2018年11月9日金曜日

No.10 図書館砂漠のまち・福岡市を 図書館のあるまちに 福岡市長選挙で公開質問状 

糸島市が隣接する福岡市では11月18日に市長選挙が行われます。福岡市の市民のグループ«「図書館を楽しむ」市民ネットワーク・福岡»では、11月2日に市長選挙の立候補者お2人に福岡市の図書館について公開質問状をだされました。

公開質問状のデータはここをクリックしてください。

資料1 政令指定都市、貸出密度(市民1人当たり貸出点数)順位表 2016(平成28)年度
 資料2 福岡県内公立図書館貸出順位表(人口1人当たり) 2016(平成28)年度
  資料3 福岡市立図書館と北九州市立図書館との比較 
      2006(平成18)年~2016(平成28)年

福岡市の図書館のあり方、また市(市長・行政)が市民の会に対してどのように対されるかは、糸島市ですべての市民が利用できる図書館のあり方を考え、求めている糸島市民にとっても深い関わりがあります。その内容と動向を広く伝えあっていきたいと考えています。質問状への回答(13日までに)の内容が分かり次第、お知らせします。

公開質問状は次のように書きだされています。

 図書館砂漠のまち・福岡市を 市民の身近に図書館のあるまちに
 住みよいまち、住み続けたいまち・市民が誇りとするまちには、市民の暮らしの中に、
市民の日々の暮らしの生活圏に、市民の身近に図書館が必要です。」

また、«「図書館を楽しむ」市民ネットワーク・福岡»については、〈私たちは福岡市の図書館が、市民が「いつでも」「どこでも」(市内のどこに住んでいても)「だれでも」「なんでも」(市民が求める資料や情報はなんでも)利用できる図書館、とりわけ図書館が市民の身近にあることを願って活動している市民の会です。〉と述べています。

さらに、福岡市の図書館の利用度(「貸出密度」:市民1人当たり貸出点数2.8:資料1による)が政令指定都市20市中、最下位の20位(第1位はさいたま市8.0:資料1による)、福岡県内52館中49位と30年以上にわたって極めて低い状態であることを指摘した上で、

福岡市の図書館の利用度がこのように極めて低いのは、福岡市民の読書に対する関心が低いからではありません。人口150万人を超える大きな市に図書館が11館しかなく、移動図書館もないことが、その主たる要因であることは、図書館政策をもち、分館の適切な配置や移動図書館による全域サービス網をつくり、図書館費を自治体普通会計予算の1%以上を毎年計上し、司書資格をもつけいけんある館長のもと、人口規模にふさわしい専門職員(司書)数を配置して活動している各地の図書館「での」か?)実践が明らかにしているところです。」

公開質問状の末尾では、

 「図書館は市民が実際に利用できてこそ、地域に図書館があるといえます。現在の図書館の在りようは、多くの市民にとって市民の身近に図書館がない、図書館砂漠としか言えないものだと私たちは考えています。この度の市長選挙が、福岡市の図書館の現況を正しく把握し、図書館砂漠のまち・福岡市を市民の身近に図書館がある、市民が誇りとする図書館のあるまちに向けての新たな一歩、契機となることを心から願っています。」

同会のチラシより

図書館砂漠のまち・福岡市を図書館のあるまちに

 住みよいまち、住み続けたいまち、市民が誇りとするまちには、 市民の暮らしの中に、

市民の日々の暮らしの生活圏に、市民の身近に図書館が必要です

福岡市は図書館砂漠・・・市民の身近に図書館がない

・市民1人当たり1年間の貸出冊数(貸出密度)2.8冊 (平成28年度)
 政令指定都市20市の中で最下位(第1位 さいたま市8.0冊),   福岡県内52館の中で49位(県内第1位 水巻町13.7冊)30年をこえて極めて利用度が低い状態が続いています。
※人口30万人以上で望ましい目標値8.9 冊(日本図書館協会)

市民の生活圏(中学校区に1館)に図書館を

日本図書館協会が作成した『豊かな文字・活字文化の享受塗環境整備─図書館からの政策提言』〈2006(平成18)年、2012(平成22〉年〉では、

「1.市町村の図書館は、おおむね中学校区を単位とした住民の生活圏域に整備すること

市町村の図書館は、住民が日常利用する生活利便施設【市民の生活の基本施設・・・会による注記】です。こどもや高齢者、障害者にとって身近で安心して利用できることが必要です。すべての住民が利用できる身近な図書館とするために、中学校区を生活圏域として考え、それを設置することを求ます。(略)日本の図書館サービス拠点は諸外国に比べて大変少なく、図書館を増やすことは最も重要な政策課題です。中学校区に1館設置されると、人口当たりではG7の平均に、やっと到達することになります。」

2.地域の図書館は800㎡以上の施設面積でつくり、5万冊以上の蔵書をもち、3人
 以上の専任職員を配置すること。」 と述べています。

福岡市の中学校区設置率は、(図書館数11÷市立中学校数69校=)16%です。政令指定都市中、貸出密度第1位のさいたま市は44%。福岡県内52館の中で、第1位の苅田町立図書館は200%、かつ移動図書館を運行)
 
・利用者にとって図書館の魅力は、新鮮で多様な蔵書
・リクエストしたら「150人待ち」と言われたことも!!
・「利用者を手ぶらで帰さないためには、資料費(図書費)の確保が肝心要

福岡市、人口当たり資料費71円。政令指定都市中19位、第1位は札幌市248円、さいたま市は180円。福岡県内の平均 175円 (東京都の図書館の平均 314円)福岡県内の図書館 第1位 みやこ町740

人口段階別の人口当たりの指標となる金額は

・8万人~10万人⇒321円、10万人~15万人⇒352円、15万人~20万人 ⇒424円、20万人~30万人⇒393円、30万人~ ⇒193円(『図書館雑誌』日本図書館協会2018年5月号、「貸出密度上位の公立図書館の整備状況・2017」について)人口段階別に、貸出密度上位10%の平均値を指標としている。

特別区(東京23区)、政令指定都市については、各区、政令指定年の間で、人口規模に大きな違いがあるため、平均価は算出されていない。このため、特別区、政令指定都市については、人口30万人以上の193円を指標として考える。
  

  職員の体制の整備が最大の課題 

「人口150万の市の図書館で正規(専任)職員32人のうち、司書(専門職員)が4人 って、ほんとうですか?」と、一体、どれだけ、県内だけでなく県外の市民(住民)や図書館関係者から、驚き呆れられた、いや、驚き呆れられていることでしょう。   

     専任職員32人、②うち司書4、③非常勤・臨時職員118、④派遣職員60

北九州市との比較 (2007・平成19年~2016・平成28年)
・北九州市立図書館 専任職員20人(うち司書2)⇒37人(うち司書22)
・福岡市立図書館  専任職員43人(うち司書12)⇒32人(うち司書4)
※平成30年度は、司書1人減の3人に。(図書サービス課1,文学・文書課2)

 ② 2007年(平成19年)から2018年(平成30年)の12年間で、福岡市総合図書館の館長は9人と短い期間で変わっている。なお、同期間で副館長(事業管理部長事務代理)は6人で、31人、11人、23人、2年目1人と、2年の任期が多い。いずれも短期間の任期である。

福岡市において40年間にわたって、全域サービス網の図書館計画が作られてこなかった最大の要因は、計画をつくる当事者、その責務を担う専門職員の体制がつくられてこなかったことにあると考えます。

「すべての市民への図書館サービスを考え、それを具体化、政策化することに力をつくす館長、専門職員の不在が、図書館砂漠のまち・福岡市をもたらしている」と考えられます。

すべての福岡市民が利用できる、図書館政策策定の早急な取り組みを!そのための職員の体制づくりを。

「図書館を楽しむ」市民ネットワーク・福岡 
     

2018年10月27日土曜日

No.9 ぶっくんのおかげで どれだけひとに出会えたか 本と出会ったか 

あなたは移動図書館を見たことはありますか。あるいは利用したことがありますか。移動図書館が市民の身近に、暮らしの中にあるとはどういうことなのか。一人の大学生が伊万里市民図書館の移動図書館(ぶっくん)をテーマに書き上げた卒業論文から、移動図書館の働きがくっきりと浮かびあがってきます。

 
 卒業論文を書いたのは九州大学教育学部の大賀菜々美さん。糸島市図書館サービス基本計画検討委員会の委員をされた九州大学の岡幸恵先生のもとで作成。論文のテーマは『生涯学習の拠点としての移動図書館の役割 ─ 伊万里市民図書館の移動図書館を事例として  ─ 』(平成29年度)で、論文はファイルに整理されていて伊万里学コーナーにあり、図書館で借りることができる。
 伊万里市民図書館 としょかん通信 平成30年初夏号(第203号) 1P



伊万里市民図書館の移動図書館は、伊万里市民図書館の開館(1995年、平成7年7月7日)の4年前の、1991(平成3)年6月、まだ「本館建設の目途が立っていない段階で」運行をスタートしている。市民待望の図書館がオープンする4年前に伊万里のまちなかを移動図書館が走り始めていることに、どんなに図書館を求める市民の粘り強い運動があったかがうかがわれる。(『図書館づくり運動実践記』第3章「協働」の図書館づくり、盛泰子、緑風出版、1997)「ぶっくん」は移動図書館の名前で、広く市民に公募され、二児をもつお母さんが提案されたものだ。

2年後の1993(平成5)年4月には、「ぶっくん2号」が運行を開始、現在はそれぞれ更新された「ぶっくん1号」(2010年、4トントラック改造)、「ぶっくん2号」(2017年、3.5トントラック改造)の2台で72のステーションを巡回し(学校の統廃合、小中一貫校1校の開始などにより平成30年の新年度より69ステーションとなる)、図書館全体の4分の1の貸出を行っている。

ちなみに、1954(昭和29)年の2町7村の対等合併で伊万里市となっているが、市の面積は255.25k㎡(林野と主要な湖沼面積を差し引いた可住地面積は114.91k㎡、人口密度481人/k㎡、 糸島市の面積215.7k㎡、可住地面積117.4k㎡、821人/k㎡)で広い市域を有している。人口5万6千人程の市で2台の移動図書館を27年間にわたって走らせている自治体は全国でも稀だ。

【日本図書館協会の『豊かな文字・活字文化の享受と環境整備 ─ 図書館からの政策提言』(2006年、2012年改正)では、「公立図書館の整備」の1で「市町村の図書館は、おおむね中学校区を単位とした住民の生活圏に整備すること。」と述べて、「すべての住民が利用できる身近な図書館とするために、中学校区(1校当たり平均可住地面積約8k㎡)を生活圏域として考え、それを目標に設置することを求め」ている。また、その2で、「地域の図書館は800㎡以上の施設面積で作り、5万冊以上の蔵書をもち、3人以上の専任職員を配置すること。」としている。】


 卒論の課題の設定の仕方や論の進め方からは学ぶことが多くあったが、とりわけ目を引かれたのは、「ぶっくん」を利用する利用者へのインタビューだ。大賀さんは2017年の3月に4日間、12月に3日間、「ぶっくん」1号と2号に乗って、各ステーションで利用の様子を見ると共に、利用者へのインタビューを行っている。また、次のインタビューは、「ぶっくん」に乗って巡回を終えて図書館に帰ってきた時に、図書館にきてくださった「ぶっくん」の常連さんからのお話だ。ブックん担当のお2人の司書が同席。

Kさん(60代)
 平成3年に1号が走り始めたときからですもんね。
今ファミマになっとるけど昔Aコープやったところに来とったんよ。あいとってからね。
びっくりしたあ、これ何 ?! 借りていいとですか?!って。
ぶっくんのおかげで どれだけ人に出会えたか。本と出会ったか。

旅行に行ったときにツアーコンダクターに、そんな本も読んできたとですかって言われたもんね。星野道夫さんの本とか。気持ちはもうアラスカよ。

みなさんのおかげで今の私がある。
福岡の人と話ししてね、ぶっくんのことを話したら弱者にこそそれよってね。
うらやましい。あなた恵まれとるー

リクエストすると、こんなイメージの本っていったらすーぐ返ってくる。
知らない世界も教えてもらえる。

人との出会いもある。
童話作家の方、いけのようこさん、版画の人なんだけど、その人ともつながりましたよ。
ぶっくんで持ってきてって言ったら、買えませんって言われて、北海道の剣淵町の絵本の館ってところに電話してね。

