2019年3月23日土曜日

糸島市公共施設等の管理計画〈素案)に意見を提出。公(おおやけ)とは、向こう側のものではなく、わたしたち一人ひとりのもの / パブリックコメント) No.20

 糸島市の広報1月15日号に、「糸島市からのお知らせ」として「糸島市公共施設等総合管理計画第1期アクションプラン〈素案)への意見募集」の記事が掲載され、募集期限は2月14日(木)となっていた。何人かの知人に知らせるとともに、私自身は期限日当日の時間ギリギリに市役所第2庁舎にある「糸島市公共施設マネジメント推進室」に持参した。もう一人の市民の意見書と共に公開します。

意見書にふれる前に

 これまで何度となく経験してきたことだが、その地域で暮らす人たちに深く関わる地域の在りように関する重要な決めごとが、その地域に住む大半の人が知ることなく決められて、そういう決定がされたあとになって、取り返しようのない事態に直面することだ。
その際の行政側の口上は、「市の広報等で市民へ周知をしている」「各種委員会や議会での審議をした上、決定、議決をしている。手続き上、問題はない」といったものだ。しかし、市民の大半にとっては、「その決定を天から降ってきたもののように、市民が知らないところで決められた」と実感的に受け止めている場合が少なくないように思われる。
(これにはたしかに市民の側からの関わりが求められるのであるが、実態としては市民の大半は知らない状態で、決めごとが行われていると受けとめられていると思われる。)

またそれらの動きを知り委員会や議会の傍聴にかけつけた市民が目にし耳にするのは、委員会や議会での審議にあたって、論議、審議の前提となるべきそれぞれの課題、議案をめぐっての委員や議員への情報公開、基本的な情報の共有がきわめて不十分であると思われることだ。私自身この12年間、各種の委員会や審議会、そして議会での質疑を傍聴してきての感想だ。具体的な事例については今後、追々書いていく予定です。

市町村の合併が行われた時には、合併後、それまでの町の名前がなくなったことに深いショックをうけた方に出会った。「ああ」と「取り返しがつかない事態が起きてしまったこと」に言葉にならない深い悲しみが伝わってきた。その人にとっては生まれ育つ時を何十年にもわたってともに生きてきた町の名前は単なる符号ではなく、その人の生きてきた記憶の苗床であり家族にも等しいものだと知らされた。

糸島で

集落の入り口にあたる美しい広々とした田畑に、ある日、工場誘致が行われると知らされる。あるいは井戸水がその地域のすべての人の生活水である地域で、いのちを育む水の水源ともいうべき山の頂き近くに残土処分場をつくるという。

あるいはまた、市と町の合併協議会(1市2町)で、合併後は図書館と公民館とすることが決まっていた旧町役場(3階建て)の転用について、合併後の新市になってから市では「庁舎活用検討委員会」を設置して、施設の3分の1に当たる2階部分を市の災害対策本部と市の職員の会議室にして図書館、公民館の全体のスペーを大きく削減し、図書館部分については、当初(2階の全てと、3階に2部屋の会議室があった。)より狭い開架スペースにした上、会議室もないものとしたことなど。

【情報公開で取り寄せた会議録によれば、図書館の担当課長である生涯学習課長の「図書館は1階すべてのスペースは必要ない」との発言で、1階は子育て支援センター(それまで3階にあった)との共用として、その分だけさらに図書館の面積を減じた。】

工場誘致以降の事柄は、私が滋賀県の図書館を退職して糸島に移り住んだ2007年(平成19年)前後以来に起きたことだ。その地域で暮らす人たちの日々の暮らしの在りように関わる重要な決めごとが住民の大半が知らないでいるうちに決められている。似たようなことが日本の各地で起きているのではと思う。
これらは近年、凄まじい猛威で各地に取り返しのつかない被害をおこしている地震や台風、集中豪雨などの自然災害とは違い、いずれも問題の要因は人にある。それらは天災ではなく、それぞれの問題を地域の人がどのように考え、対するかで、その帰趨が決まるということだ。

人の力では抗することができないと思われる甚大な自然災害に対して、被災した地で見られるのは、亡くなった人、被災した人、共々にその地で生きていくための力をつくしての取組みであり日々の営みだ。ましてやその地域の人たちの考えや行動で決められる、地域の人たち一人ひとりの暮らしのあり方にかかわる事柄については、行政任せではなく、一人ひとり、できる形での参与が大切だ。その関わりが地域の人がその地域に必要ではないと思うものを取りやめ、必要だと考えるものをみんなで作り出していく力を育むのではないだろうか。

「公共施設等管理計画」って何だろう。

国の動きから

私たちがいま、住み暮らす地域で、地域住民にある日、突然降りかかってくるかのように思われる問題も、その根っこをたどると、国の動きから始まっていることが少なくない。

国や自治体の財政状況がきびしい状況にあるなかで、高度経済成長期から多くの公共建築物及びインフラ施設(以下「公共施設等」という。)が作られ、公共施設等の老朽化に対する取りくみが求められるとして、2013年(平成25)年11月に老朽化対策の推進に関して関係省庁連絡会議がとりまとめた『インフラ長寿化基本計画』(「新しく造ること」から「賢く使うこと」への重点化が課題という認識の下に作成)が今回の問題の発端だ。


ついで2014年(平成26)年4月22日、総務省が地方公共団体等に対して公共施設の総合的かつ計画的な管理を推進するため速やかに「公共施設等総合管理計画」の策定に取り組むよう要請、その際、同計画策定にあたっての記載事項、留意事項をあわせて通知している。また、同日付けで県知事と政令指定都市市長宛ての「公共施設等総合管理計画推進について」(通知)には、その政策を進める意図が次のように記されている。

「公共施設の老朽化対策が大きな課題となり、厳しい財政状況が続く中、今後、人口減少等により公共施設等の利用需要が変化していくことが予想されていくことを踏まえ、早急に公共施設等の全体的な状況を把握し、長期的な視点をもって、更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行うことで、財政負担を軽減、平準化するとともに、公共施設等の最適な配置等を実現することが必要、これにより地域社会の実情にあった将来のまちづくりを進める上で不可欠であるとともに、昨今推進されている国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)に資するもの」であるとして、県知事に県内市町村に対して本通知を連絡しその趣旨を徹底するよう求めている。

また、国が政策を進める際の常套手段としている起債をこの度は『公共施設最適化事業債』として実施して、公共施設の総面積の削減を政策誘導している(2015~2017の3年間)。また、関連する起債として『地域活性化事業債』がある。
国土交通省では「公共施設最適化事業債を活用した先進事例」としてネットで公開している。図書館が庁舎と複合化した事例として、兵庫県伊丹市(図書館、児童館、集会施設と庁舎)や石川県七尾市(図書館、公民館、中学校と庁舎)を紹介、その他、福岡県内では飯塚市が小中一貫校。

こうした国の要請の結果、2018年(平成30年)9月30日現在、全国の自治体の99.7 %が総合計画を策定し、未策定団体は6団体となっている。(福島県/大熊町、双葉町、飯館村。東京都/中野区、青ヶ島村)

糸島市での取組み『糸島市公共施設等総合管理計画』の策定 計画のあらまし

糸島市ではこうした経緯を経て2017年2月に『糸島市公共施設等総合管理計画』を策定し、市民にパブリックコメントを求めている。
同計画は2017年度(平成29年度)~2060年度(平成72年度)までの44年間、4期の計画で、糸島市が所有及び管理する公共施設等(公共建築物及びインフラ施設)の全てを対象としている。また、公共施設等にかかる更新費用を算出し、公共建築物では1年あたり11.8億円不足することから、75%しか維持し続けることができない、インフラ(道路、橋りょう、上・下水道等)では1年あたり17億円不足するため、64%の量しか維持できないとしている。このため公共建築物では施設床面積の25%の削減が必要であると。

また昨年1月の市長選の大きな争点であった「市役所の新庁舎」と「多目的体育館(運動公園)」については、その新設が今回の総合管理計画に組みこまれている。公共建築物については30年で大規模改修、60年で更新としている。

本計画による取組として、
(1)基本理念
 豊かな糸島生活を次世代に継承するための公共施設マネジメント
 ~未来の糸島へ向けた質・量・コストの最適化~
(2)取組方針
  ①魅力の向上、安全確保:質の確保
  ②コンパクト化:量の削減
  ③運営の効率化:コストの削減
(3)基本原則
 ・公共建築物①量を減らす(総量削減)②組み合わせる(複合化)
 ・インフラ施設①長く使う(長寿命化)2費用を抑える(費用抑制)

以上の計画に基づいて作成され、広報(2019年1月15日号)で意見募集をしたのが
『糸島市公共施設等管理計画 第1期アクションプラン(素案)』だ。

私もそうであったが、この広報を見て市民の多くは、素案が作成されたことを初めて𠮟咤のでは。広報のこの号を見なければ何も知らないうちに事態が進むことになる。素案についてのパブリックコメント募集のことを、何人もの人と連絡をとりあったが、広報のこの記事に目を止めていた人はいなかった。

