ペルーから帰って間もない松浦さん |
アフリカから |
風信子文庫(出前) |
JR筑肥線、筑前深江駅から歩いて10分ちょっと。深江海水浴場入口すぐの2階だての古民家。松浦さんに初めてお会いしたのは、2014年4月から翌年の1月まで8回にわたって開かれた二丈(図書館)利用者懇談会の1回目の懇談会だっただろうか。
2010年(平成22)年1月に前原市、二丈町、志摩町の1市2町が合併して糸島市となり、それまで公立図書館がなかった二丈、志摩地区の旧庁舎(二丈は、3階建て建物の2階に図書館の開架室や事務室、3階の一角に2部屋の図書館会議室と子育て支援センター、1階は市民窓口等の支所;志摩は旧町役場を支所とし、その隣りにあった第二庁舎を志摩館。)を改装して、この地区ではじめての図書館が開館したのが、合併翌年の2011年(平成23年)10月のことだった。
その際、二丈、志摩の旧庁舎の1階に設けられていた支所を、市の方針で5年後には廃止し、支所廃止後に、支所があった1階に図書館を移転するということで、新しく開館した二丈館、志摩館はそれまでの暫定図書館と呼ばれた。”としょかんのたね・二丈”の会では、暫定図書館としてつくると、図書館にとって大切な書架や机、椅子などの図書館家具の制作や配置を含めて、暫定の図書館とすることで想定される問題を指摘して、2011年の最初の時から、1階に図書館と利用が多いと考えられる市民窓口を設置し、都市計画課や農業委員会等を2階に配置すれば、5年後に支所を廃止して都市計画課等を本庁に引きあげる際に、図書館は大部分を大きな変更なく移行できる旨、意見や要望をだしてきたが、
市の考えは変わらず、結果として私たちが危惧していた暫定図書館とすることの問題が現実のこととなってしまった。(二丈図書館には、小さな子どもたちの背丈にあった絵本の表紙をみせておく絵本架は置かれなかった、等々)
”暫定”図書館とは、何という言い方だろう。ともあれ、一旦、開館した2つの分館を5年後にどのような図書館にするかについての「利用者懇談会」が、先に述べた2014年(平成26)年4月から始まり、その会で松浦さんにお会いしたのだった。
市外から、糸島市に移り住んで間もないと思われた松浦さんは、改築移転後の二丈館について、とくに図書館が地域の人たちの集いと出会いの場となることを願われて、いくつもの提案をされていた。喫茶の場をというのもその一つだった。私も滋賀県東近江蒲生図書館でボランティアの人たちによって行われている週1回の縁側カフェのことなど紹介し、松浦さんたちが自分たちがボランティアでやるからとも発言されたが結果的に応えられることはなかった。
松浦さんは懇談会の途中から、”糸島くらしと図書館”の会を始められ、以後、”としょかんのたね”の会と、市や教育委員会に対して、要望書や公開質問状づくりやその提出で行動をともにしてきている。
深江海水浴場の築100年の古民家を私が最初に訪ねたのは何年前のことだったろうか。映画界の誘いだった。会場は古民家の2階、そのスペースも、階段も、壁の一部が落ちかけていたかに見えた箇所も、彼女が時間をかけて修復、改装したものだ。何回かの映画階があってしばらくして、月に1回のマルシェを始めるという。ついては、本の出前をということだった。こうして、風信子文庫からマルシェのある日、一日だけの出前が始まった。
手作りのパンやおかし、自然農の野菜や果物、はちみつや、時にはピザ窯をのせた移動の車、建物の中だけではなく、外の空間でもさまざまなお店や、小さなイベントが行われている。マルシェのある日、以外でも、地域の内外からおおくの人が行きかっている。
「人、もの、アート。あらゆる交流の場に活用できます。」とは松浦さんのことば。
前回は、”ミツバチの話”があった。
海まで30秒の ”うみかえる”へ ようこそ!