2018年9月1日土曜日

No.5 公開質問状の回答 市長選立候補者の回答は 

2018年1月18日、糸島市の図書館を考える市民の会は、市長選挙に立候補されたお二人に公開質問状を提出し、以下の回答をいただきました。この度の質問状では、それぞれの質問の前に質問の趣旨をのべた文章があるものや又、質問趣旨に係る添付資料があり、回答の公表に当たっては各質問の前に前文等の要点を含めて「質問の趣旨」等として書いています。(このブログでは「質問の趣旨」等は、回答の後に一括して掲載しました。)

どうぞゆっくり、みてください。私たちが生活するまちの市長を目指す人が、今、市民の図書館についてどのように考えてあるか。
 (いとしま としょかんしんぶん 第1号  を手元においてご覧ください。)

〈回答は氏名の五十音順 敬称は略させていただきました。〉
回答は該当する数字に◯をしてください。

問1 校区により図書の貸出に大きな格差があることに対して。

①全体的には目標値の5.5を上回っているので、特に対応を考えない。
(その他理由があれば              )

②目標値を下回る校区が半数近くあり、3冊台以下と極めて利用が低い所が5校(区)もあることから、政策的対応(実態を把握し計画を立てての対応)が必要だと考える。「どこでも」「だれでも」利用できる図書館の在り方から考えても。(分館の適切な配置計画や移動図書館車の運行など)
③その他(                   )

高橋徹郎 ③時間のあるときに、選挙が終わったあとにお答えしたいと思います

月形祐二 ③市民1人当たりの貸出冊数が低い校区があることはご指摘のとおりである
 が、まずは目標値である5.6冊を全ての校区でクリアすることが重要と考えており、今後
 とも子ども読書活動の充実や読書習慣の定着に力を注いでいきたい。

問2 図書館サービスの指標と数値目標の設定について
 計画の作成にあたって、「目標基準例」や『図書館雑誌』に示された指標と数値目標を
 積極的に取り入れることについて。

指標の例、「図書館数」「延べ床面積」「自動車図書館数」「専任職員数」「うち司書
 数」「司書率」「蔵書数」「うち開架冊数」「図書年間購入冊数」「雑誌・新聞年間購
 入種数」「登録者数」「貸出点数」「人口当たり貸出点数」「予約件数」「図書館費」
「資料費」「うち図書費」「うち雑誌・新聞費」「うち視聴覚費」「人口当たり資料費」

①現行のままでよい。「蔵書冊数」「貸出冊数」
②取り入れる。
③その他
    
高橋徹郎 ③ 選挙後
月形祐二 ①現行のままでよい。「蔵書冊数」「貸出冊数」
 図書館サービスの充実を図っていく上では、現行の「蔵書冊数」「貸出冊数」「満足
 度」の推移の見極めが重要と考えている。

問3 図書館の計画を糸島市長期総合計画の中に入れる。

①はい      ②いいえ(理由     ) ③その他(       )

高橋徹郎 ③選挙後
月形祐二 ③総合計画では、蔵書数、貸出冊数、満足度という形で数値目標を掲げ   て図書館サービスの充実を図ることとしている。

問4「なんでも」については現在、糸島市の図書館では、他館からの借用は、県内の図書
 館と国立国会図書館からに限られています。これについてはどのようにお考えですか。

①現行のままにする。(理由               )
②「なんでも」の観点から、借りれるように予算措置をする。
③その他(                          )

高橋徹郎 ③選挙後
月形祐二 ②「なんでも」の観点から借りれるように予算措置をする。

問5 学校図書館図書館の図書費の予算措置について。
これまでの糸島地区の長期(20年)にわたる極めて低い予算措置率を考えると、少なくとも100%以上の予算措置が必要であると考えますが、お考えは。

【平成19年度の予算措置率、全国平均78%、福岡県平均97.1%、糸島地区53.2%:
 前原市52.3%、志摩町55.2%、二丈町54.5% 】

【平成24年~30年の6年間の糸島市への学校図書館の図書費としての地方交付税の総額は
 8,298万3千円、糸島市が予算計上したのは3,045万2千円(36.7%)
    63.3%の5,253万1千円が図書費以外に使われた。