母もときどき私が借りてきたやつを広げてみるけど、これはこうよね、あれはああよねって違う世界が広がる。ぶっくんさまさまよ。

子どもは地図を見よって(見ていて)、これはカナダ、イギリスって覚えてね。ズボンが破れたときに、母がカナダで買ってきたワッペンをつけてやったんよ。そしたら、今日はカナダば履くけんって。(笑)
地球儀に興味をもって買ってやったら、「世界に行きたい」って言いだしてね。世界に行ってなんするとって聞いたら、オオクワガタとりに行きたいって。(笑)
それからやぶれてなくてもいろんなところにつけて・・・スイスのバッジもあったな。

ぶっくんでは、人とつながっていく。
人を思いながら選ぶんだろうね。

有田の400枚の絵があって、猫の本なんだけど、友達にたっくさん買いましたよ。
あとはおめでとうハッピハッピデイってやつも10冊買いました。CDの薄いやつが本に入ってて、、、絵本になってたら30歳50歳になったとき、生きててよかったって思うのよ。

昨日も電話してシリーズの名前言っただけで、ああ、あの作家の本ですねって。よく勉強してあるからね。どうしようかーこんな感じーというだけで、あの人のこれですね、って。すぐ子どもにも見せてあげられる。

孫は今は『わにまに』と『きつねになったら』にはまってね。てんとうむしがおるねー
これはなんとかやねーって言うんですよ。
公園に行くときも本をもっていくんですよ。かまきりの横に本開いて、ほらここに目がある! ほんとやん! って。まわりの親子からなんしよんやろって見られるけど、それが話すきっかけにもなるしね。
だんだん好きになるんですよ、本も。読んだからといってぼけないわけじゃないんやけど。

看護師さんに、図書館の本よーと言ったら、えーこんな本 ?!って。
リハビリの先生も旅行の本を読んでたら、新婚旅行で行ったんですーって。
本を介して人と出会える。
ぱらーっと広げて笑顔になれるのがいいよね。病院にいるときなんか。
こんなとこ行きたいーって。友達になれる近道よね、本と出会うことは。
本を持ってきてもらうことで、その橋渡しをしてもらってる。

(同席して、大賀さんと一緒にAさんの話を聞いていた、ぶっくん担当の職員の重田さん)
「いつもは(巡回の時)こんな話聞かないから新鮮です。いつもは、本の話とか、ヤギの話とか」

そうそう。今 ヤギを飼いたくなってるのよ。ヤギを見に、写真を撮りに行ったわ。
繰り返し繰り返し出会うことで自分が成長できる。
見て広げて本を見ることで親子も変化する。成長できるわね。感想言ってみたり、私も読んでみるけんとか。

「親子4代でご利用いただいてますもんね(重田さん)」

旅の話もする。こういうの行きたいとか。どうなると思う?って。モンゴルの上飛んだらどうなる?って。   (略)

子どもの本、ぐさっとくるね。『きつねのおきゃくさま』とか。この人(作家)は、どんな気持ちで書いているんだろうって。

うちんちは、子どもに4冊本を読み聞かせして、歌うたって、毎日ももたろうのお話をする。あるところにおじいさんとおばあさんが、、、というと、こどもがおばあさんが川へ洗濯に・・・って子どもが先ば言う。前にきつねの話を読んでも、ももたろうにすんなり入っていく。ギャップも受け入れられる。どんな風に話したらいいんだろう。
どちらも「正義」だけど、全然違うタイプ、なぜ子供はあんなにすんなり入っていけるんだろう。

最近の童話は難しい。大人でもぐっとくる。けれど、押しつけがましくはない。
図書館との出会いがあったからこそ、出会えた。新聞にこういうのがあるよって書いてあるのを読んでも読まないもの。
こたえてくださるから、とにかく読んでみる。 (略)

ちょっと読んでみたいなと思ったら、気に入ったところを読むだけでもいい。図書館がないと知らないことがある。

実際行った国もありますよ。帰ってきてやっぱりいいなあって。ぶっくんがないと、これはできない。本当に感動が全然違う。
スイスも行ってね。スイスの本また買いました。15冊ぐらい。母なんかは絵を描くんですけど、それを見て絵を描く。ずいぶん本を買いました。100倍ぐらい楽しい。せっかく行ったんだから楽しまなきゃね。

知らないジャンルも本から入る。歌だったらちょっと歌ってみようかなって。主人にも本を借りていきます。持ってきてくださったりもする。あの作家さんはどんな人なのかな、話題になる人は、って思ったらすぐ言って・・・助けてもらっている。私は見るだけ。一番多かったときには54冊。2箱やったね。  (略)

━ 版画作家さんと出会った後、今はどんな付き合いをされているんですか?

(略)1年に1回ぐらい会いますね。「いけのようこ」さんという方で。『だいすきセレスティア』って本は牛の絵なんだけどアップリケを作ってそれが絵本になってるのね。剣淵町の絵本の館に連絡して、その作家さんとつながったんです。廃版になってて、ない。図書館では買えないと言われてね。本がほしいんですけどって言ったら、直接電話をくれて、とっても嬉しかった。
 「本で知って、その先があるんですね」(重田さん)
テレビより早いですからね。

星野道夫さんの本を読んでてジェーンさんだったかな、がでてきてね。ああ、心のつながりのある人がいるんだなと思ってね。ジェーン・グレイドだったかな。それで、ジェーン・グレイドの本がないかと言ったら、その本を佐賀県立図書館から取り寄せてもらったことがある。めったに見ることが出来ない本で。ちょっと言ってみただけなのに、ここまでしてもらって申し訳ないなあって。

「そんな人がいるんですか?って私たちも教えてもらってる。書名は図書館で買う時に見とるはずやけど、全部覚えとるわけじゃない」(大崎さん)

━ 職員からのサポート、一番最初にしてもらったことで覚えていることはありますか。

やっぱり星野道夫さんかな。最初に私がこういう人の本あるー?と言った人そのものじゃなかった。でも違うけど?!って思いつつ、開いてみたら広がったあー!
ぴったり私にくる。

昔は5冊しか借りれんやったから、子どもに読む紙芝居借りたらそれだけやったけど。
【現在は貸出冊数に制限はなく、2週間の期間、何冊でも借りれる】
最初見たときの衝撃よね。何これ?借りてもいいの?って。いまりの幼稚園バスを降りたときやったね。幼稚園バスとおんなじ黄色やね。一度間に合わなくて、ながやま(次のステーション)まで追いかけたことがあって・・・待ってる人がいっぱいいるのねー

━ 他の人にぶっくんを勧めたりしますか。

します。します。ぶっくんで借りたらいいやんって。もったいない。周りに伊万里まで行く人があんまりおらんのやけどね。
みんなで見たいと思ったら、これよかごとあるね。これ買うてみようかね、となりますよね。孫は3歳と6歳と2年と4年生。2年と4年生はもううちにあんまり来んくなったけどずいぶん読みましたねー。
きっかけを作ってくださると助けてもらうとすごい楽。

Aさんご夫妻、Aさんのお母さん、Aさんの子ども、そして4人のお孫さん、まさに親子四代、27年間にわたってのぶっくんとの深い深い関わり、一人の人、一つの家族のこのようなぶっくんとの深い関わりの背後に、ぶっくんを日々の暮らしの中で無くてはならないものとして利用する数しれぬ利用者のあることがうかがわれる。また本と人、人と人との出会いをもたらし、本を介して人々の日々を明るいものとするため、力をつくす職員の姿が
Aさんのお話の中から、何度もなんども立ち現れてくる。

この項、続く。 (卒業論文からの引用は大賀さんのお許しを頂いています。)
























2018年9月12日水曜日

No.8「糸島市立図書館のこれからについての提言」の添付資料についての説明 

添付資料について(説明)
6月8日、糸島市長 月形祐二氏に糸島市の図書館を考える市民の会から提出した『糸島市の図書館のこれからについての提言』には、次の9点の資料を添付しています。
以下は添付資料について説明したものです。
  (いとしま としょかんしんぶん 第1号  を手元においてご覧ください。)

添付資料【1】『糸島市立図書館サービス基本計画』 糸島市教育委員会 2013年(平成25)11月 の「第4章糸島市立図書館のサービス基本計画(以下『サービス基本計画』という)の5.数値目標」の項(10p)を添付。

1.平成25年11月に『サービス基本計画』が策定されるまでの経緯》

「いい図書館」は天から降ってこない。
「本物の図書館」を求め続ける、市民の一つ一つの活動の積み重ねから

2010年(平成22年)1月1日 前原市、志摩町、二丈町の1市2町の合併により糸島市
 糸島市となって、初めての市長選挙(同年2月14日)の時に、2人の立候補者に糸島市
 の図書館を考える市民の会(糸島市に本当の図書館を作る会「ぶっく・くらぶ、志摩読
 書くらぶ・引津おはなし かたつむりの会、二丈としょかん倶楽部)で「糸島市のこれ
 からの図書館について」公開質問状を提出。(8問)

1.糸島市のこれからの図書館について、どのような構想をもつか(図書館についての基
 本的な考え方)、高齢者や図書館利用にハンディキャップのある人へのサービスについ
 て。

2.これまで糸島地区で唯一の図書館であった旧前原市の図書館の運営や活動について、
 どのように考えるか。

3.市民の「だれもが」「どこに」住んでいても利用できる基本構想を市民や有識者参加
 のもとに作り、市民に明らかにすること、そのための市民参加の委員会の早急な設置に
 ついて。

4.二丈図書館開設に向けて準備室を設置し、担当職員を配置し準備に取り組むこといつ
 いて。

5.志摩地区についても図書館が必要、そのことを糸島市の図書館計画に位置づけること
 について。
  (当初、合併協議会の議決では、志摩地区には図書館ではなく、志摩庁舎を「事務ス
 ペースを除き、芸術文化活動支援施設、起業家支援(インキュベート)施設」とするこ
 とが決定されていた。)

6.移動図書館サービスの拡充について(まず、正規職員を配置して、図書館から遠い幼
 稚園、保育園、小・中学校や高齢者施設、要望のある地域への巡回について)

7.職員体制について。新市の人口規模に相応しい正規の専門職員(司書)の配置につい
 て。

8.学校図書館の充実について。
・学校図書館振興基本構想、基本計画の策定
・現在の学校図書館職員(臨時職員)の半日勤務を全日勤務(嘱託)に
図書の整備、『学校図書館図書整備5カ年計画』による、図書費の予算化、さらにその
 上積みについて

問3に対する、当選した松本峯男市長の回答
「糸島市として、最終的にどこまでの図書館サービスを行っていくのかを定める図書館基本構想(基本計画)の策定については、貴会のご指摘のとおり、有識者、市民代表を含めた委員会を立ち上げて、検討に入るべきだと考えます。

ただ、基本構想(計画)ができるまで、旧二丈地域、旧志摩地域には図書館サービスを行わないという訳にはいきませんので、分庁舎(二丈庁舎、志摩庁舎)のスペを活用した暫定的な図書館サービスは行う必要があると思っています。」

新市になってからの第1回目の糸島市議会(平成22年3月)で、波多江議員の質問は糸島市図書館構想(基本計画)策定委員会【以下、「策定委員会」と言う】の立ち上げ時期について質問したのを皮切りに、以後、同年6月、9月、平成23年の9月議会で度々、「策定委員会」の設置時期について、また、委員会の委員の構成、市民の公募や専門家の有無について質疑をかわしています。

平成24年1月にようやく『糸島市立図書館サービス基本計画検討委員会』(以下『基本計画検討委員会』という)が設置されたあとも、同年6月、平成25年9月議会で、『基本計画検討委員会』での検討内容等を質問している。また、同委員会の最後の委員会を傍聴し、委員会での討議を聞いた上での質問でタイムリーな質疑も行われました。

こうした経過を経て策定された 『サービス基本計画』(平成25年11月)でした。
 ようやく策定された『サービス基本計画』の第4章に次のように述べている。

《 第4章糸島市立図書館のサービス基本計画   
               
5.数値目標                                  10頁
 図書館法では、「文部科学大臣は、図書館の健全な発達を図るために、図書館の設置及
 び運営上望ましい基準を定め、これを公表する(第7条の2)」と定めらており、平成
 13年に基準が公表されています。(平成13年7月18日:文部省告示132号)

