2021年2月28日日曜日

犬も歩けば(8)ノドカフェからの贈りもの No.63

2月のはじめ、自宅から車で15分、JR筑肥線筑前前原駅からは徒歩7分の所にある、 ブックカフェ「ノドカフェ」に本の出前に行った。
本を並べ終わったあと、お茶をいただきながら、この日もとても面白そうな本を坂本さんから教わった。 以前も、まったく知らなかったブレイディみかこさんのことを聞き、どの本も読むごとに、私にとっては 大切な書き手、著者に出会えたことに、うれしい思いを重ねている。『ぼくはイエローでホワイト』から 読み始め、今は『女たちのテロル』を驚きながら読み進めている。金子文子、エミリー・デイヴィソン、 とマーガレット・スキ二ダーが章の交互に書かれている。金子文子の名前を知ったのは鶴見俊輔『ひとは 生まれる』(ちくま少年図書館 1986)によってで、この本の出版直後に読み、以後、金子文子や朴烈に 関わる本に注意してきた。エミリーもマーガレットもこの本で初めて知ったのだが、このような人とその 生涯があったことに驚くばかり。ブレイディみかこさんは、どのようにして、その足跡をたどったのかに も関心が向くほど、心打つ二人の歩みが記されている。その手掛かりになるかと思い、「アイルランド独 立運動の中心人物の一人であるマルキエビッチ伯爵夫人と同じくらいマーガレットに強い印象を与えた人 物、ジェームズ・コノリー(アイルランド市民軍のリーダー)」について「なぜジェイムズ―・コノリー は蜂起したのか――幸徳秋水、大杉栄と対比して」(鈴木良平『法政大学教養部紀要』91号)を、何と か読みたいと思い、法政大学図書館に連絡し、同大学の機関リポジトリで見られるところまで、たどり ついたところだ。 こんど新しく教えていただいた著者は繁延あづささん。その『山と獣と肉と皮』がとても面白かったとい う坂本さんは、実際に繁延さんのお話を聞いてみたいという。そのように感じ、考えて、実際にその場を つくっていくことを考える。そのような動き、とてもいいなと思う。 繁延あづさんは写真家。。兵庫姫路市生まれ。2011年に東京・中野市から長崎市に引越し。夫、3人の子 どもとと暮らす。雑誌や広告で活躍するかたわら、ライフワークである出産や狩猟に関わる撮影や原稿 執筆にとりくんでいる。 主な著書に『うまれるものがたり』『長崎と天草の教会を旅して』(共にマイナビ出版)など。「母に友」 および「Kodomoe]で連載中。 後日、坂本さんから、ノドカフェでの繁延さんのお話会が決まったと連絡をいただく。 その案内文です。  【かわいそうとおいしそうの境界~「大と獣と肉と皮」繁延あづささんお話会」 近所に住む猟師のおじさんに興味を持ったことから引き込まれる世界。山、狩猟、 猪肉料理、命の循環がが、一緒に体験しているかのように身近に感じられる本です。 向き合う死の「かなしみ」を「うれしい」にまで昇華させる料理。犬を放つ猟では、猟犬も猟犬に「なって いく」過程にハッとしました。地球環境や動物愛護の面で培養肉も開発されていますが、これからの食べ物 が命ある生き物である必要性は?命でなければ有難みは無くなるのか?という事が気になって、皆さんと話 をしたいと思っています。 日時:3月7日(日)13:00~15:00 場所:ノドカフェ 定員:12名ほど    参加費:2000円(ドリンク付き) ご予約はメッセージくださいませ 繁延あづささんプロフィール     上記の紹介文とほぼ同じため省略。 なお、すでに予約でいっぱいとなり新たな申し込みはできません。
2月下旬、注文していた『山と獣と肉と皮』をとりに、ノドカフェを訪ねると、繁延さんの本や関連する本が たくさんおいてあって、すっかり長居をしてしまった。至福の時間を授かった。