①現行ままでよい。(理由             )
②同じ考えである。
③その他(                    )

高橋徹郎 ③その他(選挙後)
月形祐二 ③その他(学校図書館に求められる機能を考慮し、蔵書数のみでなく総合的に
 判断していく。)

以上です。

【参照】「いとしま としょかん しんぶん」第1号 

 いとしま としょかんしんぶん 第1号

以下、「質問の趣旨」です。一つ一つの質問がどんな意味をもっているか、質問の背景
にあるもの等ついて述べています。

問1.【質問の趣旨、背景】


実際に図書館で行われている図書館サービスは、そのサービスの内容やどれだけ住民
が利用しているか(利用度)をみると、自治体間で非常に大きな格差があります。

また、1つの自治体(市)の中でも、「全域サービスの整備」がされていないと、糸島
市の小学校区を示す地図に図示しているように、地域によって、図書館の利用に大きな
格差が生まれています。

糸島市では2013年(平成25年)3月に『糸島市立図書館サービス基本計画』を策定
「糸島市立図書館は、いつでも、どこでも、だれでも、どんな資料でも提供するを
 モットーにして」図書館サービスを実施しますと述べています。

(糸島市の市民が「いつでも」「どこでも」「だれでも」「なんでも」利用できる図書館
 を目標)

図書館が市民にどれだけ利用されているかを示す「基本的な指標」が「人口一人当たり
(年間)貸出点数」で、糸島市と人口同規模の自治体(人口10万人~15万人)では、
10.9冊が望ましい数値です。

(「基本的な指標」とは生涯学習審議会 社会教育文化審議会計画部会 図書館専門
委員会による『公立図書館の設置及び運営上望ましい基準について(報告)』
の「参考資料:(2)数値目標の例」として算定されたもの。2000年、平成12年
12月8日.

 数値については、全国の市町村(政令指定都市及び特別区を除く)の公立図書館のうち、
人口1人あたりの「資料貸出」点数の多い上位10%の図書館の平均数値を算出したもの。2000年、平成12年12月8日。

翌年の2001年平成13年7月、この報告に基づき『図書館の設置及び運営状の望ましい基準』(以下、『望ましい基準』という)を2001年、平成13年7月告示。以降毎年、『図書館雑誌』(日本図書館協会)の5月号で、より細やかに分類した人口段階別の指標と数値を公表している。平成24年12月『望ましい基準』改正。
糸島市と人口同規模の自治体の「人口一人当たり10.9冊」は平成27年度の参考値)

しかし糸島市の28年度の図書館の目標値5.5で、『望ましい基準』の50%台と、目標の
設定そのものが極めて低いものとなっています。平成28年度の糸島市立図書館では
市民1人当たり5.7冊で、望ましい指標10.9の52%でした。

この利用度の低さは、とりわけ「どこでも」(糸島市内のどこに住んでいても)
「だれでも」のサービス体制に大きな要因があると考えられます。図書館の分館や移動図
書館が市民の生活圏(中学校区)に十分配置されていない、又、その計画がないこと、つまり「全域サービスの体制」が十分整備されていないことが、市民『だれでも」が利用でい状態をもたらしていると考えられます。

望ましい基準』は 、’ 政府が示した図書館の設置と運営についての指針’です。

『望ましい基準』では、「設置の基本」で「市町村は、住民に対して適切な図書館サー
ビスを行うことができるよう、住民の生活圏、図書館の利用圏等を十分に考慮し、市町村
立図書館及び分館等の設置に努めるとともに、必要に応じ移動図書館の活用を行うものとする。・・・当該市町村の全域サービスの整備に努めるものとする。」と定めています。

図書館の[設置の基本」(市で図書館を設置し、図書館を始める目的)は、住民に対し
て「適切なサービス」を行うことにあります。「適切なサービスを行う」とは市民の
「だれもが」子どもも、青少年も、働く人も、お年寄りも、主婦(夫)も、障がいが
ある人(図書館利用にハンディキャップのある人)も「だれでも」が)求める資料や
情報を「なんでも]利用できることです。