これによりますと、図書館運営の基本は「住民のために資料や情報等直接的な援助を行う
機関として、住民の需要を把握するように努めるとともに、地域の実情に即した運営に努める」とされており、資料の収集・提供を始めとして、あらゆるサービスの内容や施設・設備についての努力目標等が示されています。

また、同基準の告示前にあたる平成12年度報告では、人口段階別における「指標例」が
図書館協会によって研究されていますが、10万人規模の市町村においては、蔵書数約
398,000、床面積4,300㎡程度とされています。
このため糸島市では『公立図書館の設置及び運営上望ましい基準』に近づけるよう努力します。(表-3)》

 と記載されています。

添付資料①では上記の文章と『サービス基本計画』の本文のあとに「参考資料表-3」として掲載されている「公立図書館の設置及び望ましい基準(報告)による目標値」の表を掲載している。

同表では、人口段階別に、「延床面積」「蔵書冊数」「開架冊数」「年間購入雑誌点数」
「視聴覚資料点数」「年間資料費」「人口1人概算(円)」「人口1人年間貸出点数」「職員数(有資格者数)」と9つの指標と数値目標が記載されている。

この内、現在、糸島市立図書館が指標としてあげているのは「蔵書冊数」と「貸出点数」の2つのみ。しかも糸島市立図書館の「人口1人年間貸出点数」の目標値は5.6(平成29年度)で、「目標値」に示された算出方法の10.9の51%と極めて低い設定になっています。

その算出方法は、人口同規模の図書館のうち、「資料貸出」点数の多い上位10%の図書館の平均数値(糸島市立図書館は10.9)を算出するものです。
(全国の公立図書館の利用度があまりにも低いからです。)

先に記したように、「糸島市では『公立図書館の設置及び運営上望ましい基準』に近づけるよう努力します。」としていますが、「蔵書冊数」と「貸出冊数」のみという「指標」の選び方、また「人口当たり年間貸出点数」で換算すると、「数値目標値」の半分程度の「貸出点数」の設定で(「蔵書冊数」は42%の設定)、どこに『望ましい基準』の考え方を取り入れているのか、どこに『望ましい基準』に近づける努力をしているのか、いささかも見ることがことが出来ません。

それでは、「目標値例」で示されている、「指標」と「目標値」で「糸島市立図書館」を見るとどうなるか。

添付資料【2】「図書館サービスの望ましい指標と糸島市立図書館の比較」

(2015年/平成27年度)糸島市と人口同規模の滋賀県東近江市立図書館も記載)
 
・「図書館法」で「『望ましい基準』を定め、公表する」としたのは、すべての図書館が
 一定水準以上のサービスをするために、「基準」を示すということです。そのために適
 切な「指標」(例えば「専任職員数」)を定め、「数値目標」(人口10万人~15万人の
 糸島市の場合は、実際は4人、「数値目標」は17.5人で達成率23%、東近江市立図書館
 24人、達成率137%)を定めるということが、一番のポイント(要点)です。

・上記「比較表」では、「2.図書館数」~「24.人口当たり資料費」の23の「指標」と
「目標値」に、さらに「中学校区設置率」(公立中学校数と図書館数を1対1を100%と
 として算出、「中学校区に1館の図書館が必要」)を加えています。

【参照】『いとしま としょかんしんぶん』第1号(4p)に掲載しています。
いとしま としょかんしんぶん 第1号 

同表より糸島市と人口同規模の滋賀県東近江市立図書館の比較(平成28年度・抜粋)
                          
        糸島市立図書館(A)  東近江市立図書館(B) A/B
専任職員数          4人         24人   17%
資料費       1,678万5千円     5,580万9千円   30
人口当たり資料費      168円        481円   33

蔵書数           27万冊      96万5千冊   28
年間購入冊数       8,511冊      27,558冊      31
雑誌購入タイトル数     146          794   18

図書館数           3館          7館  43
延べ面積         3,469㎡       10,141㎡    34
自動車図書館台数       0           2台

貸出点数        57万6千点        98万1千点  59
人口当たり貸出点数     5.8点          8.5点   68           
予約件数         13,500件       82,200件   16

※市長選挙の時は、平成27年度の数値しか公表されていなかったため、市長選立候補者への添付資料では、27年度の数値を掲載。その後、市議会議員への資料では、28年度の
数値を掲載。

(比較表の下に、以下のものを記載)

『豊かな文字・活字文化の享受と環境整備 図書館からの政策提言』(日本図書館協会
 2006年 2012年改正)より、一部抜粋。 (図書館を考える際の、『望ましい基準』
 の他の、もう一つのものさし)

「5.公立図書館の整備

1.市町村の図書館は、おおむね中学校区を単位とした住民の生活圏域に整備すること

2.地域の図書館は800㎡以上の施設面積でつくり、5万冊以上の蔵書をもち、3人以上の
 専任職員を配置する。

3.市町村立図書館の運営経費(人件費を含む図書館年間経費)は、市町村の普通会計歳
 出総額の1%以上を措置し、資料費はその20%(普通会計歳出総額の0.2%)を充て
 ること。
  
(4.地方交付税の積算内容を、図書館サービスの進展に即して改善すること。)
 第4の項目については、添付資料には記載をしていません。

  5.公立図書館に専任の司書を配置すること。 (全職員の7割が非正規職員
司書資格をもつ職員のいない図書館・・36%) (司書資格をもつ職員が1人しかいな
 い図書館・・・24%) (司書率 5割程度) 
 ※(  )は添付資料では記載していない。

6.公立図書館に司書資格を備えた専任の図書館長を配置すること。
(『望ましい基準』では、図書館長には、「図書館の管理運営に必要な知識・経験を有
 し、図書館の役割及び任務を自覚して、図書館機能を十分発揮させられるよう不断に
 努める」こと、および「司書となる資格を有する者g望ましい」

(現状では、司書資格を有する図書館長は2割〈20.2%〉)
専任(正規雇用)の図書館長は7割弱(66.6%)、2007年4月現在。)
※ (  )は添付資料では記載していない。

7.図書館法 第20条による補助金の復活、及び地方債、補助金は公立図書館整備に活用
 しやすい仕組みにすること。
 ・図書館の施設・設備に要する経費への国の補助は1997年度で打ち切り。
 ・2010年、図書館が過疎債の対象となる。

添付資料【3】「2015(平成27)年度 福岡県公立図書館貸出順位表(人口一人当たり) 【参考】県内、図書館設置自治体は52

・福岡県内人口1人当たり貸出順位  
①水巻町 14.63(うち町外59%).登録率155%.町内のみの貸出6.0. 人口当たり資料費
  547円
②みやこ町12.29(うち町外36%).登録率65%.町内のみの貸出7.87.人口当たり資料費
 762円
③久山町 12.0(うち町外58%).登録率145%.町内のみの貸出5.04.人口あたり資料費
 762円

④新宮町 11.89(うち町外38%).登録率94%.町内のみの貸出7.37.人口当り資料費
  359円
⑤苅田町 11.74(うち町外14%).登録率65%.町内のみの貸出10.1.人口当り資料費
 258円
⑥福津市 10.9(うち市外12%).登録率66%.市にのみの貸出8.88.人口当り資料費
 344円
⑦大野城市10.73(うち市外33%).登録率93%.市内のみの貸出7.19.人口当り資料費
 202円

㉟糸島市 4.77 登録率47% 人口当り資料費173円
 ※移転開館のため、二丈館9ヶ月、志摩館2ヶ月の休館
㊽福岡市 2.83 (うち市外4%).登録率27%.市内のみの貸出2.72.人口当り資料
  78円
      
・人口あたり資料費  1位 みやこ町・久山町 762円  糸島市(173円)
 
・中学校区設置率 1位 苅田町 200%(中学校数2,図書館数4,BM1台
             人口当たり貸出4位・11.74点
  糸島市 50%(中学校数6,図書館数3、BMは0)
  
添付資料【4】「伊万里市民図書館の運営目標値」

以下の4つの柱のもとに、各指標と数値目標が「表」で示されています。

1.  施設(1-1図書館数 1-2自動車図書館数)
2.職員 (2-1職員数(内司書数)2-2嘱託職員数(内司書数)2-3臨 時職員数(内司
 書数)
3.資料(3-1資料購入費 3-2蔵書冊数(注:寄贈本、雑誌、視聴覚資料も含む)
 3ー3 図書年間購入冊数 3-4雑誌年間購入種数 3-5新聞年間購入種数
 3-6視聴覚資料年間購入

 3-7新規図書冊数費(%)(注:年間購入冊数の開架冊数に占める割合)
 ※『目標値例』にはない伊万里市民図書館の独自の指標と目標値、とても重要な指標

4.提供(4-1登録者数(市民登録率) 4-2貸出資料数 4-3実質貸出密度(%)
(注:登録者1人当りの貸出点数、算出方法は、貸出冊数÷登録者数)
4-4予約受付件数  4-5参考業務受付件数(伊万里独自)
4-6団体貸出件数(伊万里独自のもの、伊万里では、団体貸出にも力をいれtていて、利
  用が多い)
                                     以上

策定までの取り組みと、『目標値』についての考え方(捉え方)

伊万里市民図書館の『望ましい基準』策定の取り組みで注目されるのは、
1.素早い取り組み
 『望ましい基準』が公表された(2001年/平成13年7月)2年後に。

糸島市の場合
 伊万里市で取り組みを始めてから、8年後、
 平成23年(2013年)9月議会、『望ましい基準』をめぐっての質疑

波多江議員の質問に、
教育部長 「この中で(『望ましい基準』の総則)数値目標を定めて、その達成状況の評
 価と公表をこの法律の中でうたっております。これらにおきましては、市町村の努力規
 定という法体系になっておりまして、義務規定ということはなっておりません。こうし
 たことから福岡市を含みます福岡都市圏の図書館では実施しているところはございま
 せんので、糸島市図書館でもこの評価制度というのは行っておりません。

 (伊万里市民図書館で取り組まれて8年後の、糸島市教育委員会の認識。)

数値目標につきましては、まだ私どもも他市の状況あたりを十分研究はしたいと思って
 おりますが、私どもがそういった幾つかの市町村を見た中では、それが大きな意義だと
 というふうには思っておりません」

これらの答弁に対し、波多江議員から、市民の皆さんにぜひ聞いてほしい発言が続きましたが、ここでは略させていただきます。(詳細は「糸島市議会会議録、平成23年第4回定例会 p71、72」(9月9日)を見てください。図書館で見ることができます。)

上記、平成23年9月議会の4ヶ月後市民の強い要望により、『糸島市立図書館サービス基本計画検討委員会』が設置(平成24年1月)され、25年8月に最後の委員会が開かれました。

その委員会でそれまで運行している移動図書館について、事務局の廃止案について、賛成、反対の意見があってまとまらず、両論を付帯意見とし付すことで決着。その直後に開かれた教育委員会で、移動図書館の廃止を決定して、『糸島市立図書館サービス基本計画』を策定(平成25年9月)。

この後、基本計画検討委員会の委員に、移動図書館廃止の廃止を決めて、基本計画を策定したことを知らせることもなかった。また、議員に『基本計画』を配布する際にも、付帯意見は配布しなかった。(「付帯意見はどうしたんですか」と後で聞いたら、「付帯意見は保管しています。必要ならば提出します」【糸島市議会会議録平成25年第5回定例会・12月12日、72p】

2.『望ましい基準』を定めていく、その取り組み方 ( 取り組み方が大事です。)

伊万里市では
 まず、図書館長の諮問機関である図書館協議会に諮問する。
 図書館協議会では、綿密な調査と熱心な協議の上、答申。

・そのやり方(進め方) その手順の確かさに感銘を受けます。
 ①『公立図書館の設置及び運営上望ましい基準活用の手引き』(日本図書館協会 
  2001年刊、『望ましい基準』を各図書館で策定する際の、当時、最良のテキスト
  を入手して)指標項目の決定の参考とし、

 ②もっとも重要な「目標数値」(数値目標)の検討に当たっては
 「伊万里市と同規模の人口(人口8万人未満)をもつ市立図書館の中で貸出点数が全国
 で上位15館の図書館(それは人口同規模で貸出上位10%の図書館)に、平成14年度の
 貸出実績等の状況をアンケートし(内回答12館)、」