そういう私自身が、『公共施設等管理計画第1期アクションプラン(素案)』への意見募集の記事が掲載された同じページの下の欄に『糸島市コミュニティーセンター設置計画(素案)』の意見募集がされているのに、目を止めず見過ごしていた。その意見募集の締切が過ぎたあとになって、その内容を知り、『公共施設等管理施設』の問題に直接関わるものであることを知るありさまだった。

素案では計画期間は2060年度までの42年間とし、2031年度からは10年度ごとに策定するとして、この度は第1期(2019年度~2030年度)、12年間の計画案となっている。なお、第2期2031~2040、第3期2041~2050、第4期2051~2060年度である。
全ての公共施設等について個別に「現状と課題」「今後の具体的方向性」等が示されている。対象となる273施設のうち、第1期で廃止、解体される建物は、35施設。改修37,建て替え・新設は13,延べ床面積の削減率は2.13%となっている。志摩初地域の施設再配置事業と、現在の市役所新館を改修して「市民・人権センター(仮称)」とする事業を重点事業として位置づけている。解体、改修や建て替え・新設される施設の具体名を知れば、「その施設であれば、私も意見がある。」と考える市民が少なくないと思われる。

今回のパブリックコメントでは、図書館と公民館について以下の通り意見を述べている。  

パブリックコメント  意見回答

1.該当箇所 10ページ/ 4行目~11ページ
 (筆者注:下記に抄録)10ページ~11ページ
 「図書館」について
①対象施設
 図書館(本館)1,659.16㎡(築27年) 
 二丈館(分館) 994.03㎡(築20年)
 志摩館〈分館)1,422.06㎡(築37年)合計4,075.25部屋の
②現状と課題
 ・平成28年度から、「糸島市図書館サービス基本計画」に基づく本格的な3館体制に
 より、図書館サービスを提供しています。
③総合管理計画において定めたマネジメント方針(総合管理計画P.40 )
 【主な方針⇒適正規模・適正配置】
 平成28年度から本格的な3館体制を開始しており、利用状況を確認しながら、今後規
 模の適正化、適正配置等を検討する
④今後の具体的方向性
 本館  機能・建物 いずれも維持 2019~2030
 二丈館 機能・建物 いずれも維持 2019~2030
 志摩館 機能・建物 いずれも維持 2019~2030
・定期点検の実施や一定期間ごとの予防保全により、中長期的な視点でのコスト削減を
 図ります。
・老朽化による不具合については、その度合いにより、安全性、快適性を考慮したうえ
 で、重要なかしょから順次対応します。
・利用者の利便性向上と経費節減のため、指定管理者制度の導入を検討します。
・利用状況の把握に努め、規模の適正化や適正配置について検討を進めますが、第1期に
 おいては3館体制についての検証を十分に行うため,現状維持を基本とします。
5.延床面積の推移
 2019年3月31日時点 4,075.25㎡
 2031年3月31日時点 4,075.25㎡
 増減率 0.0%

意見・提案

「利用者の利便性向上と経費削減のため、指定管理者制度の導入を検討します。」とありますが、「指定管理者制度の導入」そのものに反対です。
(理由)1.糸島市では市立図書館の運営の指針として、『糸島市立図書館サービス基本計画』(平成25年11月)を定めていますが、同計画では、市民が「いつでも」「どこでも」「だれでも」「なんでも」利用できる図書館を目指すことを目標、指針として掲げています。現在、糸島市の図書館の最大の課題は、すべての市民が、どこに住んでいても、(「どこでも」)、「だれでも」利用できる全域サビス網を計画し実施していくことです。指定管理者制度の導入は、この「どこでも」「だれでも」というもっとも重要な課題を放棄して、現状の図書館サービスを基本的に変えることなく民間に委託するものだからです。
2.利用者にとっての図書館の魅力を生み出す最大のものは、責任を持って継続して経験を積み重 ねることで育まれる司書(専門職〉の力にあると考えます。おそらく5年契約で、給与、賃金等の労働条件が一層きびしくなると考えられる指定管理者制度では、職員の専門職としての力を継続的に育てていくことができません。(図書館は無料で利用できる施設ですから、「経費の削減」は、そこで働く職員の人件費の削減に直結します。市民にとっての最大の、そして何よりの利便性の向上は、全域サービス網の構築です。
  
2,該当箇所 7ページ/11行目~8ページ/「怡土公民館」の項まで

長糸公民館
取組方針 改修
取組内容 建築から30年を経過する2024、2025年度を目途に大規模改修を実施する。
     なお、改修の際は利用見込みの分析及び機能の見直しなどを行い、地域住民
     とともに最適な機能等を検討する。
建築からの経過年数 24年 改修時 30年
現施設の延床面積の推移 改修前 701.71㎡  改修後 701.71㎡
備考 2019年度は空調設備の改修を実施

雷山公民館
取組方針 改修
取組内容 建築から29年を経過する2022、2023年度を目途に大規模改修を実施する。
     なお、改修の際は利用見込みの分析及び機能の見直しなどを行い、地域住民と
     ともに最適な機能等を検討する。
建築からの経過年数 25年 改修時 29年
現施設の延床面積の推移 改修前 696.14㎡ 改修後 696.14㎡
備考 2024年に倉庫の改修を予定

怡土公民館
取組方針 改修
取組内容 建築から35年を経過する2021、2022年を目途に大規模改修を実施する。
     なお、改修の際は利用見込みの分析及び機能の見直しなどを行い、地域住民と
     ともに最適な機能等を検討する。
建築からの経過年数 32年 改修時35年
現施設の延床面積の推移 改修前 677.67㎡ 改修後 677.67㎡

意見・提案等
添付資料[①糸島市長選挙(2018.1.18)での月形裕二氏(現市長)の回答 ②「糸島市立図書館小学校区別利用状況、平成28年度]にあるように、市長は「すべての小学校区で、目標値である市民1人当たりの貸出を5.6をクリアすることが重要」と答えています。それを実現するためには、分館の配置や移動図書館の運行による全域サービス網の整備が欠かせないと考えます。とりわけ、長糸、雷山、怡土(いずれも2冊台)、東風こうくは極めて低い利用度となっております。公民館の回遊にあたって、分館としての図書室部分を増設すべきと考えます。このたびの総合管理計画では、延床面積25%削減が目標とされていますが、市民にとって必要不可欠な施設は、新たに作ることも考えての全体計画であることを望みます。(学校の改修時に増設という例も他市においてあります。)
【添付資料3.「市議会議員への公開質問状の回答」】

Kさんの意見回答 
1.該当箇所 11ページ /4行目
  内容は上記1.に同じ。

意見・提案等
指定管理の導入については、以下の理由で反対です。
①図書館は単なる「施設」ではなく、「司書」とい人要素で成り立つサービス機関、教育機関である。短期間の配属では司書は育たない。
②専門職の配置,養成に高いコストがかかるのは当然であり、コストカットばかりが強調されるのはおかしい。
③図書館単独法である図書館法第3条には、「図書館は、(中略)土地の事情及び一般公衆の希望に沿い」、奉仕を行うことが明記されているのに、それが保障されない。

2.該当箇所 11ページ/5行目
     内容は上記1.に同じ。

意見・提案等
「規模の適正化」「適正配置」はどういった項目で確認するのか知りたいです。10ページの表を見ると、二丈館は極端に延床面積が少ない。これは現在の図書館が合併時にできた2階の図書館より狭くなっています。当初約束された5年後は全て図書館になる計画が覆されたことに加え、現在も2階は災害対策室を理由に図書館の会議室も作られませんでした。2階は普段使っていません。これほどの無駄はないでしょう。図書館に開放すべきではないでしょうか。ワークショップ、会議室、上映会、コンサート、ギャラリー等に使用できると思います。図書館は子どもからお年寄りまですべての住民が生涯にわたり利用する施設で他の公共施設とは明らかにに違います。住民に利用されるように図書館に正しく経費を使うことで住民の利用率も確実に上がります。公共事業に使う金額は大きいですが、その金額の一部でも図書購入費に充てれば何千冊と新刊が買えます。雑誌のタイトル数も増えます。同じ本を何人もの市民が借りると税金の還元率も上がるでしょう。コストカットより費用対効果を。そして市民のニーズに適った図書館を作ることが施設を活かすことにつながります。

意見提出を終えていくつかの感想

・今回は図書館と公民館の一部についてしか意見を提出することができなかった。庁舎や運動公園等々についても、意見することがあったと考えている。とりわけ『糸島市コミュニティーセンター設置計画』については、『公共施設等総合管理計画』に直接関わることだった。(公民館をこれまでの教育委員会の所管から市長部局の所管にし、社会教育施設ではなくなる。名称の公民館をやめ、コミュニティーセンターに。平成年3月までに。)

・意見を提出して終わりではなく、それぞれの問題を注視していくこと。

・計画の第1期アクションプラン(素案)は総ページ吸うは156ページあり、目を通すだけでも時間がかかるため、市民同士が連絡をとりあい、それぞれに関心のあるものから、素案を考えていく取組みが必要だ。そのためにも、行政の動きを早くとらえ、その内容を普段から知らせ合うこと。

