2022年9月18日日曜日

漆原宏さんのこと  No.96

昨日、漆原宏さんのご訃報をご夫人の美智子さんから知らされた。美智子さんによれば漆原宏さんは一年寝ついて 訪問看護を受けられていた由。9月15日朝方、千葉さん、大澤さん、伊藤さん達のおられる世界に旅立たれた とのこと。18日にご自宅から出棺、お「部屋には彼の写真パネルーーー彼らしい人生でした。」とのお言葉でした。 ーーーーー 「漆原さんから手渡されたもの、わたしの生涯にわたっての心の奥底にあって、いつも共にあります。美智子さんと のお二人の生活が始まると、(静岡から?)お電話いただいたときのしみじみとしたお喜びの声の響き、今も耳元 にあります。千葉治さん、大澤正雄さん、伊藤峻さんとの出会いと語らいの場をはじめ、(仙台の)扇元久栄さんを はじめ、どんなにかけがえのない方たちとの出会いを授かってきたか、愉しく厳しい学びの時を手渡されてきたこと か!ありがとうございました。あのように漆原さんの晩年の日々を灯りのように〔灯りとなって〕伴走された美智子 さんに心から感謝の思いを深くしています。」との言葉をお送りするのがやっとだった。ーーーーーーーーー 美智子さんと初めてお会いしたのは1987,8年の頃、「福岡の図書館を考える会」の「図書館の話の出前」の注文が 柳川の美智子さんからあり、考える会の若き2人の友人と3人で美智子さんたちを訪ね、その日はお寺で蚊帳をつって 泊めていただいたのだった。以後、「柳川の図書館を考える会」の要の人として、美智子さんの行動はめざましかっ た。心温かく明るくねばり強いふるまいで、福岡の図書館づくりを深く差さ手くださった。漆原宏さんが博多駅近く の記念会館図書室にひょっこりやって来られたのもその頃のことだった。それから随分時を経て、静岡?からのお2 人からの電話をいただいたのだった。漆原宏さん、千葉治さん、大澤正雄さん、伊藤峻さん、扇元久栄さん、その他 漆原宏さんから授かった出会いの一つについては他日に。

驚くばかりの ”ひょうたんランプ展〝 No.95

”どこにでもありそうな景色を描く女 ひとみ”さんの作品展 9月26日まで。 自宅から歩いて5分、龍国寺を訪ねたら、ほんとうにびっくりする展示が行われていた。 ひとみさんの絵を初めてみたのは1年前、龍国寺でだった。描かれている絵に驚いた。そこにある絵で ひとみさんが最初に描かれた絵は、私の家から坂道を降りて数分の所、小さな古墳の側の路から前方に 広がる田んぼと空、私が出かける時は必ずその路を通り、目にする、目にとびこんでくる光景が描かれ ていた。まさに”どこにでもある景色”が、私がはじめて目にする世界としてそこにあった。田んぼも わきたつような雲の様子も、ふだん見るともなく見ていた世界なのに、そこにあるのは目に映るものを 写真に写るように撮ったものではなく、田んぼの水面の光、雲間の光からは生きている世界、宇宙とい うか、いのちの世界がそこにあるように感じられ、なにか天と地から歌がきこえてくるかのようだった。 (あとから頭をよぎったのは随筆家岡部伊都子さんの”一刻一刻”というコトバだった。)ーーー さらに驚いたのは、その時、ひろみさんの絵は描き始めて1年ばかりのものだとお聞きしたことだ。1年 にして、このような絵が描かれるとは。ーーーーーー それから1年後、一枚一枚、一作一作、心を吸い込まれるような作品が展示された本堂の奥の一室に 明かりをけした暗い小さな部屋にそれはあった。ひとみさんが、一つひとつ形のちがうひょうたんに 描かれた作品が、一つひとつひょうたんの中の灯りを灯すごとに、一つひとつ絵と言うより、いのち というか、宇宙というか、コスモスやリンドウ、月下美人や月や星座が現れて来て、傍らで話してく ださるひとみさんのお話、言葉をきいていると、思わず宮澤賢治さんに見せてあげたいですね、との 言葉が口をついてでた。何とも天からの声が聴こえるような不思議なひとときだった。 部屋を出て、ひとみさんの言葉が記された柱の前に置かれた、私の手のひらにのせられる小さな小さ な作品、そこに広がるどこまでも広く深い世界と再び対面した。ーーーーーー 家に帰りつくと、副住職(若和尚と私は読んでいる)の甘蔗健仁さんから、このたびのお寺での展示 の懇切な案内がメールで届いていた。ーーーーーーーー  幻想的な「ひょうたんランプの世界」 ~カラヴィンカ龍石/どこにでもありそうな景色を描く女 ひとみ~ーーーーーーーーーーー 展示期間9月17日(土)~26日(月)9時~17時まで 会場・・・龍国寺(糸島市二丈波呂474)ーーーーーー 予約は必要ありません。23日∼25日はお彼岸で混雑が予想されます。乗り合わせをおねがいします。ーー (健仁さんのご説明)ーーーーー ①【カラヴィンカさんのひょうたんランプ】ーーーーーーー  石器時代から道具として活用し、人類最古の栽培植物とされる「ひょうたん」。タオイズムでは ”人間と自然”の調和の象徴とされています。この多忙な現代にひょうたんのある生活を提案しています。 〔そういえば、ひとみさんのお話をお聞きしているとき、カラヴィンカさん作のひょうたんステレオ?から 静かな音楽が流れ続けていた。〕ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ②【ひとみさんのひょうたん絵画】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ひとみさんの絵には展示会を観に行く度に驚かされますが、今回は世にも美しい『ひょうたん絵画』を展示 いただきます。ーーーーーーー「ひょうたん絵画は日々描いていくなかで学んだことや描くことを通して頂 いたご縁など色々奇跡が重なって生まれた作品です。」とひとみさんは話されます。ーーーーーーー 〈注意〉23日(金)秋分の日は檀家の方のお参りが大変多いと予想されますので、一般の方は午前中は 10時まで、午後は16時以降にご来場ください。どうぞよろしくお願いいたします。ーーーーーーー 必見です‼どうぞ、ひょうたんランプの世界へ

