2020年1月25日土曜日

2020年、年の初めに 寒中お見舞い   No.39

寒中お見舞い申し上げます             2020年1月  
新しい年をどのようにお迎えでしょうか。           
昨年一年のことを振り返ろうとするには、124日の中村哲さん、そして
中村さんと行動を共にした5人のアフガニスタンの運転や警備の人たちの
訃報が今も眼前にあり言葉がありません。
その日の17時近く、天日干しをし足踏み脱穀機で脱穀した籾を半日かかっ
て唐みにかけおわり、やっと一段落したとスマホを目にすると、中村さん
がアフガニスタンで銃撃にあい負傷されたとの報、すぐに家に帰りテレビ
をつけると中村さんが命をおとされたとの画面に続き5人の方も。

程なく、中村さんと40年をこえる親交のあった鎌倉の長野ヒデ子さんから
電話。「かなしいね、かなしいね」、
彼女の全身を浸している悲しみが受話器から伝わってきて、黙して耳傾け
るばかり。それから時経るごとに各地で、中村さんと出会ってきた一人ひ
とりの悲しみがしんしんとそこここに降り積もっているように感じられる。

翌日の125日、テレビの画面にアフガニスタンの街の路上で、中村さんと、
5人の方を悼む人たちが、中村さんの遺影の前で、一本のろうそくを手にして
佇む姿が映しだされていた。悲しみにつつまれた一人ひとりが手にするろう
そくの灯りが黄色くゆらめいていた。闇夜にゆらめくともし火は、そこに佇む
一人ひとりの全身をつつむ悲しみの灯のように感じられたが、同時に中村さん
に直接、あるいは著書を通して出会ってきた一人一人に、希望という勇気を点
じられた中村さんのいのちの燈火であるようにも思われた。

いま、いるところで、その人ができることを実践していくこと、そのように一人
ひとりを励ましてやまない中村さんが今日これからの私のなかに、そして一人
ひとりの心に生き続け、その足元を照らし続けられることを思う。 



昨年、深い元気を手渡された3つのこと。 
1.“上野英信と『眉屋私記』(上野英信三十三回忌記念事業実行委員会)”
沖縄県名護博物館。(上野朱さんより恵送):深い信頼から育まれるもの、
その濃密な内容のパンフレットに感銘。三十三回忌記念展示会のことは、
中村哲さんの悲報を報じる125日の琉球新報紙面で知らされた。
2.よく考え、よく生きるとはどういうことかを指し示す、待望久しかった
『生きるための図書館 ――一人ひとりのために』竹内悊(岩波新書)の出版 
3.一読して初めて幾人かに贈りたくなった『古くてあたらしい仕事』島田潤一郎
(新潮社)の2冊の本との出会い。
   
朝日新聞の山口宏子記者による長野ヒデ子さんからの聞き取り記事webronza.asahi.com2019.127「アフガンに寄り添った中村医師の素顔」
2004年、旧能登川町で開催した、中村さんと井上ひさしさんの対談を核とした宮澤
賢治学会地方セミナーにも言及。その後さらに「中村哲さんの言葉」を3回連載。