 ③「その平均値と、伊万里市民図書館の平成14年度の貸出等の実績を参考にした。貸出
  上位15館は『図書館年鑑2002』(日本図書館協会2002年刊)の統計結果を基にして
  いる。

ここで、伊万里市民図書館の図書館協議会で「伊万里市民図書館の目標値」を考え、検討しようとした最初に、『図書館年鑑』を活用したことに注目したい

※『図書館年鑑』は『日本の図書館』とともに毎年、日本図書館協会から刊行され、日本
の図書館の現況を知る上で不可欠の資料ですが、特に『年鑑』には図書館統計とともに、
「ブロック別図書館概況」「館種別図書館概況」(公共図書館だけではなく各種図書館)「問題別図書館概況」「記録でみる図書館概況」(各地の図書館の動きや研究集会など)等の他、

図書館関係資料」では、「図書館等に関する国の施策に関わる資料、図書館運営の改善に関する資料、図書館づくりへの住民の要望・意見」等々が掲載されていて、行政や図書館の現場だけではなく、よりよい図書館づくりに取り組む住民にとっても重要で役立つ資料が載っていて、どの図書館でも所蔵してほしい資料です。

※糸島市立図書館での『図書館年鑑』の所蔵は、2001年、2003年、2004年、2011年の4冊のみで、2012年からは購入されていません。

『図書館年鑑』には、各図書館の運営の参考、手引きとなる、各地の図書館の活動や住民の声が載っていて、その所蔵の有無(それを実際にどのように活用しているか)は、その図書館の現時点での図書館の運営の在りようを照らし出す鏡の一つとも言えるのではないかと考えます。

『目標値』に対する捉え方      が重要です。

④「この数値(数値目標)は、「望ましい基準1.総則(3)図書館サービスの計画的
 実施及び自己評価等にもある通り、数値目標の達成に向けて計画的に努力するためのも
 のでありなおかつ、各年度のサービス状況について、自己点検、自己評価を行い、そ
 の結果を住民に公表するためのものである。

なお、上記の目標値は、平成20年度までとし、期間内に合併協議会等等の結果がでたら、それを踏まえ、再検討する。

(ここには、『望ましい基準』の基本となる考え方をとりいれ、伊万里市民図書の状況を踏まえて策定した『目標値』を、何のために策定したか(数値目標の成に向けて計画的に努力するためのもの)が明確に語られています。 以後、「としょかん通信」の初夏号で、毎年「その結果」が公表されています。)

添付資料【5】「伊万里市民図書館の望ましい基準」 平成20年度
 市民への公表に当たり、次のように書かれています。

市民の皆さんが満足されるサービスをしていくこと、それが「図書館のめざすもの」です。その実現のために昨年度、図書館協議会の委員さんと協議し、情報基盤としての市民の知的インフラとしての図書館のあり方などを盛り込んだ「伊万里市民図書館の望ましい運営と数値基準」を策定しました。平成16年度の実績と比べて、どしどしご意見をお寄せください。これからもより良いサービスに努めていきたいと考えております。」

添付資料【6】 平成28年度 活動報告 
伊万里市民図書館 「としょかん通信」 平成29年初夏号
【参考】
 伊万里市民図書館 としょかん通信 平成30年初夏号(第203号) 1P

 同上 2P   「平成29年度 活動報告」

 同上 3P   「伊万里市民図書館の望ましい基準(目標値)との比較」平成29年度

添付資料【7】 伊万里市民図書館の望ましい基準(目標値)との比較」平成28年度 
 伊万里市民図書館 「としょかん通信」 平成29年初夏号
【参考】
 伊万里市民図書館 としょかん通信 平成30年初夏号(第203号) 1P
 同上 2P
 同上 3P 「伊万里市民図書館の望ましい基準(目標値)との比較」

※ 1p・・・「としょかん通信」見出し `注目を集める移動図書館「ぶっくん」
   九大生が卒業論文で伊万里市民図書館の移動図書館をとりあげる。論文はファイル
   されて図書館で借りられます。
  2p・・・平成29年度の図書館の活動報告 イラスト入りで分かりやすく説明。
  3p・・・伊万里市民図書館の望ましい基準値(目標値)と実績を比較して、達成率
   を表示。課題が何かを明確にしている。
   1.施設 2.職員 3.資料 4.提供 に分けて18の指標(目標)を定めてい
   る。

※注目されるのは、これらの望ましい基準(指標と数値目標)の決め方である。
図書館長の諮問機関である図書館協議会に館長が諮問し、協議会では丁寧で綿密な調査
した上で協議し図書館長に答申している。

糸島市立図書館では目標とする指標は①蔵書数 ②貸出点数 ③利用者の満足度の3つのみである。伊万里市民図書館の18の指標と較べていただきたい。

添付資料【8】「糸島市の学校図書館の図書費及び予算措置率の推移(平成19~29年)

いとしま としょかん しんぶん 第1号  3p

平成19~29年の合併前(平成19~21年)の糸島地区(前原市,志摩町、二丈町)と合併後(平成22~29年)の糸島市の予算措置率の図表を『いとしま としょかん しんぶん』に掲載していますが、合併前の3年間の前原市、志摩町、二丈町の予算措置立の明細は次の通りです。

     糸島地区   前原市   志摩町   二丈町
平成19  【53.2】%  52.3    55.2   54.5
  20  【47.3】   43     55.4    57
  21  【52.4】   43     55.8   ※97.6
     糸島市
  22   63.7
  23   43.1

  24   32.5
  25   33
  26   41.9

  27   45.5
  28   43.8
  29   29.4 

合併前の3年間の糸島地区の予算措置率は40~50%と極めて低い措置率となっていますが、その中で注目されるのは、二丈町の動きです。平成19、20年50%台の措置率が21
年は4割り増しの97.6%になっています。なぜ丈町だけで、このようなことが起きたのか。

その契機となったと思われるのが、二丈町議会で波多江一正議員により、繰り返し行われた学校図書館の整備、充実に関しての一般質問、特に「学校図書整備5カ年計画」や二丈町での予算措置率をめぐっての論議です。
(波多江氏の上記の一般質問は平成20年3月、6月、12月、平成21年3月議会において行われた。)

合併して糸島市となって最初の議会である平成22(2010)年3月議会で、波多江氏は、市立図書館については、「糸島市図書館基本構想(基本計画)策定委員会の立ち上げについ
て」「二丈、志摩図書館の開設準備室設置の必要性について」等質問。

学校図書館については、「「新5カ年計画」や予算措置率等について質問し、以降の議会においても、学校図書館の整備に関する質問と論議を続けましたが、糸島市においては予算措置率は低い状態のまま、平成29年には30%を下回る状態となっています。
   
   いとしま としょかんしんぶん 第1号 3p.

添付資料【9】「平成19年度 福岡県内学校図書館図書購入費(予算措置率)順位表」

全国の自治体で学校図書館の図書費として全額を予算措置しない自治体が多かったことから、平成19年度の全自治体の予算措置率を市町村名をあげて文部科学省が公表しました。予算化を促すためです。

平成19年度の予算措置率 全国平均78%  福岡県97%  糸島地区53%。
同年度の福岡県内の状況をみると、69市町村中、予算措置率第1位の福津市が211.8%
に、第2位の東峰村171.6%から22位の嘉麻町の101.2%まで100%をこえ市町村が続いています。

合併前の志摩町は69市町村中59位の55.2%、二丈町が60位で54.5%、前原市が62の52.3%と、いずれも50%台と県内でも、とりわけ低い位置にまとまっていました。

【参考】 「いとしま としょかん しんぶん」 第1号 2p~3p
 3p 「糸島市 学校図書館予算措置率」 平成19~29年

 いとしま としょかんしんぶん 第1号   

                                   以上

         




 

 

 

2018年9月6日木曜日

No.7「糸島市立図書館のこれからについての提言」書を提出しました。

今年の1月28日に行われた糸島市長選挙で立候補されたお2人と当選が確定した20人の市議会議員に提出していた糸島市の図書館についての公開質問状に対し、お2人の市長選立候補者と12人の市議会議員から回答をいただきました。`糸島市の図書館を考える市民の会`ではいただいた回答を検討しその回答を踏まえ、当選された月形祐二市長(2期目)に「糸島市立図書館のこれからについての提言」書を提出しました。
(なお、『提言』に添付した9点の資料の説明は次回のブログで行います。)

提言書は次の通りです。

                              2018年6月4日

          糸島市立図書館のこれからについての提言

糸島市長 月形 祐二 様
 
                       糸島市の図書館を考える市民の会
                                松浦 里絵
                                梅川 萬智子
                                才津原 哲弘

1.市内のどこに住んでいても、だれでも利用できる全域サービス計画の策定を。

ご回答では貸出密度(人口当たり貸出点数)の低い校区があることから、「まずは目標値である5.6冊を全ての校区でクリアすることが重要と考えており、今後とも子ども読書活動の充実や読書習慣の定着に力を注いでいきたい。」とのことでした。

「全ての校区で5.6冊をクリアすること」は、ほんとうにとりわけ重要なことだと考えま
す。5.6冊をいつの時点でクリアするのか、目標年次を明示した取り組みが必須であると
考えます。

児童へのサービスの充実の取り組みは、言うまでもなく大切なことですが、貸出密度が とりわけ低い主たる要因は、図書館が住民の生活圏から遠いことにあります。その最大
の要因に焦点を当てた取り組みをしないと目指す効果は期待できないのではないでしょ
うか。子どもたちに読書をすすめようとしても、身近で借りることができなければ読む
こともできません。

市会議員20名中、12名から回答をいただき、そのうち7名が、「政策的対応(実態を把
握し計画をたてての対応)が必要」との回答でした。

「どこに住んでいても」「だれでも」利用できるあり方は、図書館サービスの肝心要の大
切なサービスであると考えますが、それを実現していくためには真剣な力と知恵を尽く
した取り組みが求められます。その第一歩が目標達成年次を市民の前に明らかにする取
り組みだと考えます。また、計画策定に当たっては市民の声を聞く場を持っていただき
たいと考えます。

2.図書館サービスや図書館運営に関する指標と目標を「目標基準例」を参考に、もっと
積極的に取り入れること。
「数値目標」については達成年次を明示して計画的に取り組むこと。
 
ご回答では、「現行のままでよい。「蔵書冊数」「貸出冊数」  図書館サービスの充
実を図っていく上では、現行の「蔵書冊数」「貸出冊数」「満足度」の推移の見極めが
重要と考えている」でした。

図書館の利用者にとって、資料(図書、雑誌、視聴覚資料)の最大の魅力である資料の
新鮮度や多様さに係る、「図書年間購入点数」「雑誌購入タイトル数」「資料費」等
は、とりわけ重要な指標で、これらは「蔵書計画」(年次計画)に基づいて計画的に
収集していくことが重要で、これらがどうなっているかを知ることは、その図書館の
サービスを評価する上で欠かせないものさしでもあります。
 
この指標を、2点と「満足度」だけとすることは、「サービスの向上を生み出す指標
と「目標」をなおざりにすることになるのではないでしょうか。

議員12名中、7名が「取り入れる」の回答でした。「指標、目標及び事業計画の策定に
に当たっては、利用者及び住民の要望並びに社会の要請に十分留意するものとする。」
と『望ましい基準』で定められていますが、改めて『望ましい基準』にのっとった対応
求めるものです。

3.指標や目標を適切に選んで増やし図書館の計画を糸島市長期総合計画にいれること。

ご回答は「その他(総合計画では、蔵書冊数、貸出冊数、満足度という形で数値目標
を掲げて図書館サービスの充実を図ることとしている)」でした。

図書館サービスを充実、向上させていくためには、職員計画や蔵書計画をたて、全域
サービスの整備をしていくなど、財政措置を伴います。
市民が求める資料の提供を通して、すべての市民の生涯にわたる自己学習を保障する図
書館の役割の重要性に鑑み、長期計画の中に組み込んで計画的に取り組んでいくことが
肝要だと考えます。