2022年9月15日木曜日

森崎和江さん 追悼展のお知らせ No.94

本年6月15日に、満95歳で逝去された森崎和江さんの追悼展「森崎和江さんからの贈りもの」 のご案内です。---------    森崎和江さんからの贈りもの  ー追悼展ー--------------------------------------------- 2022年6月15日、満95歳で逝去された森崎和江さん(1927ー2022) は、一人ひとりの読者に心深く刻まれるものを手渡されてきた方です。 森崎さんが歩んでこられた道から生まれ紡ぎだされた言葉、生き方から 読者一人ひとりがどんなに心凛とする、そして心温かくなるものを手渡さ れてきたかを思います。森崎さんから手渡されてきたもの、森崎さんから の贈りものを、あらためて静かに想う小さな場をと考えています。 ・森崎さんのご本と写真の展示と「森崎さんを語る」お話。------ ★展示 2022年9月1日(木)~10月31日(月) ポートレート:松崎佐奈恵さん 4点-------- ----------★お話 2022年10月12日(水)18時30分~20時頃-------------------------------------------------------- ---------- ★場所 龍国寺     〒819-1626 糸島市二丈波呂474     Tel 092-325-0585  Fax 325-0948     ryukokuji@jyno.ocn.ne.jp   (問合せ・・・才津原 Tel090-5045-2559)     メール:itokazedayori@gmail.com     ブログ「図書館の風」www.kazedayori.jp     (同No.91は、「森崎和江さん 悼詞」) 追記 1.9月10日、西南大学で行われた森崎和江さん追悼のイベントの会場で上野朱さんにお会いした。糸島、龍国寺での  森崎さんの追悼展のことをお伝えしたら、すぐにバッグから数枚の写真をとりだされた。そして松崎佐奈恵さんを紹  介してくださった。さっそくお寺の会場の一画に松崎さん撮影の写真を展示することができた。ーーーーー 2.上野朱さんからのもう一つの思いもよらない贈り物は、『アルテリ』14号(アルテリ編集室発行、橙書店内)を  いただいたことだった。最近の毎日新聞の土曜日の書評欄に新刊の14号に、「石牟礼道子資料保存会」【この会に  は友人で、かつては大牟田市立図書館の職員だった大原俊秀さんが参加して活動している。大原さんは、その  元で共に働いた小柳屯(たむろ)さん(1930―2021・福岡県内の当時の図書会員にとっては福岡県の図書館の活動の  歴史の体現者、実践者とでもいうべき人。大原さんは、小柳さんの『木造図書館の時代・「中小レポート」前後の ことを中心に』と『小柳屯 図書館関係レポート1956∼1995』(いずれも石風社、1999年)お発行に「図  書館問題研究開福岡支部出版委員会編の中心的役割、ほとんど大原さんが編者としての仕事をされたのではないかと  思っている。彼は退職後は三池資料の膨大の資料の整理、出版にも関わっている。】が整理して いる石牟礼さんの  遺品のなかに、森崎さんが石牟礼さんに宛てた書簡類が複数残っていて、ご遺族の了解を得て、2人の交流が伝わって  くる書簡の一部を掲載するというのだ。「風信子(ヒアシンス)文庫)から本の出前をしている前原にあるブックカ  フェ「ノドカフェ」では、熊本の橙書店から本の取り寄せをしていたので、そこから買おうと連絡したところ、現在は  取り扱っていないとのこと。『アルテリ』をおいてある書店は福岡市内でも限られているため、どうしようかと考えて  いたところだったので驚いてしまった。私がまだ14号を入手していないことを伝えると、上野さんは「自分はもう読み  ましたから」と、その大切な一冊をプレゼントしてくださったのだ。14号には森崎さんの書簡の他に「石牟礼道子さん  の日録」、「渡辺京二・日記抄」、渡辺さんと坂口恭平さんの「アルテリ対談」、池澤夏樹、田尻久子、町田康ほか、  目にしたい文章が目白押しで、何とも大切な一冊だと思われた。 3.後日、40年来の友人で写真家で、私が住む二丈のある公民館の写真教室の先生でもある吉住美昭さんから電話があり、  龍国寺での追悼展のご案内をしたら、昔たしか森崎さんの画集の撮影をしたことがあると言う。よくよくお聞きすると、  石風社から1986年(26年前だ!)に出版された『インドの風の中で』(スケッチ・文 ・森崎和江)だった。1977年  12月に、当時50歳の森崎さんが、インド仏蹟めぐりという観光旅行をされた時の短い旅の記録。帯には「インドへの  短い旅行のなかで描かれた22葉のスケッチとインドの風をつたえる」とある。発行者であり、多分、編者でもある  福元満治さんの文だと思われる。ーーーーーー  本書の末尾には「本書に収められたスケッチは全て原寸です。二点(かって栄えた都・ベナレス)を除き、彩色され  たスケッチはからーで、単色のものはモノクロで印刷しました。」とある。ーーー  電話口での吉住さんお言葉、「そう言えば、森崎さんから(写真を撮った)お礼の葉書を頂いていたなぁ、どこにい  ったか、すぐには見つからないけど。」(9月17日、記)