2022年7月31日日曜日

うれしい小さな報告 中学校のノー(NO)部活動デー  No.92

糸島市の人口は103,172人(2022年4月)で、市内に市立中学校は6校(分校1,小学校16校)あります。 福岡市の西側に隣接する糸島市は2010年1月1日、前原市(当時の人口69,200人)、二丈町(13,400人)、 志摩町(17,700人)の1市2町の合併により新市となりました。中学校は前原地区に3校、二丈地区に2校、 志摩地区に1校です。(志摩には「姫島分校」もあります)ーーーーーー 私が住んでいる所の中学校は二丈地区の二丈中学校(生徒数225人)ですが、その隣に糸島市図書館二丈 館(以下、二丈館という)があります。これは、合併の翌年、2011年10月1日に、旧二丈町、志摩町の庁 舎の一画を改築して、それぞれ二丈館、糸島市図書館志摩館(以下、志摩館という)として開館したも のです。そのオープンに向けて、志摩の「みんな図書館つくろう会」や「としょかんのたね・二丈」、 「二丈としょかん倶楽部」、「糸島の図書館考える市民の会」などで連携して2008年以来、行政への 要望、議会での質疑を行ってきました。ーーーーー つまり二丈中学校の隣に糸島市の図書館の分館である二丈館ができて12年になるのです。私は二丈館には 開館以来、週に1,2回は利用しています。ほとんどがリクエストした本を借りるためです。あらためて 思うと不思議なことなのですが、そうやって出かけた二丈館で、中学生を見かけることがほとんどなかっ たのです。ーーーー そうしたことに、疑問を抱いた保護者が現れました。驚いたのは、彼は糸島市の図書館の13歳から15歳の (中学生)利用者の小学校区別の人口、登録者数、実利用者数、貸出冊数の3年間にわたる資料を教育委 員会に請求して調べたのです。市内のどの小学校区には何人の中学生が住んでいて、そのうち図書館の 利用カードを作っているのは何人か(登録者数)、また、カードを作った人のうち、実際に本を借りた人 は何人か(実利用者数)、こうして小学校区ごとの「登録率」、実際に利用された「利用率」、さらに 「人口(生徒)1人あたりの(年間)貸出冊数」や「登録者1人あたりの貸出冊数」が明らかになりました。 PTAの役員もしていた彼がとりわけ驚いたのは、中学校のとなりに二丈館がある、二丈中学校の生徒の利用 の甚だしい低さでした。彼はこのことをPTA の人に話すとともに、校長先生と幾度かの話の場をもちました。 中学校では部活動が盛んで学校も積極的にとりくんでいます。そうして生徒の生活を考えてだと思いますが、 1週間に1日だけ部活動をしない日(ノー部活動デー)それをを市内の中学校全校で設けています。糸島市で それを月曜日としてきました。つまり図書館の休館日です。中学生たちが部活動がなく、いつもより早く 帰れる日は図書館は休館日でしまっているのです。ーーーーーー 校長先生との話し合いの結果、「ノー部活動デー」の日を月曜日から水曜日にかえることになりました。 また、部活のある日でも、生徒が事前に保護者に伝えておけば、学校帰りに図書館に立ち寄ることもできる こととなりました。 これはまだ、糸島市内では二丈中学校だけのこととなっていますが、それでもとても意味ある大切な変化では ないかと思います。一人の人の疑問から始まった小さな行動の積み重ねの力を思いました。ーーーーー 夏休み前でしたがこのことがきまって数日後、私が二丈館に出かけたとき、図書館の玄関前に10人近い制服姿 の中学生がいました。男子が2人だったか。思わず声をかけたのですが、10年以上、二丈館を利用してきて初 めて目にする光景でした。やっとというか、なんとかやってきてくれた中学生たちを手ぶらで帰さない図書館 側の取り組みを今やと待ち望む思いです。