4.学校図書館の図書費については、『学校図書館図書整備(等)5カ年計画』で交付
されている総額、100%を少なくとも予算措置すること。

ご回答では「その他(学校図書館に求められる機能を考慮し、蔵書数のみでなく総合
的に判断していく。)でした。

なんといっても、こどもの世界を豊かにする本があってこその図書館です。

『5カ年計画』は29年4月から第5次にはいりましたが、この20年間、糸島地区の学校
図書館の予算措置率は驚くばかりに低い状態が続きました。
平成24年度からの6年間でみると交付額の総額82,983,000円に対し糸島市が予算化
したのは30,452,000円で、予算措置率は30%をきって、29.4%でした。

子どもの本代というので、厳しい財政の中でも、200%を超える予算措置率の自治体が
県内にある中でも、20年間にわたって極めて低い予算措置率が続いてきたことを考えれ
ば、「少なくとも」100%の予算措置をという次第です。
                                     以上
 
さいごに。
この度の公開質問の第4問で、これまで糸島市では他館からの借用が、県内の図書館
と国立国会図書館からに限られていたことについて。
ご回答は②の「なんでも」の観点から、借りれるように、予算措置をする。」でした。
待ちに待った嬉しい回答でした。早速、友人、知人に知らせました。

以上。

【添付資料】提言書の提出にあたっては9点の資料を添付しました。4つの提言につ
いて、それぞれ、提言の内容を説明するための資料です。
その①~⑨の説明については、次回のブログ「図書館の風 No.8」に掲載します。

・「糸島市立図書館 小学校区別利用状況 平成28年度」
【参考】 
 いとしま としょかんしんぶん 第1号 1p~2p 

 ①『糸島市立図書館サービス基本計画』(糸島市教育委員会 平成25年11月)より
 第4章糸島市立図書館のサービス基本計画
 5.数値目標

 ②「図書館サービスの望ましい指標と糸島市立図書館の比較(平成27年度/2015年度)」
 糸島市と人口同規模(人口10万~15万人)の滋賀県東近江市立図書館との比較も。

 ③「2015(平成27)年度 福岡県内公立図書館貸出順位表(人口一人当たり)」

 ④「伊万里市民図書館の運営目標値」

 ⑤「伊万里市民図書館の望ましい基準」 平成20年度

 ⑥「伊万里市民図書館 平成28年度活動報告」「としょかん通信」 平成29年初夏号)
 【参考】同、30年初夏号


 ⑦「伊万里市民図書館の望ましい基準値(目標値)との比較」「としょかん通信」 
  平成29年初夏号)
 【参考】同、30年初夏号


 ⑧「糸島市の学校図書館の図書費及び予算措置率の推移(平成19~29年)
 1.『学校図書館図書整備5カ年計画』の概要と推移

 2.糸島市の学校図書館のと諸費及び予算措置率の推移(平成19~29年)

 ⑨「平成19年度 福岡県内学校図書館図書購入費(予算措置率)順位表
 







2018年9月2日日曜日

No.6 公開質問状の回答 市議会議員の回答は 

2018年(平成30年)1月28日の糸島市議会議員選挙で当選したばかりの20人の議員の皆さんに、糸島市の図書館を考える市民の会で『市民が誇りとする図書館を 糸島市立図書館のこれからについての公開質問状』を提出し、12人の議員から回答をいただきました。なお、質問の内容は市長選立候補者への公開質問状と同じものです。

私たち糸島市民が選んだ議員お一人お一人が、それぞれ図書館の質問について、どのように答えてあるか、ゆっくりご覧ください。
 (いとしま としょかんしんぶん 第1号  を手元においてご覧ください。)

(氏名五十音順 敬称略)

問1.校区により貸出に大きな格差があることに対して
次の3つの中から該当するものに◯印を、以下同じ

①全体的に目標値の5.5を上回っているので、特に対応を考えない。
その他理由があれば               )

②目標値を下回る校区が半数近くあり、3冊台以下と極めて利用が低いところが5校区もあ
ことから、政策的対応(実態を把握し計画をたてての対応)が必要だと考える。「どこでも」「だれでも」利用できる図書館の在り方から考えても。(分館の適切な配置計画や移動図書館車の運行などの検討
③その他(            )

問1.回答

伊藤千代子 ②政策的対応が必要
長田英樹  ③その他。単純な人口1人当たりの貸出数というよりも、世代別の貸出割合
       を把握する必要ある、より細かなデータをだしていくことで対応のやり
       り方、あり方が変わると思います。

加茂正彦  ①全体的には目標値の5.5を上回っているので、特に対応を考えない。
川上真悟  ②政策的対応が必要

後藤宏爾   ①はい(入れる)
徳安達成   ③その他

並里弘二   ①はい(入れる)
藤井芳広   ①はい(入れる)
堀田 勉   ①はい(入れる)

松月よし子  ③その他。まずは実態調査をし、糸島市や市民にとって、どのようにある
        べきかを検証する必要があると思う。
三嶋栄幸   ②いいえ。糸島合併前は前原に貧弱な図書館があるだけで、志摩、二丈に
        はございませんでした。そういうことを鑑みますと、行政としても`図
        書館サービス`について尽力していると考えます。確かに武雄図書館み
        たいに喫茶コーナーがある`行くだけでも楽しい図書館`、伊万里市民
        図書館みたいに、ボランティアが図書館運営に関わり、図書館サービス
        も充実していることは理想ですが、現実的にはそのような図書館を新た
        に作るゆとりは、糸島市にはございません。
柳 明夫   ①はい(入れる)

【参考 市長選立候補者】

高橋徹郎   ③その他(選挙後)
月形祐二   ③その他(総合計画では、蔵書冊数、貸出冊数、満足度という形で数値
        目標を掲げて図書館サービスの充実を図ることとしている。
 
問4.「なんでも」について

①現行のままにする。(理由              )
②「なんでも」の観点から、借りれるように予算措置をする。
③その他 (                      )

伊藤千代子  ②予算措置をする。
長田英樹   ①現行のままにする。防犯問題から心配な点があります。まずは貸出しに
        関する管理システムの確立が先と思われます。
加茂正彦   ①現行のまま。他県のとしょかんからも紹介のもと借用が可能。

川上慎悟   ②「なんでも」の観点から借りれるように予算措置する。
後藤宏爾   ②予算措置をする。
徳安達成   ③その他

並里弘二   ①現行のままにする。
藤井芳広   ②予算措置をする。
堀田 勉   ②予算措置をする。

松月よし子  ③その他。九州大学との連携をすすめている糸島市ですから九州大学付属
        図書館からの借用ができるようになれば、学術分野の図書に触れられる
        機会が増えるのではないかと思う。
三嶋栄幸   ③その他。ご質問の「なんでも」のどのような図書を指されているのかが
        分かりません。そのようなニーズがどれだけあるか? 検証して必要性
        しめさないと予算のつけようがないと考えます。
柳 明夫   ②予算措置をする。

【参考 市長選立候補者】

高橋徹郎   ③その他(選挙後)
月形祐二   ②「なんでも」の観点から、借りれるように予算措置をする。

問5.学校図書館の図書費の予算措置について。100%以上の予算措置が必要では。

①現行のままでよい。(理由              )
②同じ考えである。
③その他(                      )

伊藤千代子  ②同じ考えである。
長田英樹   ③その他。まず、今の子ども達の本離れが大きな原因だと思います。
        活字離れもその一つだと思います。本を読むことは想像力を養ううえで
        非常に良いものですが、デジタル化の中にいう子ども達にまずは本を読
        む習慣をつけることから始めなければと思います。それには私達議員が
        行政や教育に働きかけなければなりません。ありがとうございました。
加茂正彦   ②同じ考えである。
  
川上慎悟   ②左記、問2と同様。図書館の最大の目的である「本に親しむ」ことの現
        状も併せて調査が必要かと考えます。(月間どれだけ本を読むか等)
後藤宏爾   ②同じ考え。今の糸島市の教育に対する予算は貧弱であり、図書館の
          状態にしても同じに見える。図書館の充実は緊急課題だと思いま
          す。
徳安達成   ③その他

並里弘二   ①現行のままでよい。
藤井芳広   ②同じ考えである。
堀田 勉   ②同じ考えである。

松月よし子  ③その他。子どもの時期に、良い本に囲まれ育つことは人間形成にとって
        非常に大切だと思う。自分で遠くの図書館に行けない子どもたちにとっ
        ては、一番身近な場所である学校図書館を一層に利用しやすいようにす
        るため環境整備が必要と思う。

三嶋栄幸   ①現行のままでよい。予算を増やし蔵書数が増えれば、読書率が増えるか
        のアンケートも必要では。
       追伸:皆さんの想いのあつさを感じました。糸島市図書館を検索しても欲
       しい本がなかなか無いこと`は私自身も感じています。
       『魅力的な図書館をつくり、サービスを充実して定住促進の目玉にする』
       など考えますが、今後の財政状況を考えますと無理な話しです。移動図書
       館を実行してもニーズが本当にあるのか? ・予算には優先順位がありま
       す。・そもそも読書に親しむ素地があるのか? 鶏が先か卵が先か。・学校
       での読書に親しむ努力を地道に続けるのが、一番の啓発と考えます。

柳 明夫   ②同じ考えである。
       糸島市の図書館政策の貧しさは、いつか儀軌でとりあげないといけないと
       考えてきましたが、あまりの格差に驚いている次第です。豊富な資料、あ
       りがとうございます。これからしっかり勉強していきたいと思っていま
       す。

【参考 市長選立候補者】

高橋徹郎  ③その他(選挙後)
月形祐二  ③その他(学校図書館に求めれる機能を考慮し、蔵書数のみでなく総合的に
       判断していく。)    
         
                                  以上です。


なお、次の8名の議員からは回答をいただくことができませんでした。
(氏名の五十音順 敬称略)

 井上健作・小島忠義・笹栗純夫・重冨洋司・田原耕一・寺塚強・波多江貴士・平田雅紹

 最後に、この度の市議会議員への公開質問状の回答の公表が、市民の中で糸島市の図書館のこれからを考える契機となり、地域の中で糸島市の図書館の望ましいあり方についての論議が広がることを願っています。議員の皆さんには、当選直後の公務にお忙しいなか、率直な回答をよせていただきましたこと、ありがとうございました。

いただきました回答はこれからの糸島市の図書館を考えていく時、論議のスタートとなるものだと考えています。市民の会では、市長選の時と、この度の議員の皆さんからいただいた回答を受けて、新たに「糸島市立図書館のこれからについての提言」書を提出する考えです。

【参照】

いとしま としょかんしんぶん 第1号


 

 


          

  
  



  

  

         
  
   





2018年9月1日土曜日

No.5 公開質問状の回答 市長選立候補者の回答は 

2018年1月18日、糸島市の図書館を考える市民の会は、市長選挙に立候補されたお二人に公開質問状を提出し、以下の回答をいただきました。この度の質問状では、それぞれの質問の前に質問の趣旨をのべた文章があるものや又、質問趣旨に係る添付資料があり、回答の公表に当たっては各質問の前に前文等の要点を含めて「質問の趣旨」等として書いています。(このブログでは「質問の趣旨」等は、回答の後に一括して掲載しました。)

どうぞゆっくり、みてください。私たちが生活するまちの市長を目指す人が、今、市民の図書館についてどのように考えてあるか。
 (いとしま としょかんしんぶん 第1号  を手元においてご覧ください。)

〈回答は氏名の五十音順 敬称は略させていただきました。〉
回答は該当する数字に◯をしてください。

問1 校区により図書の貸出に大きな格差があることに対して。

①全体的には目標値の5.5を上回っているので、特に対応を考えない。
(その他理由があれば              )

②目標値を下回る校区が半数近くあり、3冊台以下と極めて利用が低い所が5校(区)もあることから、政策的対応(実態を把握し計画を立てての対応)が必要だと考える。「どこでも」「だれでも」利用できる図書館の在り方から考えても。(分館の適切な配置計画や移動図書館車の運行など)
③その他(                   )

高橋徹郎 ③時間のあるときに、選挙が終わったあとにお答えしたいと思います

月形祐二 ③市民1人当たりの貸出冊数が低い校区があることはご指摘のとおりである
 が、まずは目標値である5.6冊を全ての校区でクリアすることが重要と考えており、今後
 とも子ども読書活動の充実や読書習慣の定着に力を注いでいきたい。

