2023年8月14日月曜日

沖縄戦パネル写真展 15日まで No.116

二丈波呂の龍国寺で8月6日から15日まで開催されている。 同時に亜麻工房(東麻美)のクバ展も。 沖縄戦のパネルは沖縄県平和資料館からお借りしたもの。 本堂に写真パネルやクバの作品が展示されていて、次のような掲示が されていました。 「また住職の父、甘蔗大成は昭和20年6月に沖縄で戦死しました。  戦地からの手紙を本堂裏の部屋で展示しています。」 本堂の奥の間では、ご住職のお父様で、1945年6月23日の数日前に沖縄 で戦死された甘蔗大成(かんしゃ だいじょう)様の葉書や手紙が展示 されています。展示物には、ご住職、奥様、副住職の甘蔗健仁さんが丁寧 に手書きで説明書を添えられています。 手紙の紙は、当時宿舎であったホテルの箸袋の紙に鉛筆で書かれたもの、 で、奥様に宛てて書かれた二月二十日と記されたお手紙は、これがさいご の便りとなると考えてのもので、ご家族への深い想いを記されています。 〈説明書には、「沖縄ホテルの箸袋に書いた手紙(遺言)。  実物のコピー。」と書かれています。〉手紙のコピーにそえて、パソコ  で読みくだしたものを読みやすく印字して、手紙の下に展示。 そのとなりに 和紙に墨書で、 和成 、とご住職のお名前が大きく美しく書かれた書 があり、下記の説明が記されていました。 「最期の地となる沖縄に出征する  前に、母親のお腹にいる、生まれてくる  子どもの命名をして、書き残しました。  昭和19年12月6日、無事誕生したことは  戦地に届き、喜びの手紙が届きましたが  父と子は一度も顔を見ることはできません  でした。」 出征前のご家族そろっての写真。 そして、部隊を共にし生き延びた野村正起氏の『沖縄戦敗兵日記』を展示。 〈説明書〉には  〈「沖縄戦廃兵日記」は、父、甘蔗大成(だいじょう)の部隊の野村正起氏   が玉砕後逃げのびて生き残られ、一九四五年(昭和二十年)三月二十三日、   アメリカ軍の投降勧告に応じた九月十四日までの日記を一九七四年に出版   されたものです。   この中で甘蔗大成(大尉)について記述のある部分をぬきとり、コピーし   ました。父は満三十一歳で戦死しました。終戦まで、あと55日でした。」 同書より、 「死と対決すると、たしかに人間は変ってくる。変わらないのは、よほど 偉いやつである。部隊で変わらないのは、本部の甘蔗大成大尉(福岡県出身) ぐらいのものであろう。先生は坊主だから。 わたしは粗暴になった。自分でも自覚はしているのだが、これだけはどうにも 直し洋がない。しかし、腑ぬけになるよりは、むしろ使い道があろうというも のである。」 (同書には、甘蔗大成大尉について触れられている記述が何カ所もある。) 龍国寺での展示は、15日が最終日です。お近くの方はぜひご覧ください。

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