すべての市民が「だれでも」「なんでも」利用することを実現するためには、図書館が
住民の「生活圏」にあることが欠かせない、(住民の「生活圏」それは「中学校区」の
 こと)や「図書館の利用圏」を十分考えて、分館の設置や移動図書館を活用して、市の
 全域サービスの整備に努めることは、図書館を設置し、図書館を始める時の基本、肝心要のことであることを、行政もそして市民もしっかりと認識することが、すべての市民の生涯にわたる学び(自己学習)を保障する市民の図書館(市民の市民による市民のための図書館)、市民とともに育つ図書館への第一歩ではないでしょうか。

日本で「だれでも」「どこでも」のサービスを始めたのは

1965年、1台の移動図書館から図書館を始め、順次分館(7館)を設置して、最後に本館
を建てて、その活動により、日本の公立図書館のあり方(図書館はだれのためのものか、図書館は何をするところか)を根底から変えた東京の日野市立図書館が開館して53年、
全域サ-ビス」を図書館「設置の基本」とした図書館サービスが始められてかが経っています。

日野市立図書館はまた、「いつでも」「どこでも」「だれでも」に「なんでも」を加え
て、日本の公立図書館で初めて「リクエストサービス」を始めた図書館でもあります。

日野市の図書館の運営に学び日野市に続く活動、運営をはじめた東京、多摩地域の図書館
や全国各地の図書館で、図書館設置の基本とされたのが、すべての住民に「適切な図書館サービス」を行うための全域サービス網の整備でした。

一方、1965年の日野市立図書館の開館後も、35年間にわたって『望ましい基準』が策
定されない中、「全域サービスの整備」を図書館「設置の基本」としない道を歩む図書
館が数多くありました。

さらに2001年、平成13年7月の『望ましい基準』の公示後の17年間においてもなお、
「全域サービスの整備を図書館設置の基本」としない道を選ぶ図書館がたくさんあり、
糸島市立図書館においても、『糸島市図書館サービス基本計画』が策定され開始された年
の3月末で、糸島市において「全域サービスの整備」に欠くことのできない移動図書館の
廃止を行っています。

日野市の近隣で1966年に開館した調布市立図書館が、3つの柱からなる図書館計画
( ①2つの小学校区に1館 ②半径800m ③人口20,000人に1館)以後、中央館1
 分館10館)を1967年に計画が作られてからでも51年が経っています。

日野市立図書館に始まる、全域サービス網の整備を図書館設置の核心とした全国各地の
図書館の実践が、『望ましい基準』の図書館の「設置の基本」に反映されているとも考
えられます。

糸島地区(合併前の前原市、志摩町、二丈町)、糸島市図書館の歩み(概要)
現在、直面している図書館の課題の背景にあるものを考えるために。

糸島地区(2010年、平成22年の合併前の前原市、志摩町、二丈町)、糸島市の図書館の
歩みについては、あらためて書きますが、

糸島地区で初めて図書館サービスが始まったのは、1965年の日野市立図書館の開館から
33年後の、1998年(平成10年)12月のことです。前原市民の図書館を求める強い要望
と運動により(1994年、平成6年、市民による「図書館建設の援助をする会」が図書館
建設に関する署名16,420人分を市長に提出等)1台の移動図書館車から始められまし
た。その時には、日野市立図書館で始まった『全域サービスの整備』について、深い理
解を持ったスタートで会ったと思われます。

移動図書館による前原市の図書館はその後、紆余曲折を経て、図書館づくりに深く関わってきた市民の願いとはかけ離れた形で、2005年(平成17年)11月、それまで移動図書館
本館とされていたものが前原市図書館(通称パピルス館)として開館。

その後、2010年(平成22年)1月、糸島市誕生後(「前原市図書館」を「糸島市図書館」
と改称)。2011年(平成23年)10月、旧二丈町庁舎(2階と3階の一部)、旧志摩町の第2庁舎を二丈館、志摩館として開館。

