2018年11月10日土曜日

なぜ、どのように「福岡市は図書館砂漠のまち」なのか 福岡市長選挙、公開質問状を提出した市民の会のチラシから No.11


11月18日の福岡市長選挙に向けて、`「図書館を楽しむ」市民のネットワーク・福岡`という市民の会がお2人の立候補者に公開質問状を提出。福岡市立図書館のこれからについての公開質問状は、次のように書きだされています。

「図書館砂漠のまち・福岡市を、市民の身近に図書館のあるまちに
住みよいまち、住み続けたいまち、市民が誇りとするまちには、市民の暮らしの中に、
市民の日々の暮らしの生活圏に、市民の身近に図書館が必要です。」

福岡市が図書館砂漠のまちとは、どういうことでしょうか、なぜ、どのように図書館砂漠のまちなのか、同会のチラシには次のように書かれています。

公開質問状に添付された資料
資料1  政令指定都市 貸出密度(市民1人当たり貸出点数)順位表 2016(平成28)年度
 資料2  福岡県内公立図書館貸出順位表〈人口1人当たり) 
資料3  福岡市立図書館と北九州市立図書館との比較 
     2006(平成18)年~2016(平成28)年


同会のチラシより

図書館砂漠のまち・福岡市を図書館のあるまちに

 住みよいまち、住み続けたいまち、市民が誇りとするまちには、 市民の暮らしの中に、

市民の日々の暮らしの生活圏に、市民の身近に図書館が必要です


福岡市は図書館砂漠・・・市民の身近に図書館がない

・市民1人当たり1年間の貸出冊数(貸出密度)2.8冊 (平成28年度)
 政令指定都市20市の中で最下位(第1位 さいたま市8.0冊),   福岡県内52館の中で49位(県内第1位 水巻町13.7冊)30年をこえて極めて利用度が低い状態が続いています。
※人口30万人以上で望ましい目標値8.9 冊(日本図書館協会)

市民の生活圏(中学校区に1館)に図書館を

日本図書館協会が作成した『豊かな文字・活字文化の享受と環境整備─図書館からの政策提言〈2006年(平成18年)、2012年(24年)改正〉では、

「1.市町村の図書館は、おおむね中学校区を単位とした住民の生活圏域に整備すること

市町村の図書館は、住民が日常利用する生活利便施設【市民の生活の基本施設・・・会による注記】です。こどもや高齢者、障害者にとって身近で安心して利用できることが必要です。すべての住民が利用できる身近な図書館とするために、中学校区を生活圏域として考え、それを設置することを求ます。(略)日本の図書館サービス拠点は諸外国に比べて大変少なく、図書館を増やすことは最も重要な政策課題です。中学校区に1館設置されると、人口当たりではG7の平均に、やっと到達することになります。」

2. 地域の図書館は800㎡以上の施設面積でつくり、5万冊以上の蔵書をもち、3人以上の専任職員を配置すること。」 と述べています。
 
中学校区設置率(公立中学校1校に図書館1館を100%として算出)でみると、福岡市の中学校区設置率は、(図書館数11÷市立中学校69校=)16%

政令指定都市中、貸出密度第1位のさいたま市(人口127万人)は、
図書館数25÷市立中学校57校=44%、24分館の他、移動図書館1,サービスポイ
ント4 (※分館数は福岡市の2.4倍)
・福岡県内52館の中で、第1位苅田町は200%、かつ移動図書館の運行)
 
利用者にとって図書館の魅力は、新鮮で多様な蔵書
・リクエストしたら「150人待ち」と言われたことも!!
・「利用者を手ぶらで帰さない」ためには、資料費(図書費)の確保が肝心要

福岡市、人口当たり資料費71円。政令指定都市中19位、第1位は札幌市248円、さいたま市は180円。福岡県内の平均 175円 (東京都の図書館の平均 314円)福岡県内の図書館 第1位 みやこ町740

人口段階別の人口当たりの指標となる金額は

・8万人~10万人⇒321円、10万人~15万人⇒352円、15万人~20万人 ⇒424円、20万人~30万人⇒393円、30万人~ ⇒193円

(『図書館雑誌』日本図書館協会2018年5月号、「貸出密度上位の公立図書館の整備状況・2017」について)人口段階別に、貸出密度上位10%の平均値を指標にしている。

特別区(東京23区)、政令指定都市については、各区、政令指定都市の間で、人口規模に大きな違いがあるため、平均値は算出されていない。このため、特別区、政令指定都市については、人口30万人以上の193円を指標として考える。)

資料費の総額は、福岡市は、1億625万円、政令指定都市中、利用度第1位の人口127万人のさいたま市は、福岡市の2倍をこえる、2億2,931万円。
「資料1」の「参考」にあげた東京都の文京区(人口21万人)は、福岡市の人口の7分の1であるが、資料費は福岡市より多い、1億1,068万円で図書館数は10館、サービスポイント1で、中学校区設置率100%。
 

  職員の体制の整備が最大の課題 

「人口150万の市の図書館で正規(専任)職員32人のうち、司書(専門職員)が4人 って、ほんとうですか?」と、一体、どれだけ、県内だけでなく県外の市民(住民)や図書館関係者から、驚き呆れられた、いや、驚き呆れられていることでしょう。   

