんでも)利用できる図書館、
とりわけ図書館が市民の身近にあることを願って活動している市民の会です。今回の福岡
市長選挙に当たり、福岡市の図書館のこれからについて見解をお示しいただきたく、福岡
市立図書館のこれからについての公開質問状を送らせていただきます。
【以下の文は、12の質問のあとに掲載します。また、以下の質問は全文ではなく骨子】
次の図表(資料A〈質問の趣旨の概要〉、資料1~3)を見て、以下の質問にお答えくださ
い。回答は該当する数字に○をしてください。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.私たちは私たちは福岡市の図書館においても、市民が「いつでも」「どこでも」「だ
れでも」「なんでも」利用できる図書館を、図書館運営の指針、目標とすることが肝要
だと考えるが、お考えは。①そのようには考えない(理由)②同じ考えである③その他
2.市民の図書館での利用(貸出密度)がとりわけ低い実態にたいしてのお考えは。
①特に対応を考えない②政策的対応(実態把握と計画立案が必要)③その他
3.図書館の利用度が政令指定都市中、最下位が長く続いている理由は何だと考えるか。
①市民の読書に対する関心が高くない②図書館が少なく、移動図書もない③その他
4.「望ましい基準」に基づいた取り組みが必要では。(住民の生活圏、利用圏に全域サ
ービス網の整備)①そのように考えない(理由)②早急に必要③その他
5.「望ましい基準」にのっとた迅速な取り組みの必要では(「運営方針の策定、公表」
「図書館サービス、運営の適切な指標の選定と目標の設定、計画の策定と公表)
①そのように考えない(理由)②早急な取り組が必要である。③その他
6.図書館の計画を市の長期的計画に組入れることについて①そのようには考えない(理
由)②財政的な裏づけをもった市の長期計画に入れる必要がある③その他( )
7.図書館計画策定には時間がかかるため、移動図書館を始めながら、計画づくりにかか
っては①そのようには考えない(理由)②同じ考え③その他( )
8.職員体制の整備が急務、まず、市の職員で司書有資格者で図書館勤務を希望する職員
の配置や信採用職員で司書を採用することが必要では。①そのように考えない②同じ
考え③その他( )
9.図書館の運営を民間に委託する指定管理者導入についての考えは(現在分館の2館に
導入、質問の前段で、市民の会では導入反対の2つの理由をあげている)①導入に賛
成(理由)②同じ考え。今後それが広がることをなくしていくことが大切③その他
10.図書館のいのち、市民にとっての魅力は蔵書の力、毎年の資料購入費にかかって
いる。市民一人当たり資料費(政令市20市中16位、20市中半数の10市が一人当たり
100円をこえている。福岡医でも100円以上の「資料費」の予算化を。①現行通り
(理由)②毎年度必要である③その他( )
11.「学校図書館の充実には図書館資料・じんざいが必要です。(文部科学省パンフレ
ット)」、このため2022年(令和4年)4月から「第6次学校図書館図書整備5カ年
計画」がはじまっている。これは公立小中学校の蔵書の充実と学校司書の配置を
推進することを目的に地方交付税措置されているもの。ただこれは市が予算化し
ないと使うことができない。どれだけ予算化するかは自治体の考えによるため、
自治体によって大きな格差が生まれている。福岡市では予算措置率が低い状態が
長く続いている。図書費と学校司書の配置については少なくとも『学校図書館図
書整備5カ年計画』どおりの予算化が必要では。①現行通りでよい②2023年度から
少なくとも交付される額の予算化が必要③その他( )
以上。
追記①、質問状の提出時、質問番号を11問を間違えて12としていました。ここにあらた
めて訂正します。
②上記のさいごの質問のあとに、公開質問状の前文を掲載します、としていました
が、それはブログナンバーを改めて掲載染ます。
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