2013年9月 『糸島市立図書館サービス基本計画』(以下、『サービス基本計画』と
 いう)を策定。

移動図書館の運行について、小学校区ごとの利用実態に関する報告も論議もないまま、また、移動図書館の実際の運行先であった保育園17園の意見を聞かないまま、事務局の廃止案に対し、委員会では、賛成、反対の意見があり、委員会としては賛成、反対の両論併記で付帯意見を付して提出。直後に開かれた教育委員会で、移動図書館廃止を決定。

この決定も、「サービス検討委員会」の委員にすぐには知らされず、また、市議会議員に『サービス基本計画』が配布された際には、付帯意見は配られることはなかった。

 2015 年(平成27年)7月、閉鎖されていた九州電力前原営業所の建物、土地を市が購入
し改装後、糸島市図書館として開館(本館)、市民への説明会は前原地区で1回のみ、本館
としての望ましい機能やスペース、「全域サービス」における本館の役割等の論議はなく、急きょ進められました。

2016年(平成28年)4月、二丈館、志摩館の移転開館。
2010年の合併後、旧二丈庁舎、旧志摩庁舎にはそれぞれ市役所の支所がおかれたが、5年後に支所を廃止することになっていました。

支所の廃止後、二丈館は旧二丈庁舎の2階と3階の一部が二丈館であったが、1階の一部に移転のため、改装のため9ヶ月間休館し開館。

(「利用者懇談会」での説明では、当初、1階の改装工事を先に行うので、休館は短期間との説明であったが、直前になり、9ヶ月間の休館となることが知らされた。このため、深江公民館の一画にに代替の図書館を設けるよう、要望書を提出したが、叶えられなかった。)

「庁舎等活用検討委員会」で、事務局の担当者が生涯学習課長に「(2階と3階の一部を図書館としている)二丈館について、1階の全部でいいか」と聞いたところ、図書館の主管課長である、生涯学習課の課長は「二丈館の1階への移転については、1階全部のスペースは必要ない」と述べたことから、図書館スペ-スが狭くなった上、従来あった図書館の会議室も設けられなかった。(「情報公開」で入手した「会議録」による)

なお、二丈館、志摩館の移転に当たり、各8回の「利用者懇談会」が開かれ、二丈館の懇談会では、二丈館が図書館と公民館との複合施設であることから、図書館と公民館が一緒にあることの利点が発揮される施設となるよう、とくに「展示(ギャラリー)スペース」を設けるように、強く要望したが実現されなかった。移転開館後に、公民館を常時利用している方から、「展示の場」を設けるよう要望していたが、叶わなかった旨、聞かされた。

市民の中では、写真や絵画や工芸など、実に様々な活動が行われていて、その展示、発表の場が強く求められている。

新しく開館した、二丈館の一番奥のスペースに「交流スペース」なるものが設けられたが、そこに入ると「ここでは、話をしてはいけない」という表示があって、「交流スペース」という名前にそぐわない場となっている。その名前に相応しい活用が求められる。展示の場としての活用について、市民の要望の声を度々、耳にしており、あらためてそのスペースの使い方について検討が必要だと考えます。

志摩館は旧志摩庁舎の隣にあった第2庁舎を改装して、志摩館としていたが、2ヶ月館休館して、旧志摩庁舎の1階の一部を志摩館として開館。

以上の経過を通して、糸島市立図書館では、これまで「全域サービスの整備」を「図書館
設置の基本」とはしてこなかったことが伺われる。「全域サービスの整備」への取り組みが糸島市立図書館の一番の課題であると考える次第です。