問2 図書館サービスの指標と数値目標の設定について
 計画の作成にあたって、「目標基準例」や『図書館雑誌』に示された指標と数値目標を
 積極的に取り入れることについて。

指標の例、「図書館数」「延べ床面積」「自動車図書館数」「専任職員数」「うち司書
 数」「司書率」「蔵書数」「うち開架冊数」「図書年間購入冊数」「雑誌・新聞年間購
 入種数」「登録者数」「貸出点数」「人口当たり貸出点数」「予約件数」「図書館費」
「資料費」「うち図書費」「うち雑誌・新聞費」「うち視聴覚費」「人口当たり資料費」

①現行のままでよい。「蔵書冊数」「貸出冊数」
②取り入れる。
③その他
    
高橋徹郎 ③ 選挙後
月形祐二 ①現行のままでよい。「蔵書冊数」「貸出冊数」
 図書館サービスの充実を図っていく上では、現行の「蔵書冊数」「貸出冊数」「満足
 度」の推移の見極めが重要と考えている。

問3 図書館の計画を糸島市長期総合計画の中に入れる。

①はい      ②いいえ(理由     ) ③その他(       )

高橋徹郎 ③選挙後
月形祐二 ③総合計画では、蔵書数、貸出冊数、満足度という形で数値目標を掲げ   て図書館サービスの充実を図ることとしている。

問4「なんでも」については現在、糸島市の図書館では、他館からの借用は、県内の図書
 館と国立国会図書館からに限られています。これについてはどのようにお考えですか。

①現行のままにする。(理由               )
②「なんでも」の観点から、借りれるように予算措置をする。
③その他(                          )

高橋徹郎 ③選挙後
月形祐二 ②「なんでも」の観点から借りれるように予算措置をする。

問5 学校図書館図書館の図書費の予算措置について。
これまでの糸島地区の長期(20年)にわたる極めて低い予算措置率を考えると、少なくとも100%以上の予算措置が必要であると考えますが、お考えは。

【平成19年度の予算措置率、全国平均78%、福岡県平均97.1%、糸島地区53.2%:
 前原市52.3%、志摩町55.2%、二丈町54.5% 】

【平成24年~30年の6年間の糸島市への学校図書館の図書費としての地方交付税の総額は
 8,298万3千円、糸島市が予算計上したのは3,045万2千円(36.7%)
    63.3%の5,253万1千円が図書費以外に使われた。

①現行ままでよい。(理由             )
②同じ考えである。
③その他(                    )

高橋徹郎 ③その他(選挙後)
月形祐二 ③その他(学校図書館に求められる機能を考慮し、蔵書数のみでなく総合的に
 判断していく。)

以上です。

【参照】「いとしま としょかん しんぶん」第1号 

 いとしま としょかんしんぶん 第1号

以下、「質問の趣旨」です。一つ一つの質問がどんな意味をもっているか、質問の背景
にあるもの等ついて述べています。

問1.【質問の趣旨、背景】


実際に図書館で行われている図書館サービスは、そのサービスの内容やどれだけ住民
が利用しているか(利用度)をみると、自治体間で非常に大きな格差があります。

また、1つの自治体(市)の中でも、「全域サービスの整備」がされていないと、糸島
市の小学校区を示す地図に図示しているように、地域によって、図書館の利用に大きな
格差が生まれています。

糸島市では2013年(平成25年)3月に『糸島市立図書館サービス基本計画』を策定
「糸島市立図書館は、いつでも、どこでも、だれでも、どんな資料でも提供するを
 モットーにして」図書館サービスを実施しますと述べています。

(糸島市の市民が「いつでも」「どこでも」「だれでも」「なんでも」利用できる図書館
 を目標)

図書館が市民にどれだけ利用されているかを示す「基本的な指標」が「人口一人当たり
(年間)貸出点数」で、糸島市と人口同規模の自治体(人口10万人~15万人)では、
10.9冊が望ましい数値です。

(「基本的な指標」とは生涯学習審議会 社会教育文化審議会計画部会 図書館専門
委員会による『公立図書館の設置及び運営上望ましい基準について(報告)』
の「参考資料:(2)数値目標の例」として算定されたもの。2000年、平成12年
12月8日.

 数値については、全国の市町村(政令指定都市及び特別区を除く)の公立図書館のうち、
人口1人あたりの「資料貸出」点数の多い上位10%の図書館の平均数値を算出したもの。2000年、平成12年12月8日。

翌年の2001年平成13年7月、この報告に基づき『図書館の設置及び運営状の望ましい基準』(以下、『望ましい基準』という)を2001年、平成13年7月告示。以降毎年、『図書館雑誌』(日本図書館協会)の5月号で、より細やかに分類した人口段階別の指標と数値を公表している。平成24年12月『望ましい基準』改正。
糸島市と人口同規模の自治体の「人口一人当たり10.9冊」は平成27年度の参考値)

しかし糸島市の28年度の図書館の目標値5.5で、『望ましい基準』の50%台と、目標の
設定そのものが極めて低いものとなっています。平成28年度の糸島市立図書館では
市民1人当たり5.7冊で、望ましい指標10.9の52%でした。

この利用度の低さは、とりわけ「どこでも」(糸島市内のどこに住んでいても)
「だれでも」のサービス体制に大きな要因があると考えられます。図書館の分館や移動図
書館が市民の生活圏(中学校区)に十分配置されていない、又、その計画がないこと、つまり「全域サービスの体制」が十分整備されていないことが、市民『だれでも」が利用でい状態をもたらしていると考えられます。

望ましい基準』は 、’ 政府が示した図書館の設置と運営についての指針’です。

『望ましい基準』では、「設置の基本」で「市町村は、住民に対して適切な図書館サー
ビスを行うことができるよう、住民の生活圏、図書館の利用圏等を十分に考慮し、市町村
立図書館及び分館等の設置に努めるとともに、必要に応じ移動図書館の活用を行うものとする。・・・当該市町村の全域サービスの整備に努めるものとする。」と定めています。

図書館の[設置の基本」(市で図書館を設置し、図書館を始める目的)は、住民に対し
て「適切なサービス」を行うことにあります。「適切なサービスを行う」とは市民の
「だれもが」子どもも、青少年も、働く人も、お年寄りも、主婦(夫)も、障がいが
ある人(図書館利用にハンディキャップのある人)も「だれでも」が)求める資料や
情報を「なんでも]利用できることです。

すべての市民が「だれでも」「なんでも」利用することを実現するためには、図書館が
住民の「生活圏」にあることが欠かせない、(住民の「生活圏」それは「中学校区」の
 こと)や「図書館の利用圏」を十分考えて、分館の設置や移動図書館を活用して、市の
 全域サービスの整備に努めることは、図書館を設置し、図書館を始める時の基本、肝心要のことであることを、行政もそして市民もしっかりと認識することが、すべての市民の生涯にわたる学び(自己学習)を保障する市民の図書館(市民の市民による市民のための図書館)、市民とともに育つ図書館への第一歩ではないでしょうか。

日本で「だれでも」「どこでも」のサービスを始めたのは

1965年、1台の移動図書館から図書館を始め、順次分館(7館)を設置して、最後に本館
を建てて、その活動により、日本の公立図書館のあり方(図書館はだれのためのものか、図書館は何をするところか)を根底から変えた東京の日野市立図書館が開館して53年、
全域サ-ビス」を図書館「設置の基本」とした図書館サービスが始められてかが経っています。

日野市立図書館はまた、「いつでも」「どこでも」「だれでも」に「なんでも」を加え
て、日本の公立図書館で初めて「リクエストサービス」を始めた図書館でもあります。

日野市の図書館の運営に学び日野市に続く活動、運営をはじめた東京、多摩地域の図書館
や全国各地の図書館で、図書館設置の基本とされたのが、すべての住民に「適切な図書館サービス」を行うための全域サービス網の整備でした。

一方、1965年の日野市立図書館の開館後も、35年間にわたって『望ましい基準』が策
定されない中、「全域サービスの整備」を図書館「設置の基本」としない道を歩む図書
館が数多くありました。

さらに2001年、平成13年7月の『望ましい基準』の公示後の17年間においてもなお、
「全域サービスの整備を図書館設置の基本」としない道を選ぶ図書館がたくさんあり、
糸島市立図書館においても、『糸島市図書館サービス基本計画』が策定され開始された年
の3月末で、糸島市において「全域サービスの整備」に欠くことのできない移動図書館の
廃止を行っています。

日野市の近隣で1966年に開館した調布市立図書館が、3つの柱からなる図書館計画
( ①2つの小学校区に1館 ②半径800m ③人口20,000人に1館)以後、中央館1
 分館10館)を1967年に計画が作られてからでも51年が経っています。

日野市立図書館に始まる、全域サービス網の整備を図書館設置の核心とした全国各地の
図書館の実践が、『望ましい基準』の図書館の「設置の基本」に反映されているとも考
えられます。

糸島地区(合併前の前原市、志摩町、二丈町)、糸島市図書館の歩み(概要)
現在、直面している図書館の課題の背景にあるものを考えるために。

糸島地区(2010年、平成22年の合併前の前原市、志摩町、二丈町)、糸島市の図書館の
歩みについては、あらためて書きますが、

糸島地区で初めて図書館サービスが始まったのは、1965年の日野市立図書館の開館から
33年後の、1998年(平成10年)12月のことです。前原市民の図書館を求める強い要望
と運動により(1994年、平成6年、市民による「図書館建設の援助をする会」が図書館
建設に関する署名16,420人分を市長に提出等)1台の移動図書館車から始められまし
た。その時には、日野市立図書館で始まった『全域サービスの整備』について、深い理
解を持ったスタートで会ったと思われます。

移動図書館による前原市の図書館はその後、紆余曲折を経て、図書館づくりに深く関わってきた市民の願いとはかけ離れた形で、2005年(平成17年)11月、それまで移動図書館
本館とされていたものが前原市図書館(通称パピルス館)として開館。

その後、2010年(平成22年)1月、糸島市誕生後(「前原市図書館」を「糸島市図書館」
と改称)。2011年(平成23年)10月、旧二丈町庁舎(2階と3階の一部)、旧志摩町の第2庁舎を二丈館、志摩館として開館。

2013年9月 『糸島市立図書館サービス基本計画』(以下、『サービス基本計画』と
 いう)を策定。

移動図書館の運行について、小学校区ごとの利用実態に関する報告も論議もないまま、また、移動図書館の実際の運行先であった保育園17園の意見を聞かないまま、事務局の廃止案に対し、委員会では、賛成、反対の意見があり、委員会としては賛成、反対の両論併記で付帯意見を付して提出。直後に開かれた教育委員会で、移動図書館廃止を決定。

この決定も、「サービス検討委員会」の委員にすぐには知らされず、また、市議会議員に『サービス基本計画』が配布された際には、付帯意見は配られることはなかった。

 2015 年(平成27年)7月、閉鎖されていた九州電力前原営業所の建物、土地を市が購入
し改装後、糸島市図書館として開館(本館)、市民への説明会は前原地区で1回のみ、本館
としての望ましい機能やスペース、「全域サービス」における本館の役割等の論議はなく、急きょ進められました。

2016年(平成28年)4月、二丈館、志摩館の移転開館。
2010年の合併後、旧二丈庁舎、旧志摩庁舎にはそれぞれ市役所の支所がおかれたが、5年後に支所を廃止することになっていました。

支所の廃止後、二丈館は旧二丈庁舎の2階と3階の一部が二丈館であったが、1階の一部に移転のため、改装のため9ヶ月間休館し開館。

(「利用者懇談会」での説明では、当初、1階の改装工事を先に行うので、休館は短期間との説明であったが、直前になり、9ヶ月間の休館となることが知らされた。このため、深江公民館の一画にに代替の図書館を設けるよう、要望書を提出したが、叶えられなかった。)

「庁舎等活用検討委員会」で、事務局の担当者が生涯学習課長に「(2階と3階の一部を図書館としている)二丈館について、1階の全部でいいか」と聞いたところ、図書館の主管課長である、生涯学習課の課長は「二丈館の1階への移転については、1階全部のスペースは必要ない」と述べたことから、図書館スペ-スが狭くなった上、従来あった図書館の会議室も設けられなかった。(「情報公開」で入手した「会議録」による)