・「国の動き」のところで、2013年の『インフラ長寿化基本計画』の策定にあたり、「新しく造ること」から「賢く使うこと」への重点化の認識のもとに策定したとあるのを見て、いかにも官僚的な物言いだと思った。1991年3月以降のバブル経済崩壊に対し、国は大規模な経済対策として、地方に大型の公共事業をすすめたが、その際、公共事業の拡大を誘導するアメとして使ったのが「地域総合整備総合事業債」(「地総債」、1978~2001年廃止、事業費の6割以上を国が肩代わり)だった。特に1984年からは、「地総債」の特別分については「元利償還金の一部を後年度に地方交付税措置するもの」で、「有利な起債」事業ということで、「地総債」を使った「ハコモノ行政」が日本中を席巻し、全国各地に文化会館や体育館、公民館、美術館が作られた。(私が滋賀県で関わった能登川町立図書館、博物館も「地総債」を活用〉

「地総債」を活用する事業で問題であったのは、施設の建設にあたり、①「その施設が誰のための、何をするところか」を明確にして(基本構想・基本計画を自前でつくる)、施設の運営にあたっては、②その施設を運営するために必要な、館長を始めとする職員体制の整備を行い、③施設の事業を継続的に運営するための、財政的な裏付けを考えた長期計画のもとに、事業を行った自治体が極めて少なかったことだと思う。

とりわけ「ハコモノ」は作ったけれども、施設の維持管理費は地元負担であり、その運営を担うスッタフや恒常的な運営費が十分でない事例が多く、2001年には「地総債」は地域の主体性と財政規律を損ねるものとして廃止された。自治体に「有利な起債」と言っても、その原資は税金であり、国の借金を増やすものであったと言える。

先に述べた「新しく造ること」から「賢く使うこと」へと、いかにも滑らかな、そこになんら問題がないかのような言い方であるが、「有利な起債」によって、国の「経済対策」として、「ハコモノ行政」を全国で推進し、その地域にほんとうには適切でなかった公共施設をまきちらし、自らが行った施策の検証もせず、責任もとらず、そこから学ぶことなく、今度は「賢く使うこと」へとは。問題の端緒は「賢くつくること」から始めなかったことにある。

そこで問われているのは、その地域に本当に必要なものを長期的な視点に立ってつくっていこうとしない国の在り方だけではなく、国の行き当たりばったりの施策に対して、地域の現状と歴史を踏まえて、地域の明日の在りようを自ら考える自治体であるかどうか、行政任せにせず自ら考え提言する住民であるかどうかということではないだろうか。 

また、「地総債」の廃止直前の1999年(平成11年)から政府が主導した市町村合併【「平成の大合併」、1999年3232市町村(市670、町1994、村568)⇒2010年1727(市786、町757、村184)、市町村数は53%と半減】において用いられたのも、市町村に合併を促すためのアメとムチによる政策だった。本来、交付税は合併して規模が大きくなると、合併前の合計より少なくなる仕組みであるが、「合併特例法」により、合併後10年間に限って交付税を減らさないが、小規模自治体には、それまでの財政優遇措置を縮小し、合併しなかった矢祭町では最大で8億円の減となった。さらに政策誘導策として、「地総債」と同じように「有利な(?)起債」を用意する。「合併特例債」がそのアメで、合併に関連する「ハコモノ建設費」については、「特例債」という借金で建設するが、元利償還金の7割を国が負担(後年度交付税措置)するというものだ。そのアメとムチによる政策は市町村の数が約半分になる程の強力なしかけであったと言えるが、他方、そんな厳しい状況の中でも、国の策にのらず、合併を選ばない自治体が半数を上回ったとみることもできる。

1999年平成(11年)から2010年(平成22年)までの市町村数の大幅な減少は、合併前の半数近い多くの自治体が「合併特例債」により、なんと多くの「公共施設等」を建設したかということでもある。しかもその建設に当たっては、「地総債」を活用した施設の建設の際に見られた問題点から学び、その地域に本当に必要な、永続的な施設の建設、運営という観点から作られたものが極めて少ないのではないか。「合併特例債」により、合併前の旧自治体のすべてに同じような「公共施設」をつくり、合併の特例期間の10年が経ち、交付税が減額されて、施設の維持管理、運営費に事欠く事例や、特例債の上限近くまで「公共施設」をつくり、自治体負担である3割の建設費(国が7割を負担)が、その自治体にとって大きな財政負担となっている例など、国の誘導策にのって、自らよく考えることなくそれに従うと何が起きるかを指し示している。「合併特例債」によっても、施設を「賢くつくること」がどんなにむずかしいことであったかをあらためて思う。

このたびの「公共施設等総合管理計画」に対して、市として市民としてどのように向き合い考えていくか、その向き合い方によって、立ち現れてくる「公共施設等」の姿、在りようが自治体ごとに全く違うものであること銘記しておきたい。

・このたびのパブリックコメントではKさんと私の2人の意見を提出した。1人ではなく、2人となることで、市民の声がふくらみ、ひびきあうように思えた。一人の人の力を思う。こんどは3人の声を目指したい。




2019年2月11日月曜日

福岡市議会議員への公開質問状の回答です。「図書館を楽しむ」市民ネットワーク・福岡/市長への質問状の回答も載せています。 No.19

2018年(平成30年)12月14日、`「図書館を楽しむ」市民ネットワーク・福岡`の会が福岡市議会議員に提出していた「福岡市立図書館のこれからについての公開質問状」の回答を公表します。60名の議員のうち14名の議員から回答がありました。

同じ内容の公開質問状を同日、福岡市長にも提出していました。回答の期限日は1月17日でしたが、翌日の1月18日に、福岡市教育委員会より、会の世話人に電話があり、「市長への公開質問状の回答の期日に遅れるが、回答しますから。」とのことで、回答は2月初めにいただきました。回答書は福岡市教育委員会教育長 星子明夫(氏)のお名前で送られてきました。回答の公表は市長も議員も同時にと考えていましたので、公開が遅くなってしまいました。

なお市民の会では、議員の方からの回答が極めて少なかったため、未回答の議員の方には引き続き回答のお願いをする考えで、回答をいただいた場合は、順次その回答を公表していく考えです。市民の会では、回答をふまえて、市長と教育委員会への提言書づくりに取りかかるとのことです。

それぞれの質問への回答の最後に参照として、福岡市長高島宗一郎氏への質問状の回答を記載しました。(敬称略、「市長・高島宗一郎」と記載)

公開質問状はここをクリック

資料1政令指定都市貸出密度(市民1人当たり貸し出し点数)順位表2016年度(平成28)

資料2福岡県内公立図書館貸出順位表2016年度(平成28)

資料3福岡市立図書館・北九州市立図書館 2006年(平成18)~2016年(平成28)

資料4福岡県内学校図書館図書購入費(予算措置率順位表) 2007年(平成19)

資料5図書館砂漠のまち・福岡市を 図書館のあるまちに

・資料6「図書館にはDNAが大事なのです(菅原峻)」(『アミューズ』2000年1月26日号(毎日新聞社))

質問と回答
・回答者の氏名の50音順。但し会派で一括回答された5名は、最後の所に。会派を代
 表して回答された議員のあとに、会派での氏名の50音順にしています。
・敬称は略させていただきます。

問1. 1年間に市立図書館をどれくらい利用していますか。
 【次の3つの中から該当する数字に○をしてください。以下同じ】

 ①年6回以内
 ②6回以上
 ③その他(      )

回答

荒木 龍昇  ①年6回以内
池田 良子  ③ご指摘の通り、私にとって図書館は地理的に不ベンチであるため、必
       要な書籍は購入している。議会棟の議会図書室は必要に応じて利用して
       ている。
落合 俊則  ①年6回以内

倉元 達朗  ②6回以上 
田中しんすけ ①年6回以内
中山 郁美  ①年6回以内

ひえじま俊和 ③定期的には利用していません。必要な時に。移動図書館が必要不可欠
       です。
堀内 徹夫  ②年6回以上。総合図書館を年10回程度、南図書館を年10回程度、
       アミカス図書室を年6回程度利用しています。
森 あやこ  ③議会図書室を利用しています。リクエストや取り寄せもしています。

笠 康雄   (会派を代表して回答)①年6回以内
天野 こう  回答なし
国分 徳彦  回答なし
浜崎 太郎  回答なし
藤本 顕憲  回答なし

参照
市長・高島宗一郎 回答なし


問2.福岡市の図書館においても、市民が「いつでも」「どこでも」「だれでも」
 「なんでも」利用できる図書館、を図書館の運営の指針、目標とすることが肝要な
 ことだと考えていますが、このことについてどのようにお考えですか。

①そのようには考えない。(理由)
②同じ考えである。
③その他(        )

回答

荒木 龍昇  ②同じ考えである。
池田 良子  ②同じ考えである。
落合 俊則  ②同じ考えである。

倉元 達朗  ②同じ考えである。
田中しんすけ ②同じ考えである。
中山 郁美  ②同じ考えである。

ひえじま俊和 ②同じ考えである。
堀内 徹夫  ②同じ考えである。
森 あやこ  ②同じ考えである。

笠 康雄   (会派を代表して回答)
       ①そのようには考えない。(理由)財政上の課題がある。
天野 こう  (会派による回答)①同上
国分 徳彦  ① 同上
浜崎 太郎  ① 同上
藤本 顕憲  ① 同上