問1は、まさに図書館「設置の基本」である「全域サービスの整備」に係る質問です。

 【参考】県内52、図書館設置自治体中
・福岡県内人口1人当たり貸出順位 
①水巻町 14.63(うち町外59%) 登録率155% 人口当たり資料費547円
町内のみの貸出 6.0
②みやこ町12.29(うち町外36%)    65%          762円
町内のみ 7.87  
③久山町 12.0 (うち町外58%)   145%          762円
町内のみ 5.04
④新宮町 11.89 (うち町外38%)   94%          359円
町内のみ 7.37 
⑤苅田町 11.74 (うち町外14%)   65%          258円
町内のみ 10.1      
⑥福津市 10.9  (うち市外12%)   66%          344円
市内のみ 8.88      
⑦大野城市10.73  (うち市外33%)  93%        202円
市内のみ 7.19

㉟糸島市 4.77             47%        173円
※移転開館のため、二丈館9ヶ月、志摩館2ヶ月の休館
㊽福岡市 2.83   (うち市外4%)   27%        78円
市内のみ 2.72
              
・人口あたり資料費  1位 みやこ町・久山町 762円  糸島市(173円)
・中学校区設置率  
1位 苅田町 200%(中学校数2,図書館数4,自動車図書館1台
     人口当たり貸出 11.74点(4位)
糸島市 50%(中学校数6,図書館数3、BMは0)
      
「人口あたりの貸出点数」を見る時、登録率(貸出カードを作った住民の割合)をあわせて見ることが大切です。その町や市の住民のどれだけの人が、実際に利用しているかを正確に把握することは、すべての住民の図書館利用を目指す図書館の計画を考え、作成していくときにまず、まず第一歩となる取り組みです。

町外や市外からの利用が30%をこえるような場合、当該自治体の住民の利用がそれによって損なわれるものがあってはならないと思います。どの町や村や市の住民も、「いつでも」「どこでも」「だれでも」「なんでも」利用できる図書館サービスの実現に向けて、まず力をつくすことが、それぞれの行政に課せられた重要な責務ではないでしょうか。

2.【質問の趣旨の概要

図書館「設置の基本」を実際に実現していくための手立て、方法について
(どのように実現していくか、その手立て、方法が大事です)

『望ましい基準』では「設置の基本」に次いで、市町村立図書館の「管理運営」の項で、
次のように定めています。 

市町村立図書館は、

①基本的な運営の方針を(以下「基本的運営方針」という)を策定し、公表するよう
努めるものとする。」とし、その

②基本的運営方針を踏まえ、図書館サービスその他図書館の運営に関する適切な指標
を選定し、これらに係る目標を設定するとともに、
事業年度ごとに、当該事業年度の事業計画を策定し公表するよう努めるものとする。」

③市町村立図書館は、基本的運営方針並びに前項の指標、目標及び事業計画の策定に
 当たっては、利用者及び住民の要望並びに社会の要請に十分留意するものとする。」と
 定めています。

 市民が「いつでも」「どこでも」「だれでも」「なんでも」利用できる、「市民の暮らしの中にある図書館」を実現するための手立て、要点がそこにはっきりと示されている。

問題は、「設置の基本」をほんとうに実現しようと考えるかどうか。その実現を図るためには①~③の3つは、必ず取り組まなければならない要点です。

『糸島市立図書館サービス基本計画』(糸島市教育委員会 平成25年11月 以下『サービス基本計画』という)の「第4章 糸島市立図書館のサービス計画 1.サービスの方針」の項に「いつでも」「どこでも」「誰でも」「どんな資料でも提供するをモットーに・・・図書館サービスを実施します」と述べられていることを、先に紹介しましたが、

「運営方針」については、『サービス基本計画』の「第3章 図書館のサービスの運営方針」の項について次のように述べられています。

1.理念
1994年、ユネスコは「社会と個人の自由、繁栄および発展は人間にとっての基本的価値である。このことは、十分に情報を得ている市民が、その民主的権利を行使し、社会におい
て積極的な役割を果たす能力によって、はじめて達成される。建設的に参加して民主主義を発展させることは、十分な教育が受けられ、知識、思想、文化、および情報に自由かつ無制限に接し得ることにかかっている。地域においては知識を得る窓口である公立図書館は、個人および社会集団の生涯学習、独自の意思決定および文化的発展のための基本的条件を提案する」とした公立図書館図書館宣言を表明しました。この宣言は・・・(略)・・・