なお、二丈館、志摩館の移転に当たり、各8回の「利用者懇談会」が開かれ、二丈館の懇談会では、二丈館が図書館と公民館との複合施設であることから、図書館と公民館が一緒にあることの利点が発揮される施設となるよう、とくに「展示(ギャラリー)スペース」を設けるように、強く要望したが実現されなかった。移転開館後に、公民館を常時利用している方から、「展示の場」を設けるよう要望していたが、叶わなかった旨、聞かされた。

市民の中では、写真や絵画や工芸など、実に様々な活動が行われていて、その展示、発表の場が強く求められている。

新しく開館した、二丈館の一番奥のスペースに「交流スペース」なるものが設けられたが、そこに入ると「ここでは、話をしてはいけない」という表示があって、「交流スペース」という名前にそぐわない場となっている。その名前に相応しい活用が求められる。展示の場としての活用について、市民の要望の声を度々、耳にしており、あらためてそのスペースの使い方について検討が必要だと考えます。

志摩館は旧志摩庁舎の隣にあった第2庁舎を改装して、志摩館としていたが、2ヶ月館休館して、旧志摩庁舎の1階の一部を志摩館として開館。

以上の経過を通して、糸島市立図書館では、これまで「全域サービスの整備」を「図書館
設置の基本」とはしてこなかったことが伺われる。「全域サービスの整備」への取り組みが糸島市立図書館の一番の課題であると考える次第です。

問1は、まさに図書館「設置の基本」である「全域サービスの整備」に係る質問です。

 【参考】県内52、図書館設置自治体中
・福岡県内人口1人当たり貸出順位 
①水巻町 14.63(うち町外59%) 登録率155% 人口当たり資料費547円
町内のみの貸出 6.0
②みやこ町12.29(うち町外36%)    65%          762円
町内のみ 7.87  
③久山町 12.0 (うち町外58%)   145%          762円
町内のみ 5.04
④新宮町 11.89 (うち町外38%)   94%          359円
町内のみ 7.37 
⑤苅田町 11.74 (うち町外14%)   65%          258円
町内のみ 10.1      
⑥福津市 10.9  (うち市外12%)   66%          344円
市内のみ 8.88      
⑦大野城市10.73  (うち市外33%)  93%        202円
市内のみ 7.19

㉟糸島市 4.77             47%        173円
※移転開館のため、二丈館9ヶ月、志摩館2ヶ月の休館
㊽福岡市 2.83   (うち市外4%)   27%        78円
市内のみ 2.72
              
・人口あたり資料費  1位 みやこ町・久山町 762円  糸島市(173円)
・中学校区設置率  
1位 苅田町 200%(中学校数2,図書館数4,自動車図書館1台
     人口当たり貸出 11.74点(4位)
糸島市 50%(中学校数6,図書館数3、BMは0)
      
「人口あたりの貸出点数」を見る時、登録率(貸出カードを作った住民の割合)をあわせて見ることが大切です。その町や市の住民のどれだけの人が、実際に利用しているかを正確に把握することは、すべての住民の図書館利用を目指す図書館の計画を考え、作成していくときにまず、まず第一歩となる取り組みです。

町外や市外からの利用が30%をこえるような場合、当該自治体の住民の利用がそれによって損なわれるものがあってはならないと思います。どの町や村や市の住民も、「いつでも」「どこでも」「だれでも」「なんでも」利用できる図書館サービスの実現に向けて、まず力をつくすことが、それぞれの行政に課せられた重要な責務ではないでしょうか。

2.【質問の趣旨の概要

図書館「設置の基本」を実際に実現していくための手立て、方法について
(どのように実現していくか、その手立て、方法が大事です)

『望ましい基準』では「設置の基本」に次いで、市町村立図書館の「管理運営」の項で、
次のように定めています。 

市町村立図書館は、

①基本的な運営の方針を(以下「基本的運営方針」という)を策定し、公表するよう
努めるものとする。」とし、その

②基本的運営方針を踏まえ、図書館サービスその他図書館の運営に関する適切な指標
を選定し、これらに係る目標を設定するとともに、
事業年度ごとに、当該事業年度の事業計画を策定し公表するよう努めるものとする。」

③市町村立図書館は、基本的運営方針並びに前項の指標、目標及び事業計画の策定に
 当たっては、利用者及び住民の要望並びに社会の要請に十分留意するものとする。」と
 定めています。

 市民が「いつでも」「どこでも」「だれでも」「なんでも」利用できる、「市民の暮らしの中にある図書館」を実現するための手立て、要点がそこにはっきりと示されている。

問題は、「設置の基本」をほんとうに実現しようと考えるかどうか。その実現を図るためには①~③の3つは、必ず取り組まなければならない要点です。

『糸島市立図書館サービス基本計画』(糸島市教育委員会 平成25年11月 以下『サービス基本計画』という)の「第4章 糸島市立図書館のサービス計画 1.サービスの方針」の項に「いつでも」「どこでも」「誰でも」「どんな資料でも提供するをモットーに・・・図書館サービスを実施します」と述べられていることを、先に紹介しましたが、

「運営方針」については、『サービス基本計画』の「第3章 図書館のサービスの運営方針」の項について次のように述べられています。

1.理念
1994年、ユネスコは「社会と個人の自由、繁栄および発展は人間にとっての基本的価値である。このことは、十分に情報を得ている市民が、その民主的権利を行使し、社会におい
て積極的な役割を果たす能力によって、はじめて達成される。建設的に参加して民主主義を発展させることは、十分な教育が受けられ、知識、思想、文化、および情報に自由かつ無制限に接し得ることにかかっている。地域においては知識を得る窓口である公立図書館は、個人および社会集団の生涯学習、独自の意思決定および文化的発展のための基本的条件を提案する」とした公立図書館図書館宣言を表明しました。この宣言は・・・(略)・・・

「糸島市では、ユネスコ公立図書館宣言の理念に基づき、市民一人ひとりの知的自由を確保し、民主的な地方自治を促すためにすべての市民の知る権利を保障することを目的とした生涯学習施設として図書館を運営します」

そして、「2.図書館が目指すもの 糸島市立図書館では、以下のことを目指します。」として5つをあげています

(1)市民が生涯学び続けるための拠点    (・・・略・・・)
(2)地域の将来を担う子どもたちの育成の場 (・・・略・・・)
(3)知識・情報の提供の場         (・・・略・・・
(4)市民が心の安らぎをもとめる場     (・・・略・・・)
 (5)まちづくりの拠点           (・・・略・・・)

ところで糸島市民で、この「運営方針」を知っている人がどれだけいるでしょうか。
市や教育委員会、あるいは図書館の職員は知っているでしょうか。議員の方たちは?
『望ましい基準』の「管理運営」の項にあるように、「基営的運営方針を策定し、公表
するよう努めるものとする」ことが求められます。(図書館内に表示するとか・・・)

そして、「基本的運営方針」を実現するためには、
「②基本的運営方針を踏まえ、図書館サービスその他図書館の運営に関する適切な指標
を選定し、これらに係る目標を設定するとともに、・・・」

「適切な指標を選定し」「目標を設定すること」が要のことです。

糸島市の図書館の適正なシステム(本館・分館・移動図書館、その規模・体制)や図書館サービスの「指標」や「数値目標」を考える際、参考となるのは毎年『図書館雑誌』の
5月号(日本図書館協会)に掲載されている「23の指標と数値目標」です。

『基本計画』では、「『望ましい基準』に近づけるよう努力します。」とありますが糸島市立図書館の選定した指標は、このうち「蔵書冊数」と「貸出冊数」の2つのみです。(この他に「利用者満足度のアンケート調査」)

伊万里市民図書館では、このうち16の指標(「図書館数」「自動車図書館」「職員数」「うち司書数」「嘱託職員数」「うち司書数」「臨時職員数」「うち司書数」「資料
購入費」「蔵書冊数」「図書年間購入冊数」「雑誌年間購入冊数」「新聞購入種数」
「登録者数」「貸出資料数」「予約受付件数」)を選定し、

独自に5つの指標を加えて
(「視聴覚資料年間購入数」「新規図書冊数比」(年間購入冊数の開架冊数に占める
 割合)「参考業務受付件数(レファレンス)」「「団体貸出冊数」)
 
21の指標を選定し、それぞれに「数値目標」を定めています。

また、毎年「としょかん通信」の夏季号で、21の指標の達成度を公表しています。
                            (ブログNo.3 参照)

伊万里市民図書館の「指標の選定」と「目標の設定」でとりわけ注目されるのは、その策定の仕方です。伊万里市民図書館では図書館協議会(図書館長の諮問機関)に諮問し、協議会では、綿密な調査をした上で協議し策定していることです。

質問5.【質問趣旨の概要】
『学校図書館図書整備(等)5カ年計画』は学校図書館の蔵書の充実のため、文部科学省が図書購入費等を地方交付税として欠く自治体に交付しているもので、平成29年度から第5次の5カ年計画が始まりました。

この地方財政措置は使徒を特定しない一般財源として措置されているため、糸島市では、
これまでの議会答弁で、「どう使うかは市の判断による」と答え続けて、県下でも極め
て低い予算措置率が続いています。

平成24年度からの6年間でみると交付額の総額、8,293万3千円に対し、糸島市が予算化
したのは、3,045万2千円で、予算措置率は36.7%、29年度は交付額1,726万円、うち
予算計上額は508万2千円で、予算措置率29.4%でした。
 
ぶろぐNo.3 「いとしま としょかんしんぶん』参照

※市長選挙投票結果 (2018年1月28日)

月形裕二 29,004 当選
高橋徹郎 17,653
  
                                     以上   








2018年8月24日金曜日

No.4 あなたが市長だったら、あるいは市議会議員だったら、なんと答えますか?(5つの質問)

市長選挙立候補者(2名)と当選が確定した市議会議員(20名)に
糸島市立図書館のこれからについて、公開質問状(5つの質問)をだしました。

 今年の1月28日に行われた糸島市長選挙で、糸島市の図書館を考える市民の会で、
お2人の立候補者に糸島市の図書館のこれからについての考えをお聞きするため公開質問状を出しました。(『市民が誇りとする図書館を 糸島市立図書館のこれからについての公開質問状』、添付資料8点、1月18日)

また市長選挙と同じ日に行われた市議会議員選挙で当選された20名の市議会議員に、市長選挙にだした公開質問状と同じ内容の質問状をだしました。(議員への添付資料は市長選挙の時の8点にさらに8点を加え16点、3月8日)

糸島市では2013年(平成25)年3月に『糸島市立図書館サービス基本計画』を策定し、
図書館サービスの基本方針として「糸島市立図書館は、いつでも、どこでも、だれでも、どんな資料でも提供するをモットーに、市民の身近な『滞在型図書館』となるよう図書館サービスを実施します。」と述べています。

そこで今回の公開質問状では、市立図書館については、①『どこでも』について、また
質問の②、③で『どこでも、だれでも』を実現するために必要な手立て(方策)について、さらに④『なんでも』について質問しました。

また学校図書館については、⑤『学校図書館の図書費』について質問しました。糸島で育つ子どもたちの教育環境がどうなっているかに責任のある市民の一人としてのあなたは、5つの問いをどのように考えますか。もしあなたが糸島市長だったら、あるいは糸島市の市議会議員だったら、どのように答えますか。

5つの質問
公開質問状は「前文」と「5つの質問」からなり、質問の前に、その質問の趣旨、背景を述べて質問しているものがあります。(問1,問2,問5)また、各質問の趣旨、背景を説明するため添付資料をつけています。

1.(質問の前の頁に、糸島市の地図の15の小学校区の区分図を示して、小学校区ごと
 の人口一人当たりの年間貸出点数を表示(平成28年度の実績)、また、糸島市教育委
 員会の同年度の目標値や『望ましい基準』(参考値)等を表示して、「小学校区別」の
 図や表をもとに質問します。
   
ブログの前号(NO.3)で紹介した『いとしま としょかんしんぶん』の1pと2p
に掲載したもの。   いとしま としょかんしんぶん 第1号

図書館がどれだけ利用されているかを表す基本的な指標が「「人口一人当たりの貸出
冊数」です。平成28年度の糸島市立図書館は、市民1人あたり、5.7冊でした。

『糸島市教育振興計画 平成28年4月改定版』では、28年度の目標値5.5冊29年度
 5.6冊が最終目標値としてあげられています。また、『糸島市後期基本計画』では、平
 成32年度の目標として6.0冊となっています。文部科学省が「図書館法」及び「望ま
 しい基準」の参考値として示した、糸島市と人口同規模の図書館は10.9冊(平成27年
 度、現在公表されている最新の数値)となっています。 【添付資料③、④を参照】