参照〈問2以下、各質問を要約してから回答し、末尾に担当課名を記載されている。以下、各質問の要約文を記載。
問2.市民が「いつでも」「どこでも」「だれでも」「なんでも」利用できる図書館を図書館運営の指針、目標とすることが肝要と考えるがどうか。(総合図書館運営課)〉

市長・高島宗一郎 ③その他(子どもから高齢者まで、障がいがある方も利用できる福岡
市ユニバーサルデザインの理念に基づく図書館サービスを目指すとともに、に住んでいても図書館が利用できる仕組みを検討していきます。(総合図書館運営課)

問3.図書館が市民にどれだけ利用されているかを表す基本的な指標である「市民
 1人当たり(年間)貸出点数」(【貸出密度】という。)は、2016(平成28)年度
 は2.8点で、政令指定都市20市中、20位と最下位で、利用度が低い状態が、1976年の
 福岡市の図書館開館以来40年の長きにわたって続いています。(政令指定都市で第1位
 は人孔万人のさいたま市の8.0点で、福岡市の約3倍)
 このような実態にたいしてどのようにお考えですか。

①特に対応を考えない。(理由)
②非常に低い利用度と考えられるので政策的対応(実態を把握し計画をたてての対応)
 が必要だと考える。
③その他(   )

回答

荒木 龍昇  ②非常に低い利用度と考えられるので政策的対応(実態を把握し計画を
       たてての対応)が必要だと考える。
池田 良子  ② 同上
落合 俊則  ② 同上

倉元 達朗  ② 同上
田中しんすけ ② 同上
中山 郁美  ② 同上

ひえじま俊和 ② 同上
堀内 徹夫  ② 同上
森 あやこ  ② 同上

笠 康雄   (会派を代表して回答)①特に対応を考えない。(理由)記述なし。
天野 こう  (会派による回答)① 同上
国分 徳彦  ① 同上
浜崎 太郎  ① 同上
藤本 顕憲  ① 同上

参照〈問3.市民一人当たりの貸出点数(貸出密度)が、政令市最下位であるがこのような実態に対してどのように考えるか。(総合図書館運営課)〉

市長・高島宗一郎 ③その他(これまで誰もが利用できる図書館サービスを目指して、開館時間の延長、図書返却点の増設、図書館の移転開館などに努めてきており、今後とも、利用者の利便性の向上に取り組んでまいります。

問4.福岡市の図書館の利用度が、政令指定都市の中でも最下位(あるいは最下位に
  準ずる状態)が長く続いていますが、その主な理由は何だと考えますか。

①市民の読書に対する関心があまり高くない。
②図書館の数があまりに少なく、移動図書館も運行していないから。
③その他(   )

回答

荒木 龍昇  ②図書館の数があまりに少なく、移動図書館も運行していないから。
池田 良子  ② 同上
       ③その他(図書館行政に対する関心が低く、図書館整備の必要性を
        深く考えていないから。
落合 俊則  ②(7つの行政区に1館以上の図書館はあるが、市民は自宅の近くに
        図書館があることや、自家用車で行きやすいこと等を望んでいます。
        市民は図書館を補う移動図書館の存在すら知られていません。

倉元 達朗  ②図書館の数があまりに少なく、移動図書館も運行してないから。
田中しんすけ ③その他(本を借りやすい、返しやすい環境整備が不十分であるから。
中山 郁美  ②図書館の数があまりに少なく、移動図書館も運行してないから。

ひえじま俊和 ② 同上
堀内 徹夫  ② 同上
森 まゆみ  ② 同上

笠 康雄  (会派を代表して回答)
       ①市民の読書に対する関心があまり高くないから。
       ③その他(読みたい本は購入しているのでは)  
天野 こう  (会派による回答)同上 ①、③
国分 徳彦  同上 ①、③
浜崎 太郎  同上 ①、③
藤本 顕憲  同上 ①、③

参照〈問4.図書館の利用度が、政令指定都市の中で最下位が続いているがその主な理由は何か。(総合図書館運営課)〉

市長、高島宗一郎 ③その他(図書館の利用状況につきましては、様々な要因があると考えられ、一概には言えませんが、今後、市民のニーズを踏まえ図書館サービスの充実や利用者の利便性の向上に取り組み、利用者の拡大に努めてまいります。)

問5.図書館の健全な発展に資することを目的」に「図書館法」に基づき策定、公示
された『図書館の設置及び運営上の望ましい基準』では、図書館「設置の基本」で、
「住民に対して適切な図書館サービスを行うことができるよう、住民の生活圏、利用を十分に考慮し」「全域サービス網の整備に努めるものとする。」また、「公立図書館の設置に当たっては、サービス対象地域の人口分布と人口構成、面積、地形、交通網等を勘案して、適切な位置及び必要な図書館施設の床面積、蔵書収蔵能力、職員数等を確保するよう努めるものとする。」とあります。
まさに、この基準に基づいた取り組みが迅速に行われる必要があると考えますが、どのようにお考えですか。(住民の生活圏、利用圏に全域サービス網を整備することについて)

①そのようには考えない。(理由)
②福岡市の図書館の現状、またこれまでのサービスの在りようを考えると、基準で示され
た取り組みが早急に必要である。
③その他(         )

回答

荒木 龍昇  ②福岡市の図書館の現状、またこれまでのサービスの在りようを考えると
        基準で示された取り組みが早急に必要である。
池田 良子  ② 同上
落合 俊則  ② 同上

倉元 達朗  ② 同上
田中しんすけ ② 同上
中山 郁美  ② 同上

ひえじま俊和 ② 同上
堀内 徹夫  ② 同上
森 あやこ  ②同上

笠 康雄   (会派を代表して回答)
       ③その他(行政としては財政の範囲内で頑張っているものと思う)
天野 こう  (会派による回答)同上 ③
国分 徳彦  同上 ③
浜崎 太郎  同上 ③
藤本 顕憲  同上 ③

参照〈問5.「望ましい基準」に基づき全域サービス網の整備につき、取り組みが迅速に行われる必要があるが、どのように考えるか。(総合図書館運営課)〉

市長・高島宗一郎 ③その他(平成28年度に東図書館の移転開館を行うとともに、2021年11月を目途に新たに早良地域交流センター(仮称)内に設置する図書館の整備を推進しているところです。併せて地域団体や公民館、施設等との連携を図るなど図書館サービスの充実に取り組んでまいります。

問6.望ましい基準』、また、「運営の基本」で、
(1)「図書館の事業の実施等に関する基本的な運営方針を策定し公表するよう努める」
(2)「基本的運営方針を踏まえ、図書館サービスその他図書館の運営に関する適切な
 指標を選定し、これらに係る目標を設定するとともに、事業年度ごとに、当該事業
 年度の事業計画を策定し、公表するよう努めるものとする。」
(3)「基本的運営方針並びに前項の指標、目標及び事業計画の策定にあたっては利用
 者及び住民の要望ならびに社会の要請に十分留意するものとする。」と述べられて
 います。

2001年(平成13年)に『望ましい基準』が公示されてから17年がたちましたが、この間、図書館の対応は大きく分かれました。迅速に『望ましい基準』に則って取り組む図書館と、そうでない図書館に。福岡市の図書館での力をつくしての取り組みが必要だと考えますが、どのようにお考えですか

     そのようには考えない。(理由)
     同じ考えである。早急な取り組みが必要である。
③その他(                          )

回答

荒木 龍昇  ②同じ考えである。早急な取り組みが必要である。

池田 良子  ② 同上
落合 俊則  ② 同上

倉元 達朗  ② 同上
田中しんすけ ② 同上
中山 郁美  ② 同上

ひえじま俊和 ② 同上
堀内 徹夫  ② 同上
森 あやこ  ② 同上

笠 康雄   (会派を代表して回答)
       ③その他(行政としては財政の範囲内で頑張っているものと思う)
天野 こう  (会派による回答)同上 ③
国分 徳彦  同上 ③
浜崎 太郎  同上 ③
藤本 顕憲  同上 ③

参照〈問6.望ましい基準に基づく、運営方針の策定、公表、事業評価についてどのように考えるか。(総合図書館運営課)

市長・高島宗一郎 ③その他(運営方針の策定にあたりましては、「望ましい基準」を踏まえ、図書館運営の基本となる福岡市総合図書館氏ビジョンを策定するとともに、事業計画を策定し外部の有識者や市民の視点を取り入れた外部評価を行い結果を公表しております。

問7.『福岡市基本構想』、『第9次福岡市基本計画』(2022年度、平成32度までの10年間の計画)には、「生涯学習の拠点」施設とされる図書館の計画はありません。また、2014年、平成26年に策定され、2023年度までの10年間の計画である『福岡市総合図書館新ビジョン』においても、「図書館設置の基本」である「市民の生活圏、利用圏に図書館をつくる全域サービス網の整備」については計画がありません。住民の生活圏、中学校区に図書館を考えるとき、市の長期的な計画の中に組み入れていくことが欠かせません。このことについてどのようにお考えですか。