「糸島市では、ユネスコ公立図書館宣言の理念に基づき、市民一人ひとりの知的自由を確保し、民主的な地方自治を促すためにすべての市民の知る権利を保障することを目的とした生涯学習施設として図書館を運営します」

そして、「2.図書館が目指すもの 糸島市立図書館では、以下のことを目指します。」として5つをあげています

(1)市民が生涯学び続けるための拠点    (・・・略・・・)
(2)地域の将来を担う子どもたちの育成の場 (・・・略・・・)
(3)知識・情報の提供の場         (・・・略・・・
(4)市民が心の安らぎをもとめる場     (・・・略・・・)
 (5)まちづくりの拠点           (・・・略・・・)

ところで糸島市民で、この「運営方針」を知っている人がどれだけいるでしょうか。
市や教育委員会、あるいは図書館の職員は知っているでしょうか。議員の方たちは?
『望ましい基準』の「管理運営」の項にあるように、「基営的運営方針を策定し、公表
するよう努めるものとする」ことが求められます。(図書館内に表示するとか・・・)

そして、「基本的運営方針」を実現するためには、
「②基本的運営方針を踏まえ、図書館サービスその他図書館の運営に関する適切な指標
を選定し、これらに係る目標を設定するとともに、・・・」

「適切な指標を選定し」「目標を設定すること」が要のことです。

糸島市の図書館の適正なシステム(本館・分館・移動図書館、その規模・体制)や図書館サービスの「指標」や「数値目標」を考える際、参考となるのは毎年『図書館雑誌』の
5月号(日本図書館協会)に掲載されている「23の指標と数値目標」です。

『基本計画』では、「『望ましい基準』に近づけるよう努力します。」とありますが糸島市立図書館の選定した指標は、このうち「蔵書冊数」と「貸出冊数」の2つのみです。(この他に「利用者満足度のアンケート調査」)

伊万里市民図書館では、このうち16の指標(「図書館数」「自動車図書館」「職員数」「うち司書数」「嘱託職員数」「うち司書数」「臨時職員数」「うち司書数」「資料
購入費」「蔵書冊数」「図書年間購入冊数」「雑誌年間購入冊数」「新聞購入種数」
「登録者数」「貸出資料数」「予約受付件数」)を選定し、

独自に5つの指標を加えて
(「視聴覚資料年間購入数」「新規図書冊数比」(年間購入冊数の開架冊数に占める
 割合)「参考業務受付件数(レファレンス)」「「団体貸出冊数」)
 
21の指標を選定し、それぞれに「数値目標」を定めています。

また、毎年「としょかん通信」の夏季号で、21の指標の達成度を公表しています。
                            (ブログNo.3 参照)

伊万里市民図書館の「指標の選定」と「目標の設定」でとりわけ注目されるのは、その策定の仕方です。伊万里市民図書館では図書館協議会(図書館長の諮問機関)に諮問し、協議会では、綿密な調査をした上で協議し策定していることです。

質問5.【質問趣旨の概要】
『学校図書館図書整備(等)5カ年計画』は学校図書館の蔵書の充実のため、文部科学省が図書購入費等を地方交付税として欠く自治体に交付しているもので、平成29年度から第5次の5カ年計画が始まりました。

この地方財政措置は使徒を特定しない一般財源として措置されているため、糸島市では、
これまでの議会答弁で、「どう使うかは市の判断による」と答え続けて、県下でも極め
て低い予算措置率が続いています。

平成24年度からの6年間でみると交付額の総額、8,293万3千円に対し、糸島市が予算化
したのは、3,045万2千円で、予算措置率は36.7%、29年度は交付額1,726万円、うち
予算計上額は508万2千円で、予算措置率29.4%でした。
 
ぶろぐNo.3 「いとしま としょかんしんぶん』参照

※市長選挙投票結果 (2018年1月28日)

月形裕二 29,004 当選
高橋徹郎 17,653
  
                                     以上   








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