〈問1〉平成28年度の市民1人当たりの貸出は5.7で29年度の目標値5.6を超えています
 が、同年度の目標値5.5を下回る校区は波多江(4.6)、前原南(5.3)、加布里(5.2)
 長糸【2.7】、雷山【2.8】、怡土【2.3】、東風【3.0】、福吉(5.1)、桜野(4.9)
 引津【3.8】と15校区中、半数近い7校区もあります。

特に3冊以下が5校区あり、そのうち長糸、雷山、怡土校区は2冊台と目標値の半数前後のきわめて低い利用度となっています。
このような実態に対してどのようにお考えですか。
(回答は該当する数字に○をしてください。)

①全体的には目標値の5.5を上回っているので、特に対応を考えない。
(その他理由があれば        )

②目標値を下回る校区が半数近くあり、3冊台以下と極めて利用が低い所が5校もあること
 から、政策的対応(実態を把握し計画を立てての対応)が必要だと考える。
「どこでも「だれでも」利用できる図書館の在り方から考えても。
(分館の適切な配置計画や移動図書館車の運行などの検討)

③その他(              )

2.全国の図書館で、自治体間で図書館サービスに大きな格差が生じることのないよう
 に1950(昭和25)年に制定された「図書館法」では、

「第7条の2(設置及び運営上望ましい基準)」で、「文部科学大臣は、図書館の健全な
 発達を図るために、図書館の設置及び運営上の望まし基準を定め、これを公表するも
 のとする。」と定めたが、

望ましい基準」が告示されたのは、「図書館法」制定後50年後の2001年(平成13
 年)7月であった。(文部科学省告示第132号、2012 年、平成24年12月に全面的に
 改正)このため、図書館法作成に当たった担当者危惧したとおり、この50年の間に
 に、図書館にしっかり取り組んだ自治体とそうででない自治体との間で実に大きな図書
 館サービスの格差が生まれてしまった。

すべての市民へのサービスが立ち遅れている糸島市にあっては「望ましい基準」の骨子を
図書館の計画や運営にとりこむことが大切であるが、まず早急にとりくまなけばならないのは、別表の「目標基準例」を参考に「指標」を選定し、「数値目標」を設定して、その達成に計画的に取り組むことである。

(糸島市図書館サービス)『基本計画』では「5.数値目標」の項で「糸島市では『公立
図書館の設置及び運営上の望ましい基準』に近づけるよう努力します。」とあるが、『糸島市教育振興計画』や『糸島市後期計画』であげられた「指標」と『数値目標」は、「蔵書冊数」と「貸出冊数」の2つだけで、しかも「平成32年度の人口当たたり6.0冊」の貸
出目標は、その設定自体があまりに低い。

なぜ低い設定であると言えるかというと、上記1で述べたように、平成28年度の人口当り
りの貸出冊数は5.7冊で、これが0.3伸びて6.0になっても、それだけの数値では、5つの
小学校区の極めて低い利用の状態を変える数値ではないからだ。6.0冊に目標を設定することは、利用の低い地区の状態をそのままにしておくことになると考えます。

また、前原地区での高い貸出の校区が、南風(7.6)、前原(7.3)であるというのも、
「望ましい数値10.9」を大きく下回っているのは、前原本館では、目いっぱいの働きをされているものの、人口10万人の市に相応しい本館の規模でないことを示してと考えられる。

それでは、適正な規模はと考える時、参考になるのは毎年『図書館雑誌』の5月号に掲載される23の指標と、糸島市の図書館の数値目標を設定する際に参考となる具体的な数値である。【添付資料⑤を参照】

問2〉糸島市の図書館においても、計画の作成にあたっては、「目標基準例」や図書館
 雑誌に示された指標と数値目標を積極的に取り入れていくことが肝心なことだと考えま
 すが、お考えは。

(指標の例、「図書館数」「延床面積」「自動車図書館数(台数)」「専任職員数」
「うち司書数」「司書率」「蔵書数」「うち開架冊数」「図書年間購入冊数」「雑誌・新
 聞年間購入種数」「登録者数」「貸出点数」「人口当たり貸出点数」「予約件数」「図書館費」「資料費」「うち図書費」「うち雑誌・新聞費」「うち視聴覚費」「人口当たり資料費」

①現行のままでよい。「蔵書冊数」『貸出冊数」

②取り入れる。

③その他

〈問3〉図書館の計画を糸島市長期総合計画の中に入れる。

① はい
② いいえ (理由)
③ その他(                )

〈問4〉「なんでも」について
 現在、糸島市の図書館では、多感からの借用は、県内の図書館と国立国会図書館からに
 限られています。これについてはどのようにお考えですか。

①現行のままにする。(理由)
②「なんでも」の観点から、借りれるように予算措置をする。
③その他(             ) 

5.学校図書館の図書費について 【資料⑥、⑦を参照】
 平成29年度から文部科学省の第5次『学校図書館図書整備等5か年計画』が始まりまし
 た。これは、

 1.学校図書館図書整備のため単年度220億円、総額1100億円を地方交付税措置するも
 ものです。増加冊数分に325億円、古くなった本を新しく買いかえる更新冊数分775億
 円。
 2.学校図書館への新聞配備費に単年度30億円、総額150億円。

 3.学校司書の配置に単年度220億円、総額約1100億円のち方交付税の措置をしたもの
 で、これをどう使うか書く自治体が決めるとなっているため、自治体により、の予算措
 置には大きな違いがみられ、それが今日まで(20年にわたって)続いています。

全国の自治体で学校図書館の図書費として全額を予算措置しない自治体が多かったことから、平成19年度の全自治体の予算措置率を市町村名をあげて文部科学省が公表したことがあります。予算化を促すためです。

平成19年度の福岡県内の状況をみると、69市町村中、予算措置率第1位の福津市が211.8%、第2位の東峰村171.6%から22位の嘉麻町の101.2%まで100%をこえる市町村
が続いています。

合併前の志摩町は69市町村中59位の55.2%、二丈町が60位で54.5%、前原市が62位の
52.3%と、いずれも50%台と県内でも、とりわけ低い位置にまとまっていました。

その後、(糸島市議会での)100%の予算化の求めに対して(前、松本市長時代の)市の
答弁は、「どう使うかは市の判断による」の一点張りで、現在までおおむね予算措置率が低い状態が続いていると思われます。第4期までの20年間、予算措置をしっかりとってきた市町村と糸島市の学校図書館の間には図書費の額の相違があると考えられます。

※ 市長選挙時の添付資料では、『学校図書館図書整備5か年計画』が平成5年に始まって
以来の合併前後の糸島地区・糸島市の年度ごとの予算措置率資料は作成できていませんでした。市議会議員に公開質問状を提出した際に、平成19年度から始まった第3期5カ年計画からは、年度ごとの予算措置率の表を作成して、添付資料として提出。

この資料によれば、この間の極めて低い予算措置率が判明。
平成24年度から29年度までの6年間では、交付額8,298万3千円のうち予算額は3,045万2千円(36.7%)、予算外は5,253万1千円(63.3%)。
    『いとしま としょかんしんぶん』(p2~3参照)

〈問5〉糸島の小・中学校に通うこどもたちが何故このようなわずかの冊数しか購入できな
 い状態に置かれ続けられるのでしょうか。国、文部科学省ですら、学校図書館の蔵書の
 貧しさに20年前から気づき、子供時代に本に触れ、読書の習慣を身につけることがどん
 なに大切かを考えて、5期にわたって学校図書館の図書整備に力をつくしているのに。

これまでの糸島地区の長期にわたる極めて低い予算措置率を考えると、少なくとも100%以上の予算措置が必要であると考えますが、お考えは。
(平成19年度の予算措置率、全国平均78%、福岡県平均97.%)
 
①現行のままでよい。(理由)
②同じ考えである。
③その他(                )

ありがとうございました。質問は以上です。

【添付資料】

①「図書館にはDNAが大事なのです」菅原峻『アミューズ』2000.1.26 毎日新聞社 
D=ディレクター=館長    (図書館ディレクター不足の大問題)
「図書館とはまったくゆかりのないところから異動で来た、本に何の興味もない館長か、
それとも専門の教育を受けて、本という海を航海する船=図書館をしっかりと操舵している館長か」

N=NEW BOOK=新しい本
「新しく内容豊かな図書をきちんと購入し続けているか。・・・オープン後は資料購入がペースダウンする図書館も割と多い」

A=ATRACT=魅力
「中身の伴った資格を持ち、利用者の役に立つ魅力的な専門職員がいるかどうか」

図書館は3つのタイプに分けられる 
1.図書館という看板の下がった役所 、全体の半分以上   
2.無料の貸本屋 、残りの70~80%
3.本物の図書館、5%
「しかも、当初3であっても1,2化していくケースが珍しくない」
 
②「本物の図書館・博物館づくりを目指して」『国土交通』2003.1  国土交通省
・滋賀の図書館づくり (まず人〈館長・司書〉の確保から)
・一般会計の1%を図書館費に

③「図書館力は文化力~図書館サービスで日本一に」(`滋賀県 知事談話`)
 滋賀県ホームページ 「ようこそ知事室へ」 2017.9.7

④「本も買い物宅急便で」 筑後市立図書館が新しいサービス 朝日新聞2013.12.10

⑤「図書館サービスの望ましい指標と糸島市立図書館の比較」(平成27年度)
糸島市(10万人)と人口同規模の滋賀県東近江市立図書館(11万5千人)との比較も掲載

『いとしま としょかんしんぶん』p4.
  いとしま としょかんしんぶん 第1号
   
      糸島市立図書館     東近江市立図書館
専任職員数         4人        24人
資料費      1,678万5千円    5,580万9千円
人口当たり資料費     168円        481円
蔵書数         27万冊      96万5千冊
年間購入冊数      8,511冊      27,558冊
雑誌購入タイトル数    146         794

図書館数         3館         7館
延べ面積       3,469㎡       10,141㎡
自動車図書館台数      0         2台
貸出点数      57万6千点       98万1千点
人口当たり貸出点数    5.8点        8.5点
予約件数      13,500件       82,200件

⑥「学校図書館図書整備等5か年計画」文部科学省

⑦「平成19年度 福岡県内学校図書館(予算措置率順位表)」

⑧「2015(平成27)年度 福岡県内公立図書館貸出順位表(人口一人当たり)
県内52、図書館設置自治体中  
・糸島市 人口当たり貸出 35位 4.77点
・人口あたり資料費  1位 みやこ町・久山町 762円  糸島市(173円)
・中学校区設置率  
 1位 苅田町 200%(中学校数2,図書館数4,自動車図書館1台
  人口当たり貸出11.74点(4位)
 糸島市 50%(中学校数6,図書館数3、BMは0)

以上が市長選挙時の添付資料、以下は市会議員に向けてさらに追加した添付資料

・「糸島市図書館サービス基本計画」より。第4章 5.数値目標
糸島市教育委員会 平成25年11月

・「伊万里市民図書館の運営目標値」  2003年(平成15年)
「伊万里市民図書館の望ましい基準」

 伊万里市民図書館 としょかん通信 平成30年初夏号(第203号) 1P
 同上 2P
 同上 3P

⑨「伊万里市民図書館の望ましい基準との比較」
 伊万里市民図書館『としょかん通信』 平成29年初夏号(第197号)

 伊万里市民図書館 としょかん通信 平成30年初夏号(第203号) 1P
 同上 2P
 同上 3P 

⑫糸島市の学校図書館の図書費及び予算措置率の推移」(弊政19年~29年)



⑬「よりよい図書館サービスをめざして 東近江市立図書館の実践」
 西澤和江 『みんなの図書館』2018年3月号
⑭「心揺さぶる図書館の誕生 東近江市立蒲生図書館を訪ねて」
『としょかん村』 第①号2009.4.1
⑮「貸出上位の公立図書館整備状況・2016」『図書館雑誌』2017年5月号
⑯「図書館利用者懇談会」(平成30年2月22日 二丈館)  市民の声
 
                                    以上