①そのようには考えない。(理由)
②図書館の重要性に鑑み、財政的な裏付けをもった市の長期計画に入れていくことが必要である。
その他(                            )


回答

荒木 龍昇  ②図書館の重要性に鑑み、財政的な裏付けをもった市の長期計画に入れて
        いくことが必要である。
池田 良子  ② 同上
落合 俊則  ② 同上

倉元 達朗  ② 同上
田中しんすけ ② 同上
中山 郁美  ② 同上

ひえじま俊和 ② 同上
堀内 徹夫  ② 同上
森 あやこ  ② 同上

笠 康雄   (会派を代表して回答)③その他(理由 財政上の問題)
天野 こう  (会派による回答) 同上 ③
国分 徳彦  同上 ③
浜崎 太郎  同上 ③
藤本 顕憲  同上 ③

参照〈問7.「市民の生活圏、利用券に図書館をつくる全域サービス網の整備」については計画がなく、市の長期的な計画に組み入れることについてどう考えるか?(総合図書館運営課)〉

市長・高島宗一郎 ③その他(図書館設置について市の長期的な計画に組み入れていくことにつきましては、早良地域交流センター(仮称)内の新図書館の整備などを進めるとともに、地域団体や公民館、施設との連携を図るなど図書館サービスの充実に努めてまいります。

問8.職員体制について。資料3で、2006年、平成18年から2016年、平成28での10年間の福岡市と北九州市の図書館を統計でみると、特に職員の項で、専任職員46
 人から32人に14人の減に対し、北九州市では20人から37人と17人の増となっています。専任職員のうち専門職員である司書については、福岡市で、11人か4人へと7人の減(平成30年度はさらに1人減って3人となっています。)これに対して北九州市では2人から、22人と20人の増となっています。

また、2007年、平成19年から2017年、平成29年までの12年間で福岡市総合図書館の長
9人と短い期間で変わっています。福岡市の図書館のこれからを考え、長期的な図書館計
画を立てていくためには、図書館長をはじめ、専門的力量をもち経験を積んだ専門職員司
書)の体制整備が不可欠だと考えます。人口150万人を超える大きな市で、専門職員が3
というのは驚くべき状態だと考えます。職員体制の整備と充実が早急に取り組むべき課題
であると考えますが、どのようにお考えですか。

     そのように考えない。(理由               )
     同じ考えである。
③その他(                           )

回答

荒木 龍昇  ②同じ考えである。
池田 良子  ② 同上
落石 俊則  ② 同上

倉元 達朗  ② 同上
田中しんすけ ② 同上
中山 郁美  ② 同上

ひえじま俊和 ② 同上
堀内 徹夫  ② 同上
森 あやこ  ② 同上

笠 康雄   (会派を代表して回答)③その他(わかりません)
天野 こう  (会派による回答) 同上 ③
国分 徳彦  同上 ③
浜崎 太郎  同上 ③ 
藤本 顕憲  同上 ③

参照〈問8.司書資格を持つ専任職員が③人など驚くべき状況であり、職員体制の整備充実が課題であるがどう考えるか。(総合図書館運営課)〉

市長・高島宗一郎 ①そのようには考えない。理由:司書資格を持つ職員(嘱託員を含む。)の配置につきましては、総合図書館及び分館に必要な人員を配置しており、今後とも適切な人事配置に努めてまいります。

問9.東図書館への指定管理者の導入について。福岡市では2016年、平成28年度か ら分館である東図書館で指定管理者を導入されました。2007年に指定管理者を導入し、2019年から市直営に戻すことを決めた茨城県守谷市立図書館の事例でも見られるよう に、図書館への指定管理者導入については、各地で、その弊害、問題が指摘されていま

す。私たちは特につぎの2つの点からその導入に反対の考えです。

(1)指定管理者の導入は、市民が「いつでも」」「どこでも」「だれでも」「なんでも」利用する図書館の実現という、すべての市民への図書館サービスを行う責務を放棄するものだと考えます。指定管理者では、このような図書館はできません。

(2)市民にとって役に立つサービスを手渡すのは、経験をつみ、市民と資料を結びつけるために専門的力量を持続して培っていく専門職員です。現在、福岡市の図書館の分館は、東図書館を除きすべて非正規職員である、司書の資格をもった嘱託職員や臨時職員によって行われており、その職員たちの日頃の熱心な研鑽によって、福岡市の図書館サービスが維持されていることは、利用者として、私たちが常日頃、感じているところです。指定管理者はおおむね5年の契約で、司書として継続して働くことが保障されていない制度です。福岡市で非正規職員が専門職員として培ってきたその経験の蓄積は図書館を利用する市民の財産でもあります。安易にそれを投げ捨てることは、図書館が市民にとって何であるのか、専門職員はどのような働きをしているのかについて、ほんとうに学ばれているのか、その施策を進める人の見識が問われる事態であるとも考えるものです。指定管理者導入について、どのようにお考えですか。

     導入に賛成である。(理由                    )
     同じ考えである。今後、それが広がることをなくしていくことを重要である。
③その他(                            )

回答

荒木 龍昇  ②同じ考えである。今後、それが広がることをなくしていくことが重要で
        ある。     
池田 良子  ② 同上
落合 俊則  ② 同上

倉元 達朗  ② 同上
田中しんすけ ③その他(指定管理者制度の導入の有無というよりも、そのことにより
        市民サービスがよくなったのか、悪くなったのかという視点で今後と
        も注視していきます。
中山 郁美  ②同じ考えである。今後、それが広がることをなくしていくことが重要であ
        る。

ひえじま俊和 ② 同上
堀内 徹夫  ② 同上
森 あやこ  ② 同上

笠 康雄   (会派を代表して回答)
       ③その他(東区の事例はもう少し時間が経たのちに検証すべき)
天野 こう  (会派による回答)同上 ③
国分 徳彦  同上 ③
浜崎 太郎  同上 ③
藤本 顕憲  同上 ③

参照〈問9.指定管理導入についてどのように考えるか。(総合図書館運営課)〉

市長・高島宗一郎 ②その他(図書館運営にあたりましては、効果的効率的な図書館運営を図ることが必要と考えており、図書館サービスの向上に向け、民間活力の導入を含めた運営方法について、総合図書館や東図書館の状況等を踏まえ、引き続き検討を行ってまいります。

問10.学校図書館は子どもたち(児童、生徒)にとって、もっとも身近な図書館です。子どもと教師にとって、魅力的で役立つ図書館であるためには、何よりも蔵書の充実と子どもと教師に適切な資料や情報を手渡す学校司書の配置が欠かせません。

 文部科学省では、全国の学校図書館のあまりにも貧しい蔵書(蔵書数、内容、新鮮度)の充実と学校司書の配置をすすめるため、1993年以来、「学校図書整備5カ年計画」を4次に渡って実施してきましたが、2017(平成29)年からは新たに「学校図書館図書整備等5カ年計画」を始めています。

 これは1.「各学校における学校図書館図書標準の達成」を目指すのに加え、児童生徒が正しい情報に触れる環境の整備の観点から、古くなった本を新しく買い替えることを促進するため」、平成29年度から単年度約220億円、総額約1,100億円を地方交付税措置するものです。
 
 増加冊数分に約325億円、古くなった本を新しく買い替える更新冊数分に約775億円で、更新冊数分が増加冊数分の2倍をこえる金額であるのは、それだけ更新すべき古い本が多いということでもあります。百科事典や図鑑などをセット配備している小学校は95%、中学校は94.1%ですが、配備されているセットの刊行年が10年以上経っているのは、小学校で55.3%、中学校で62.6%となっていて、「子どもたちに誤った情報や知識を提供する古い百科事典や図鑑は速やかに廃棄、更新する」ことが求められています。(文部科学省『平成28年度「学校図書館の現状に関する調査」結果について』)

また2.「学校図書館への新聞配備」として、単年度約30億円、総額約150億円
(小学校等1紙、中学校等2紙、高等学校等4紙を目安)
3.「学校司書の配置」に単年度約220億円総額1,100億円

以上の1~3で単年度470億円、5年間で総額2,350億円が地方財政措置されていま
す。この地方財政措置は、使途を特定しない一般財源として措置されているため、市町村
において予算化しないと図書費や学校司書の配置のための費用となりません。

全国の自治体で、地方財政措置に則った予算措置がなかなか進まなかったため、その促進
を図るため、文部科学省が2007(平成19)年に全国の自治体名をあげて、学校図書館図書
購入費の予算措置率(交付額のうち予算化している割合)を公表しています。(資料4)
全国平均が78%、福岡県平均が97.1%でしたが、福岡市は86.1%でした。福岡
県内では各自治体の財政が厳しい中でも、学校図書館が果たす役割の大切さを考えて、
100%以上予算化した自治体が22(101171%)あり、中には211.8を予算計上した
自治体もありました