     専任職員32人、②うち司書4、③非常勤・臨時職員118、④派遣職員60

北九州市との比較 (2007・平成19年~2016・平成28年)
・北九州市立図書館 専任職員20人(うち司書2)⇒37人(うち司書22)
・福岡市立図書館  専任職員43人(うち司書12)⇒32人(うち司書4)
※平成30年度は、司書1人減の3人に。(図書サービス課1,文学・文書課2) 

※福岡市立図書館の職員組織 『図書館要覧 平成30年度 福岡市総合図書館』より

・職員組織
 総合図書館 一般職員32(うち司書3)+ 嘱託職員42(うち司書33) 合計74(うち司書36
 分館(10館) 一般職員(0)、嘱託職員65(うち司書46) 計65(うち司書46)
 総計 一般職員32(うち司書3)+ 嘱託職員107(うち司書79)=139(うち司書82)

※政令指定都市20市の中で、貸出密度8.0(福岡市は2.8)で、利用度第1位のさいたま市(人口 127万人)は、専任職員(一般職員)179人(福岡市の5.6倍)、うち司書111(福岡市の37倍)、非常勤24(福岡市の5分の1)

・運営組織
 図書館長、副館長(事業管理部長事務代理)のもと4つの課
 「運営課」(運営係と企画係の2係;決算及び経理庶務、企画他)
 「図書サービス課」(3係と10分館;管理調整係、読書活動支援、図書資料係、分館)
 「文学・文書課」(文学文書係と古文書係の2係)
 「映像資料課」(映像資料係と映像企画係の2係)

・一般職員(専任職員32人のうち、専門職員である司書は総合図書館にわずかに3人、
 分館は専任職員は0で、すべて嘱託職員、かつて分館に専任職員2人が配置されていた時があった。)

・司書3の配置は、図書館サービス課に1人、文学文書課に2人。

 ・文学・文書課の職員は学芸員資格もあり、企画、運営で専門職員としての力を発揮さ
  れた仕事をされている。最近では、「上野英信展 闇の声をきざむ」の企画や内容の
  充実した図録の作成など。

 ・図書館の組織、運営上、また市民への図書館サービスを主に担当しているのは、分館
  10館を含む「図書サービス課」で、嘱託職員を含めた職員総数139人のうち、同
  課には106人と職員総数の約78%の職員が配置されている。まさに図書館サービ
  スの本体部分と言える。

  その本体部分である「図書サービス課」に配置されている専門職員は(1人)であ
  る。この体制では、日常の業務だけでも手一杯で、すべての市民への図書館サービス
  を考えることは難しい。その結果が今日の状態ともたらしていると考えられる。病院
  に医師や看護士が欠くことができないように、図書館には専門職員としての司書の配
  置が欠かせない。

 資料1 「政令指定都市、貸出密度(市民1人当たり貸出点数)順位表 2016(平成28)年
   度」にある「参考」事例としてあげた5つの図書館の「専任職員数(うち司書)」、
  「貸出密度」、「図書館数」、「中学校区設置率」、「人口当たり資料費」を福岡市の
  それと比べてみてください。

 上記のうち、「専任職員数(うち司書)」で、
 東京都調布市(人口226,000人)専任65(うち司書47)+非常勤112で、人口は福岡市の約7分の1であるが、専任職員数は2倍、うち司書は約12倍(平成30年度は約16倍)。
 人口164,000人(福岡市の約11%の人口)の千葉県浦安市は専任職員は32人と福岡市と同数であるが、うち司書は31人と、専任職員の約97%が司書。これに対し福岡市では32人の専任職員のうち司書は3人と司書率は9%である。

 ちなみに浦安市は「図書館のあるまち」として知られ、市民は歩いて10分で市内の図書館を利用できる。分館7、サービスポイント3で、1983(昭和58)年の中央図書館以来、全域サービスを運営の柱としたサービスを行っている。人口10万人台で毎年1億円をこえる資料費を計上してきたが、近年、その資料費が1億円を下回ったことが話題となった。平成28年度の資料費は、9,644万円で市民1人当たり588円(福岡市の71円の約8.3倍)。

「参考」例にあげた図書館では、いずれも専門職員である図書館長が職員を指揮して、図書館長としての職務に力をつくしていると思われる。

 ② 2007年(平成19年)から2018年(平成30年)の12年間で、福岡市総合図書館の館長は9人と短い期間で変わっている。なお、同期間で副館長(事業管理部長事務代理)は6人で、31人、11人、23人、2年目1人と、2年の任期が多い。いずれも短期間の任期である。

 福岡市において40年間にわたって、全域サービス網の図書館計画が作られてこなかった最大の要因は、計画をつくる当事者、その責務を担う図書館長を含めた専門職員の体制が作られてこなかったことにあると考えます。

「図書館砂漠のまち・福岡市を、図書館のあるまちに」していくためには、すべての市民への図書館サービスを考え、それを具体化、政策化することに力をつくす館長、専門職員の体制の整備にとりかかることが第一に求められることだと考えます。
 まず、人(専門職員)から、職員の体制の整備から始まるのだと考えます。

すべての福岡市民が利用できる、図書館政策策定の早急な取り組みを!そのための職員の体制づくりを。

「図書館をたのしむ」市民ネットワーク・福岡 
     

0 件のコメント:

コメントを投稿