福岡市では長年にわたり低い予算措置率での対応でしたが、私たちは、子どもたちの一番
身近な図書館である学校図書館の充実は何よりの急務であり、学校図書館の図書整備につ
いては、少なくとも『学校図書館図書整備等5カ年計画』(1.「学校図書館の図書費」、
.「新聞配備」)通りの予算化が必要だと考えますが、どのようにお考えですか。

①現行通りでよい。(理由                          )2,019年度から少なくとも「5カ年計画」で交付される額の予算化が必要である。 
③その他(                                )

回答

荒木 龍昇  ②2019年度から少なくとも「5カ年計画」で交付される額の予算化が必要で
        ある。
池田 良子  ② 同上
落合 俊則  ② 同上

倉元 達朗  ② 同上
田中しんすけ ② 同上
中山 郁美  ② 同上

ひえじま俊和 ② 同上
堀内 徹夫  ② 同上
森 あやこ  ② 同上

笠 康雄   (会派を代表して回答)② 同上
天野 こう  (会派による回答)② 同上
国分 徳彦  ② 同上
浜崎 太郎  ② 同上
藤本 顕憲  ② 同上

参照〈問10.学校図書館の図書整備については、少なくとも『学校図書館図書整備等5か年計画』(1.「学校図書館の図書費」、2.「新聞配備」)通りの予算化が必要だと考えますが、どのようにお考えですか。(学務支援課)〉

市長・高島宗一郎 ①現行通りでよい。理由:学校図書館の図書更新整備に係る経費につきましては文部、科学省が定める学校図書館図書標準を満たすように必用額を予算措置しております。

問11.「学校図書館の充実には図書館資料・人材の双方の充実が必要です。(文部
科学省『新しい「学校図書館図書整備等5カ年計画」が、平成29年度からスタートしま
す!』のパンフレットより。)ここでいう人材とは、司書教諭、学校司書等のことです
が、とりわけ学校図書館の学校司書の配置については、自治体によって実に大きな違いが
あります。福岡市では現在、市立小学校、中学校にはそれぞれ2校に1名しか配置されて
いません。

2014(平成26)年の学校図書館法の改正で学校司書が法律に位置づけられるとともに、
公立小学校、中学校に学校司書の配置に努めることが定められました。」しかし、福岡市
に見られるように「学校司書の配置は圧倒的に不足しています。学校司書の探求学習への
参画は教師たちに評価されています。それにもかかわらず全体的には、学校司書は非常勤
が多く、雇用契約も短期間で給与も低く抑えられています。不安定な勤務条件は、継続
的、計画的な図書館運営を妨げる要因の一つとなっており、地方財政措置を活用するな
ど、学校司書の労働条件の早急な改善が必要です。」(上記、パンフレットより)

学校司書は学校図書館の日常の運営や管理(図書館資料の選択・組織化等)や教育活動の
支援(授業における学習活動の支援や発達段階に応じた読書指導等)を行って、開館時間
の確保や授業での活用を促進し、「心の居場所」としての場づくりや読書好きの増加に大
きな力を発揮しています。教師たちからは、こんな声があがっています。

「学校司書は現在の学校教育にとって欠かせない存在である。」「学校司書が資料を揃え
てくれるので、担任は資料を見てから学習計画が立てられる。」「担任がテーマを伝える
だけで資料が揃う。」「調べ学習の方法について研修があるので助かる。」「子どもたち
に資料の使い方を説明する。」などで「調べ学習の力」を育てています。
また、「ブックトークをしてもらえるので読書の幅が広がる。」「本を読むことが好きな子も、骨太の本を読ませていかないと、力がつかない。」「図書館クイズ、読書週間のテーマなど様々な取り組みがある。」などで「読書の力」を育てる上で大きな力を発揮しています。(学校図書館整備推進会議他『学校図書館の出番です』より

学校図書館の充実に取り組んできた自治体では、2012(平成24)年の第4次『学校図書館図書整備5カ年計画』で、学校司書の配置に初めて地方財政措置が講じられた《1週間当たり30時間の職員をおおむね2校に1名配置することが可能な規模の措置、単年度約150億円》以前から一般財源で学校司書を配置していました。このため、学校司書の配置状況は自治体間で非常に大きな格差がありました。また、第4次の5カ年計画で学校司書の配置のための財政措置が講じられてからも、その積算根拠が2校に1名であることを理由に各校に1名配置しない自治体があり、残念ながら福岡市ではその方策をとり現在に至っています。2017(平成29)年から始まった第5次『図書館図書整備等5カ年計画』では、このような状況を踏まえ、学校司書配置の財政措置で、第4次の単年度150億円から220億円と70億円増額し、総額で約1,100億円とし、第4次の総額750億円から350億円増額して学校司書の配置を促しています。

福岡市では1953年の学校図書館法の公布、制定以来、学校図書館については、学校図書館が機能するための2つの柱である「資料の整備・充実」と「人の確保(司書教諭と学校司書の配置)」については、知恵を尽くし力をつくした施策が考えられ行われることなく今日に至っています。

学校図書館は学校教育の中で、その要にあるものであり、福岡市の明日を生き、明日をひらく子どもたちが、図書館の資料との出会いを通して、よりよく考え、生きる力を育む場です。一人ひとりの児童生徒に、その子に適切な本を手渡し、教師の各教科での教育に欠かすことができない学校司書の各校1名の配置が急務であると考えます。学校司書としての十全な働きができる配置が必要だと考えます。このことについて、どのようにお考えですか。

①現行のままでよい。(理由                         )
②学校司書の小学校、中学校、各校1名の配置が早急に必要である。
 ③その他(                                )

回答

荒木 龍昇  ② 学校司書の小学校、中学校、各校1名の配置が早急に必要である。
池田 良子  ② 同上
落合 俊則  ③その他(本市の学校司書36名の配置は小学校を中心に2校に1名、次
        年度は未配置校にと、2年で小学校に「配置される」拠点校配置となっ
        ています。次期学習指導要領では、討論や発表などを通して主体的・対
        話的で深い学びによる授業改善が重視されています。新聞や資料を使っ
        て思考力や判断力、表現力を育むためにも、担任と学校司書との連携し
        た学習形態を推進する必要があります。そのためにも、学校司書の全校
        配置が求められますが、まずは、現行の拠点校方式を拡充し、全小学校
        144校の半数の72名、中学校への配置日数を拡大していくことが当
        面のとりくみと考えます。

倉元 達朗  ② 学校司書の小学校、中学校、各校1名の配置が早急に必要である。
田中しんすけ ② 同上
中山 郁美  ② 同上

ひえじま俊和 ② 同上
堀内 徹夫  ② 同上
        皆さんの活動に心から敬意を表します。図書館は国民の学習権を保障す
       る機関であり、それは生存権と言えます。したがって、専門職である司書
       と資料費は極めて重要だと考えますが、国も福岡市もそれに逆行する政策
       を続けています。図書館を元気にして、市民の身近な公共施設として発展
       するよう私も頑張る決意です。
森 あやこ  ② 同上
       議会でも同じような想いで提案しています!! 本は心の栄養 生きる力を
       みます

笠 康雄   (会派を代表して回答)
       ① 現行のままでよい。(理由 市の財政上の問題から)
天野 こう  (会派による回答) ① 同上
国分 徳彦  ① 同上
浜崎 太郎  ① 同上
藤本 顕憲  ① 同上

参照〈問11.学校司書としての十全な働きができる配置が必要だと考えます。どのようにお考えですか。(学校指導課)

市長・高島宗一郎 ③その他(学校司書の配置につきましては、現在の配置体制により、小学校における児童の読書量が増加するなど、成果が表れているところであり、今後も効果的な配置に努めてまいります。

以上

                                    
                    

2019年2月9日土曜日

 福岡市長への公開質問状の回答です。 「図書館を楽しむ」市民ネットワーク・福岡 No.18              

`「図書館を楽しむ」市民ネットワーク・福岡`の会が昨年12月14日に福岡市長高島宗一郎氏と福岡市議会議員に提出していた「福岡市立図書館のこれからについての公開質問状」の回答については、年が改まった1月17日が回答の期限日でした。1月18日、福岡市教育委員会より会の世話人に丁重な電話があり、市長の回答が遅れるが回答しますからとのことでした。このため、会では市長からの回答が届くのを待って、市議会議員の回答と合わせて公表することにしていましたが、2月6日回答をいただきましたのでここにその回答を公表します。なお、回答者は、福岡市教育委員会教育長 星子明夫(氏)となっていました。
市議会議員からの回答については、引き続きブログNo.19で公開します。
〈「図書館を楽しむ」市民ネットワーク・福岡〉2019.2.9

公開質問状No16の資料はここをクリック

資料1政令指定都市貸出密度(市民1人当たり貸し出し点数)順位表2016年度(平成28)

資料2福岡県内公立図書館貸出順位表2016年度(平成28)

資料3福岡市立図書館・北九州市立図書館 2006年(平成18)~2016年(平成28)

資料4福岡県内学校図書館図書購入費(予算措置率順位表) 2007年(平成19)

資料5図書館砂漠のまち・福岡市を 図書館のあるまちに

・資料6「図書館にはDNAが大事なのです(菅原峻)」(『アミューズ』2000年1月26日号(毎日新聞社))

質問と回答

〈回答は該当する数字に○をしてください。〉

問1 1年間に市立図書館をどれくらい利用していますか。

 ①年6回以内 ②年6回以上 ③その他

回答 なし

問2.
市民が「いつでも」「どこでも」「だれでも」「なんでも」利用できる図書館を図書館運営の指針、図書館の目標として、日本で最初に掲げたのは東京都にある日野市立図書館です。1965年のことです。日本の公立図書館で初めて、「リクエストサービス」が始められたのも日野市立図書館によってですが、以後、「いつでも」「どこでも」「だれでも」「なんでも」は全国各地の図書館の目指すべき目標となりました。

(「いつでも」は24時間、図書館が開いているということではありません。求める本を「だれでも」「なんでも」借りることができれば、図書館で長時間過ごせない人も、家や通勤途上などで、「いつでも」自由に利用できるということです。)

 私たちは福岡市の図書館においても、市民が「いつでも」「どこでも」「だれでも」
「なんでも」利用できる図書館を、図書館運営の指針、目標とすることが肝要なことだと
考えていますが、このことについてどのようにお考えですか。

  そのようには考えない。理由) ②同じ考えである。 ③その他(   ) 

回答 ③その他
子どもから高齢者まで、障害のある方も、誰もが気軽に利用できる福岡市ユニバーサルデザインの理念に基づく図書館サービスを目指すとともに、どこに住んでいても図書館が利用できる仕組みを検討していきます。 
                         
問3.
図書館が市民にどれだけ利用されているかを表す基本的な指標が「人口1人当たり貸出点数」(以下、「貸出密度」という。)で、2016(平成28)年度の福岡市立図書館は、市民1人当たり2.8点でした。(『日本の図書館2017』日本図書館協会、以下、統計の数値は同書による。)

この数値は政令指定都市20市中、20位と最下位であり、(第1位は人口127万人のさいたま市の8.0点で福岡市の約3倍)、福岡県内52館の図書館の中では49位と、極めて利用度が低い状態が、1976年の福岡市の図書館の開館以来40年をこえる長きにわたって続いています。(福岡県内の第1位は水巻町の13.7点で福岡市の約5倍の貸出)

2006年に文部科学省の「これからの図書館の在り方検討協力者会議」が作成した「望ましい基準」の「数値目標例」を参考に、日本図書館協会が毎年公表している「目標基準例」では、人口「30万人~」の貸出密度は8.9点で、それを基準にすると福岡市の到達度は31%です。このような実態にたいしてどのようにお考えですか。

     特に対応を考えない。(理由)
     非常に低い利用度と考えられるので政策的対応(実態を把握し計画を立てての対応)が
 必要だと考える。
     その他(                  )


回答 ③その他 
 これまで誰もが利用できる図書館サービスを目指して、開館時間の延長、図書返却拠点の増設、図書館の移転開館などに努めてきており、今後共、利用者の利便性の向上に取り組んでまいります。

  
問4.
福岡市の図書館の利用度が、政令指定都市の中でも最下位(あるいは最下位に準ずる状
態)が長く続いていますが、その主な理由は何だと考えますか。

①市民の読書に対する関心があまり高くないから。    
②図書館の数があまりに少なく、移動図書館も運行していないから。
③その他(                            ) 
  
回答 ③その他
図書館の利用状況につきましては、様々な要因があると考え
られ、一概には言えませんが、今後、市民のニーズを踏まえ
図書館サービスの充実や利用者の利便性の向上に取り組み、
利用者の拡大に努めてまいります。

問5.
「図書館の健全な発展に資することを目的」に、「図書館法」に基づき策定、公示さ『図
書館の設置及び運営上の望ましい基準』では、先に述べたように、図書館「設置の基本」
で、「住民に対して適切な図書館サービスを行うことができるよう、住民の生活圏、利用
圏を十分に考慮し」「全域サービス網の整備に努めるものとする。」
「公立図書館の設置に当たっては、サービス対象地域の人口分布と人口構成、面積、地
形、交通網等を勘案して、適切な位置及び必要な図書館施設の床面積、蔵書収蔵能力、職
員数等を確保するよう努めるものとする。」とあります。

まさに、この基準に基づいた取り組みが迅速に行われる必要があると考えますが、どのよ
うにお考えですか。(住民の生活圏、利用圏に全域サービス網を整備することについて)

     そのようには考えない。(理由)
     福岡市の図書館の現状、またこれまでのサービスの在りようを考えると、基準で示され
 た取り組みが早急に必要である。
③その他(                              )


回答 ③その他
平成28年度に東図書館の移転開館を行うとともに、2021年
11月を目途に新たに早良地域交流センター(仮称]内に設
置する図書館の整備を推進しているところです。併せて地域
団体や公民館、施設等との連携を図るなど図書館サービスの
充実に取り組んでまいります。

問6.
『望ましい基準』では、また、「運営の基本」で①「図書館の事業の実施等に関する基本
的な運営方針を策定し公表するよう努める」こと、②「基本的運営方針を踏まえ、図書館
サービスその他図書館の運営に関する適切な指標を選定し、これらに係る目標を設定する
とともに、事業年度ごとに、当該事業年度の事業計画を策定し、公表するよう努めるもの
とする。」③「基本的運営方針並びに前項の指標、目標及び事業計画の策定にあたっては
利用者及び住民の要望ならびに社会の要請に十分留意するものとする。」と述べられてい
ます。


2001年(平成13年)に『望ましい基準』が公示されてから17年がたちましたが、この
間、図書館の対応は大きく分かれました。迅速に『望ましい基準』に則って取り組む図書
館と、そうでない図書館に。福岡市の図書館での力をつくしての取り組みが必要だと考え
ますが、どのようにお考えですか。

     そのようには考えない。(理由)
     同じ考えである。早急な取り組みが必要である 。
③その他(                               )


回答 ③その他 運営方針の策定等にあたりましては、
「望ましい基準」を踏まえ、図書館運営の基本となる福岡
市総合図書館新ビジョンを策定するとともに、事業計画を
策定し外部の有識者や市民の視点を取り入れた外部評価を
行い結果を公表しております。

問7
『福岡市基本構想』、『第9次福岡市基本計画』(2022年度、平成32度までの10年間の計画)には、「生涯学習の拠点」施設とされる図書館の計画はありません。また、2014年、平成26年に策定され、2023年度までの10年間の計画である『福岡市総合図書館新ビジョン』においても、「図書館設置の基本」である「市民の生活圏、利用圏に図書館をつくる全域サービス網の整備」については計画がありません。

住民の生活圏、中学校区に図書館を考えるとき、市の長期的な計画の中に組み入れていくことが欠かせません。このことについてどのようにお考えですか。

     そのようには考えない。(理由)                 
②図書館の重要性に鑑み、財政的な裏付けをもった市の長期計画に入れていくことが必要
である。
③その他(                              ) 

回答 ③その他
図書館設置について市の長期的な計画の中に組み入れて行く
ことにつきましては、早良地域交流センター(仮称)内の新
図書館の整備などを進めるとともに、地域団体や公民館、施
設との連携を図るなど図書館サービスの充実に努めてまいり
ます。

問8.
職員体制について。資料3で、2006年、平成18年から2016年、平成28年までの10年間の
福岡市と北九州市の図書館を統計でみると、特に職員の項で、専任職員が46人から32人に
14人の減に対し、北九州市では20人から37人と17人の増となっています。専任職員のう
ち専門職員である司書については、福岡市で、11人から4人へと7人の減(平成30年度はさ
らに1人減って3人となっています。)これに対して北九州市では2人から、22人と20人の
増となっています。

また、2007年、平成19年から2017年、平成29年までの12年間で福岡市総合図書館の館長
9人と短い期間で変わっています。福岡市の図書館のこれからを考え、長期的な図書館計
画を立てていくためには、図書館長をはじめ、専門的力量をもち経験を積んだ専門職員
(司書)の体制整備が不可欠だと考えます。人口150万人を超える大きな市で、専門職員
3人というのは驚くべき状態だと考えます。職員体制の整備と充実が早急に取り組むべき
課題であると考えますが、どのようにお考えですか。

     そのように考えない。(理由)
     同じ考えである。
③その他(                              )

 回答 ①そのように考えていない。
理由:司書資格を持つ職員(嘱託員を含む。)の配置につきましては、総合図書館及び分館に必要な人員を配置しえおり、今後とも適切な人員配置に努めてまいります。

問9.
東図書館への指定管理者の導入について。福岡市では2016年、平成28年度から、
分館である東図書館で指定管理者を導入されました。2007年に指定管理者を導入し、2019年から市直営に戻すことを決めた茨城県守谷市立図書館の事例でも見られるように、図書館への指定管理者導入については、各地で、その弊害、問題が指摘されています。私たちは特につぎの2つの点からその導入に反対の考えです。

①指定管理者の導入は、市民が「いつでも」」「どこでも」「だれでも」「なんでも」利
用する図書館の実現という、すべての市民への図書館サービスを行う責務を放棄するもの
だと考えます。指定管理者では、このような図書館はできません。

市民にとって役に立つサービスを手渡すのは、経験をつみ、市民と資料を結びつけるた
めに専門的力量を持続して培っていく専門職員です。現在、福岡市の図書館の分館は、東
図書館を除きすべて非正規職員である、司書の資格をもった嘱託職員や臨時職員によって
行われており、その職員たちの日頃の熱心な研鑽によって、福岡市の図書館サービスが維
持されていることは、利用者として、私たちが常日頃、感じているところです。
指定管理者はおおむね5年の契約で、司書として継続して働くことが保障されていない制
度です。福岡市で非正規職員が専門職員として培ってきたその経験の蓄積は図書館を利用
する市民の財産でもあります。安易にそれを投げ捨てることは、図書館が市民にとって何
であるのか、専門職員はどのような働きをしているのかについて、ほんとうに学ばれてい
るのか、その施策を進める人の見識が問われる事態であるとも考えるものです。指定管理
者導入について、どのようにお考えですか。

     導入に賛成である。(理由)
     同じ考えである。今後、それが広がることをなくしていくことを重要である。
③その他(                               )

回答 ③その他 
理由:図書館運営にあたりましては、効果的効率的な図書館
運営を図ることが必要と考えており、図書館サービスの向上
に向け、民間活力の導入を含めた運営方法について、総合図
書館や東図書館の状況を踏まえ、引き続き検討を行ってまい
ります。

問10.
学校図書館は子どもたち(児童、生徒)にとって、もっとも身近な図書館です。子ども
教師にとって、魅力的で役立つ図書館であるためには、何よりも蔵書の充実と子どもと教
師に適切な資料や情報を手渡す学校司書の配置が欠かせません。


文部科学省では、全国の学校図書館のあまりにも貧しい蔵書(蔵書数、内容、新鮮度)
充実と学校司書の配置をすすめるため、1993年以来、「学校図書整備5カ年計画」4
に渡って実施してきましたが、2017(平成29)年からは新たに「学校図書館図書整備等
5カ年計画」を始めています。


これは1.「各学校における学校図書館図書標準の達成を目指すのに加え、児童生徒が正
しい情報に触れる環境の整備の観点から、古くなった本を新しく買い替えることを促進す
るため」、平成29年度から単年度約220億円、総額約1,100億円を地方交付税措置する
ものです。

増加冊数分に約325億円、古くなった本を新しく買い替える更新冊数分に約775億円で、
更新冊数分が増加冊数分の2倍をこえる金額であるのは、それだけ更新すべき古い本が多い
ということでもあります。百科事典や図鑑などをセット配備している小学校は95%、中
学校は94.1%ですが、配備されているセットの刊行年が10年以上経っているのは、小学
校で55.3%、中学校で62.6%となっていて、「子どもたちに誤った情報や知識を提供する
古い百科事典や図鑑は速やかに廃棄、更新する」ことが求められています。(文部科学省
『平成28年度「学校図書館の現状に関する調査」結果につい』)

た2.「学校図書館への新聞配備」として、単年度約30億円、総額約150億
小学校等1紙、中学校等2紙、高等学校等4紙を目安)

3.「学校司書の配置」に単年度約220億円総額1,100億円
以上の1~3で単年度470億円、5年間で総額2,350億円が地方財政措置されてい
す。

この地方財政措置は、使途を特定しない一般財源として措置されているため、市町村にお
いて予算化しないと図書費や学校司書の配置のための費用となりません。全国の自治体
で、地方財政措置に則った予算措置がなかなか進まなかったため、その促進を図るため、
文部科学省が2007(平成19)年に全国の自治体名をあげて、学校図書館図書購入費の予算
措置率(交付額のうち予算化している割合)を公表しています。

資料4)全国平均が78%、福岡県平均が97.1%でしたが、福岡市は86.1%
た。福岡県内では各自治体の財政が厳しい中でも、学校図書館が果たす役割の大切さを考
えて、100%以上予算化した自治体が22(101171%)あり、中には211.8を予算計
上した自治体もありました

福岡市では長年にわたり低い予算措置率での対応でしたが、私たちは、子どもたちの一番
身近な図書館である学校図書館の充実は何よりの急務であり、学校図書館の図書整備につ
いては、少なくとも『学校図書館図書整備等5カ年計画』(1.「学校図書館の図書費」、
.「新聞配備」)通りの予算化が必要だと考えますが、どのようにお考えですか。

①現行通りでよい。(理由           )
2,019年度から少なくとも「5カ年計画」で交付される額の予算化が必要である。
③その他(                                )

回答 ①現行通りでよい。
理由:学校図書館の図書更新整備に係る経費につきまして
は、文部科学省が定める学校図書標準を満たすように必用
額を予算措置しております。

問11.
「学校図書館の充実には図書館資料・人材の双方の充実が必要です。(文部科学省『新し
い「学校図書館図書整備等5カ年計画」が、平成29年度からスタートします!』のパン
フレットより。)ここでいう人材とは、司書教諭、学校司書等のことですが、とりわけ学
校図書館の学校司書の配置については、自治体によって実に大きな違いがあります。福岡
市では現在、市立小学校、中学校にはそれぞれ2校に1名しか配置されていません。

2014(平成26)年の学校図書館法の改正で学校司書が法律に位置づけられるとともに、公
立小学校、中学校に学校司書の配置に努めることが定められました。」しかし、福岡市に
見られるように「学校司書の配置は圧倒的に不足しています。学校司書の探求学習への参
画は教師たちに評価されています。それにもかかわらず全体的には、学校司書は非常勤が
多く、雇用契約も短期間で給与も低く抑えられています。不安定な勤務条件は、継続的、
計画的な図書館運営を妨げる要因の一つとなっており、地方財政措置を活用するなど、学
校司書の労働条件の早急な改善が必要です。」(上記、パンフレットより)

学校司書は学校図書館の日常の運営や管理(図書館資料の選択・組織化等)や教育活動の
支援(授業における学習活動の支援や発達段階に応じた読書指導等)を行って、開館時間
の確保や授業での活用を促進し、「心の居場所」としての場づくりや読書好きの増加に大
きな力を発揮しています。

教師たちからは、こんな声があがっています。「学校司書は現在の学校教育にとって欠か
せない存在である。」「学校司書が資料を揃えてくれるので、担任は資料を見てから学習
計画が立てられる。」「担任がテーマを伝えるだけで資料が揃う。」「調べ学習の方法に
ついて研修があるので助かる。」「子どもたちに資料の使い方を説明する。」などで「調
べ学習の力」を育てています。

また、「ブックトークをしてもらえるので読書の幅が広がる。」「本を読むことが好きな
子も、骨太の本を読ませていかないと、力がつかない。」「図書館クイズ、読書週間のテ
ーマなど様々な取り組みがある。」などで「読書の力」を育てる上で大きな力を発揮して
います。(学校図書館整備推進会議他『学校図書館の出番です』より)

学校図書館の充実に取り組んできた自治体では、2012(平成24)年の第4次『学校図書館
図書整備5カ年計画』で、学校司書の配置に初めて地方財政措置が講じられた《1週間当た
30時間の職員をおおむね2校に1名配置することが可能な規模の措置、単年度約150億
円》以前から一般財源で学校司書を配置していました。このため、学校司書の配置状況は
自治体間で非常に大きな格差がありました。また、第4次の5カ年計画で学校司書の配置
のための財政措置が講じられてからも、その積算根拠が2校に1名であることを理由に各
校に1名配置しない自治体があり、残念ながら福岡市ではその方策をとり現在に至ってい
ます。

2017(平成29)年から始まった第5次『図書館図書整備等5カ年計画』では、このよう
な状況を踏まえ、学校司書配置の財政措置で、第4次の単年度150億円から220億円
と70億円増額し、総額で約1,100億円とし、第4次の総額750億円から350億円
増額して学校司書の配置を促しています。

福岡市では1953年の学校図書館法の公布、制定以来、学校図書館については、学校図
書館が機能するための2つの柱である「資料の整備・充実」と「人の確保(司書教諭と学
校司書の配置)」については、知恵を尽くし力をつくした施策が考えられ行われることな
く今日に至っています。

学校図書館は学校教育の中で、その要にあるものであり、福岡市の明日を生き、明日をひ
らく子どもたちが、図書館の資料との出会いを通して、よりよく考え、生きる力を育む場
です。一人ひとりの児童生徒に、その子に適切な本を手渡し、教師の各教科での教育に欠
かすことができない学校司書の各校1名の配置が急務であると考えます。学校司書として
の十全な働きができる配置が必要だと考えます。このことについて、どのようにお考えで
すか。

現行のままでよい(理由                    )
②学校司書の小学校、中学校、各校1名の配置が早急に必要である。
③その他(                           )


回答 ③その他
学校司書の配置につきましては、現在の配置体制により、小
学校における児童の読書量が増加するなど、成果が表れてい
るところであり、今後も効果的な配置に努めてまいります。



                                   以上